ファームのバックアップと復元の準備をする (Search Server 2008)

更新日: 2008年7月

適用対象: Microsoft Search Server 2008

 

トピックの最終更新日: 2015-03-09

ドラフト版のコンテンツ この記事は、この製品の以前のバージョン用に公開されたもので、今回のリリース用に変更されていません。

データをバックアップする前に、データが格納されるネットワーク上の共有フォルダを作成する必要があります。また、バックアップを実行するために必要なアカウントに共有フォルダへのアクセス権があることを確認してください。この記事およびこれ以降の手順では、データをバックアップする前の基本的な考慮事項と実行する必要のある手順について説明します。

準備は、障害発生に備えてデータを確実にバックアップし復元可能にするために重要です。展開をバックアップする前に、バックアップと復元の計画を確認します。次の主な操作の実行を検討します。

  • Microsoft Search Server 2008 を展開する際には、作成するアカウント、コンピュータの名前、パスワード、選択するセットアップ オプションの記録をとり、安全な場所に保管します。

  • すべての復元に関する資料、ドキュメント、データベース、およびトランザクション ログのバックアップのコピーは、常にオフサイトの場所で保持します。
    バックアップおよび復元の計画の詳細については、「バックアップと復元を計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

  • システムにバックアップを収容するための十分な領域があることを確認します。記憶容量の計画の詳細については、「記憶域の計画」を参照してください。

  • 定期的にデータ復元操作の試験を実行し、ファイルが適切にバックアップされることを確認します。試験的な回復では、ソフトウェアの検証では表面化しないハードウェアの問題を網羅できない場合があります。

  • 火災、地震などの災害発生時の損害から保護するため、サーバーとは別の場所にサーバー バックアップのコピーを常に複製しておきます。そうすることで、重要なデータの損失を防ぐことができます。最良の方法は、バックアップ メディアのコピーを 3 つ保持し、少なくとも 1 つを適切に管理された環境のオフサイトに保管することです。

SharePoint 製品とテクノロジ サーバー ファームのバックアップまたは復元時に、次の制限と例外が適用されます。

  • SharePoint 製品とテクノロジ組み込みツールでは、以下をバックアップまたは復元しない可能性があります。

    • 展開済みのカスタム ソリューション

    • 代替アクセス マッピング

    • SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをホストする Web アプリケーション

    • インターネット インフォメーション サービス メタベース

    • サーバーの全体管理コンテンツ データベース

    • 構成データベース

      重要

      構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースはバックアップできますが、SharePoint 製品とテクノロジまたは SQL Server に組み込まれているツールを使用して、実行中のファームから作成された構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを復元することはサポートされていません。

      これは、これらのデータベース内のデータと、他の SharePoint 製品とテクノロジ データベース内のデータが同期していないことが原因です。したがって、SharePoint 製品とテクノロジの組み込みツールによるファーム レベルの復元操作では、これらのデータベースは復元されません。

      このデータが同期されない場合、不定期で多様なエラーが発生することがあります。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 948725「SharePoint Server 2007 または Windows SharePoint Services 3.0 で、組み込みのバックアップと復元の機能を使用して、構成データベースの復元は、サポートされません。」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=117755&clcid=0x411) を参照してください。

      次の方法で、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを含むファームを復元できます。

      ファームの構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースが同期していない場合は、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードまたは Psconfig コマンド ライン ツールを使用して、両方のデータベースを再作成する必要があります。

      構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを保護するには、次の方法があります。

  • サイト コレクションのバックアップと復元では、サーバーの全体管理サイトのサーバーの全体管理サイト以外のサイトへの移行をサポートしていません。

  • Windows SharePoint Services VSS Writer サービスを適切に動作させるには、Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアで使用可能な SQL Server VSS Writer サービスを開始する必要があります。既定では、Windows SharePoint Services VSS Writer サービスは自動的には開始しません。

  • SharePoint 製品とテクノロジを使用して作成されたバックアップを別の場所に移動する場合は、バックアップ フォルダ内の個々のバックアップ フォルダではなく、必ず親となるバックアップ フォルダ全体をコピーし移動してください。

