Hyper-V のシステム リソースのコスト (Project Server 2007)

 

トピックの最終更新日: 2009-03-26

Hyper-V 上でゲスト オペレーティング システムを実行した場合のコスト

どのようなサーバー仮想化ソフトウェアを使用しても、 Hyper-V 上でのゲスト オペレーティング システムの実行をサポートするために必要な仮想化コードを実行する場合に、ある程度のオーバーヘッドが発生します。以下のセクションでは、Hyper-V 仮想マシンでゲスト オペレーティング システムを実行する場合に発生する、各リソースのオーバーヘッドについて簡単に説明します。

CPU のオーバーヘッド

Hyper-V 仮想マシン上でゲスト オペレーティング システムを実行する場合の CPU のオーバーヘッドは、9 ~ 12% です。たとえば、Hyper-V 仮想マシン上で実行するゲスト オペレーティング システムは、通常、物理的なハードウェアで実行する同等のオペレーティング システムで使用される CPU リソースの 88 ~ 91% を使用できます。

メモリのオーバーヘッド

Hyper-V 仮想マシン上でゲスト オペレーティング システムを実行する場合のメモリのコストは、ハイパーバイザについては約 300 MB、各仮想マシンに割り当てた RAM の最初のギガバイトに 32 MB、各仮想マシンに割り当てた RAM の追加ギガバイトごとにさらに 8 MB かかります。

ネットワークのオーバーヘッド

Hyper-V 仮想マシン上でゲスト オペレーティング システムを実行することに直接関係するネットワーク待ち時間は、約 1 ミリ秒 (ms) 未満です。ゲスト オペレーティング システムは、通常、ネットワーク出力キューの長さを 1 未満に抑えます。

ディスクのオーバーヘッド

パススルー ディスク機能を Hyper-V で使用する場合、Hyper-V 仮想マシンでゲスト オペレーティング システムを実行するときのディスク I/O のオーバーヘッドは 6 ~ 8% です。たとえば、Hyper-V 仮想マシンで実行するゲスト オペレーティング システムは、通常、物理ハードウェアで同等のオペレーティング システムを実行するときに使用されるディスク I/O の 92 ~ 94% を使用できます。

Hyper-V 上で Project Server 2007 ソリューションを実行した場合のディスク パフォーマンス

データベースのパフォーマンスは、どのようなエンタープライズ プロジェクト管理 (EPM) ソリューションのパフォーマンスに対しても総合的に勝ります。Hyper-V に導入されたパススルー ディスクの概念では、物理ディスクまたは論理ユニット番号 (LUN) を、直接かつ排他的に Hyper-V 仮想マシンに割り当てることができます。パススルー機能を使用すると、ディスク操作時に、ルート パーティティションの NTFS ファイル システムをバイパスすることができます。これにより CPU のオーバーヘッドが最小化され、I/O パフォーマンスが最大限に向上されます。Hyper-V で提供される統合 SCSI コントローラや IDE フィルタ ドライバを使用すると、Virtual Server 2005 などに搭載されたエミュレート IDE デバイスを使用した場合よりも優れたパフォーマンスを実現できます。

SCSI コントローラと IDE コントローラのどちらもパススルー処理用に構成できますが、SCSI コントローラを使用して、データ量に合わせてパススルー ディスクを構成することをお勧めします。これは、SCSI コントローラをインストールできるのは、Hyper-V 統合サービスがインストールされている場合のみであるからです。これに対して IDE コントローラは、Hyper-V 統合サービスがインストールされていなくても使用できます。ただし、Hyper-V 統合サービスをインストールせずに IDE コントローラをインストールした場合、ディスク I/O が実行されるときに IDE フィルタ ドライバのメリットを得ることはできません。また、このディスク I/O は最適なパフォーマンスを示しません。このため、Hyper-V 仮想化環境でデータ ファイルのディスク I/O のパフォーマンスを確実に最適化するには、ホスト オペレーティング システムとゲスト オペレーティング システムの両方に統合サービスをインストールし、 SCSI コントローラを使用してデータ量に合わせてパススルー ディスクを構成します。