  • バックアップをスケジュールする場合は、Stsadm コマンド ライン ツールを使用して、Windows タスク スケジューラで実行できます。

    重要

    spbackup.xml ファイルは変更しないでください。変更すると、バックアップまたは復元したファームが破損し、復元不能となる場合があります。

  • あるバージョンで作成したバックアップを使用して、別のバージョンに復元することはできません。この操作を行うには、アップグレード プロセスを使用します。

  • バックアップにサーバーの全体管理を使用する場合は、復元に Microsoft SQL Server 2005 ツールなど他の方法を使用して復元することはできません。

  • データベースを作成または削除するタスクの実行中にバックアップを実行する場合、これらの変更内容がバックアップに含まれないことがあります。

  • すべてのカスタム ソリューションの個々のバックアップを維持する必要があります。

  • SQL Server 2005 は、マップされているドライブ、またはリモート コンピュータ上の末尾が "$" である共有、または IP アドレスへのバックアップの実行をサポートしていません。

  • 共有サービス プロバイダ (SSP) のバックアップでは、グローバル検索設定がバックアップされません。

タスク要件

このタスクの手順を実行するには、次のコンポーネントが必要です。

  • Search Server 2008 がインストールされている必要があります。Search Server 2008 のインストールの詳細については、「Search Server 2008 または Search Server 2008 Express の展開を計画する」を参照してください。

  • バックアップと復元を実行するためには、以下の表に記載されているアカウントを有効にする必要があります。

    アカウント 説明

    SQL Server サービス アカウント (MSSQLSERVER)

    このサービス アカウントとしてローカル システム アカウントが使用され、共有フォルダが別のコンピュータ上にある場合は、SQL Server を実行しているコンピュータに共有フォルダへの変更および読み取りの権限を付与する必要があります。別の方法として、ドメイン ユーザー アカウントを指定し、そのアカウントに共有フォルダへのアクセス許可を付与することもできます。

    ローカル管理者のアカウント

    Stsadm コマンド ライン ツールを使用してバックアップと復元を実行するには、Stsadm コマンド ライン ツールを保持するコンピュータ上の Administrators グループのメンバとしてログオンしている必要があります。

    インターネット インフォメーション サービス (IIS) における SharePoint サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウント

    このアプリケーション プール ID アカウントは、サーバーの全体管理を使用している場合にバックアップと復元を実行するために必要となります。したがって、このアプリケーション プールのセキュリティ アカウントには、バックアップ データを格納する共有フォルダへの変更および読み取り権限が必要です。

  • バックアップする前に、ファーム アカウントを変更した場合は、新しいアカウントに、バックアップ データを含む共有フォルダへの適切な権限を付与する必要があります。

  • サーバーの全体管理を使用してバックアップする場合は、データベース サーバーの SQL アカウント、タイマ サービス アカウント、およびサーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウントが、バックアップの場所に対する書き込みアクセス許可を持っている必要があります。Stsadm コマンド ライン ツールを使用する場合は、ログオンに使用するアカウントが、バックアップの場所に対する書き込みアクセス許可を持っている必要があります。

  • バックアップするデータベース サーバーとファーム サーバーは互いに接続可能である必要があります。

ネットワーク上で共有フォルダを作成するには

この手順を使用して、バックアップしたデータを受け取り、保持することができる共有フォルダをネットワーク上に作成することができます。また、この共有フォルダはデータの復元時にも使用できます。この目的を満たす共有フォルダが既にある場合は、この手順を実行する必要はありません。次の手順を実行すると、Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアを実行するコンピュータ、および SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをホストするコンピュータから共有フォルダに確実にアクセスできるようになります。

重要

この手順を完了するには、最低限、共有フォルダが存在するコンピュータ上の Administrators グループのメンバシップが必要です。

ネットワーク上で共有フォルダを作成する

  1. SQL Server を実行しているコンピュータ以外のコンピュータで共有フォルダを作成する場合、SQL Server のサービス アカウント (MSSQLSERVER) がドメイン ユーザー アカウントを使用していることを確認してください。SQL Server のアカウントの詳細については、次のリソースを参照してください。

  2. バックアップ データを格納するサーバーで共有フォルダを作成します。

  3. [プロパティ] ダイアログ ボックスの [共有] タブで、[アクセス許可] をクリックし、次のアカウントを追加します。

    • SQL Server サービス アカウント (MSSQLSERVER)

    • SharePoint サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウント

  4. [変更] および [読み取り] アクセス許可に対して [許可する] を選択し、[OK] をクリックします。

  5. [プロパティ] ダイアログ ボックスの [セキュリティ] タブで、[フル コントロール] を除くすべての権限を手順 3. で一覧表示したアカウントに付与し、[OK] をクリックします。

復元の準備を行う

復元を開始する前に、次のことに注意してください。

重要

構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースをバックアップすることはできますが、実行中のファームから取得された構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースのバックアップは、SharePoint 製品とテクノロジまたは SQL Server の組み込みツールでは復元できません。

これは、これらのデータベース内のデータと、他の Search Server 2008 データベースまたは Windows SharePoint Services 3.0 データベース内のデータが同期していないことが原因です。したがって、SharePoint 製品とテクノロジの組み込みツールによるファーム レベルの復元操作では、これらのデータベースは復元されません。

このデータが同期されない場合、不定期で多様なエラーが発生することがあります。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 948725「SharePoint Server 2007 または Windows SharePoint Services 3.0 で、組み込みのバックアップと復元の機能を使用して、構成データベースの復元は、サポートされません。」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=117755&clcid=0x411) を参照してください。

次の方法を使用すれば、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを含む、ファームを復元することができます。

ファームの構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースが同期していない場合は、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードまたは Psconfig コマンド ライン ツールを使用して、両方のデータベースを再作成する必要があります。

構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを保護するには、次の方法があります。

  • UNRESOLVED_TOKEN_VAL(2nd_Search) では、あるバージョンから別のバージョンの UNRESOLVED_TOKEN_VAL(2nd_Search) に復元するバックアップはサポートされていません。この操作を実行するには、アップグレード プロセスを使用してください。

  • 復元する前に、Windows SharePoint Services Administrative サービスがすべてのサーバー ファーム上で開始されていることを確認する必要があります。スタンドアロン インストールの場合、このサービスは既定では開始されません。

  • SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトを使用して復元する場合、データベース サーバーの SQL アカウント、タイマ サービスのアカウント、およびサーバーの全体管理のアプリケーション プール アカウントには、バックアップの場所に対する読み取りアクセス許可が必要です。

  • Stsadm コマンド ライン ツールを使用する場合は、ログオンに使用するアカウントが、バックアップの場所に対する読み取りアクセス許可を持っている必要があります。

  • バックアップから復元までの間にクロール関連アカウントの資格情報が変更された場合は、復元の実行後にすべてのクロール関連パスワードを再入力する必要があります。これには、既定のコンテンツ アクセス アカウントと、資格情報を含む各インクルード クロール ルールのパスワードが含まれます。

  • スタンドアロン インストール上で SSP を復元する前に、管理者は、検索が使用できるように、Microsoft SharePoint Services Administration サービスを手動で開始する必要があります。このサービスは、ローカル サーバー上で検索ディレクトリを作成するために必要です。このディレクトリに検索インデックス ファイルが保存されます。

  • スタンドアロン インストール上では、SSP を復元する前に、タイマ サービスを再開する必要があります。

  • 検索サービスとインデックスを新しいインストールに復元または移行する場合は、検索サービスが実行中であることを確認してから復元を実行してください。

  • 復元後、検索を再び利用できるまでに最高で 15 分かかる場合があります。

  • Web アプリケーションを復元する場合は、同期サービスが一時停止していることをあらかじめ確認してください。

  • 同じバックアップから同時に複数回の復元を実行することはできません。

関連項目

概念

ファーム全体のバックアップおよび復元 (Search Server 2008)
組み込みツールを使用してファームをバックアップする (Search Server 2008)
組み込みツールを使用したファームの復元 (Search Server 2008)
SQL Server ツールを使用したファームのバックアップ (Search Server 2008)
SQL Server ツール (Search Server 2008) を使用してファームを復元する
構成データベースの問題発生後にファームを復元する (Search Server 2008)