ドキュメント管理とは

この記事の内容 :

  • ドキュメント管理システムの要素

  • 計画プロセス

ドキュメント管理は、組織内のドキュメントのライフ サイクル (ドキュメントを作成、レビュー、発行、使用する方法、および最終的にドキュメントを廃棄または維持する方法) を制御します。"管理" という用語は、トップダウン方式の情報の制御を意味していますが、効果的なドキュメント管理システムは、そのシステムを使用する組織の文化を反映している必要があります。ドキュメント管理に使用するツールは、ドキュメントのライフ サイクルを細かく管理できた方が企業の文化と目標に合っている場合はそのように管理でき、同時に、より緩やかに構造化されたシステムの方が企業に適している場合はそのようなシステムも実装できるように、柔軟である必要があります。

適切にデザインされたドキュメント管理システムは、情報をより簡単に検索および共有することができます。コンテンツを論理的な方法で整理し、企業全体でのコンテンツの作成と表示を簡単に標準化できます。ナレッジ マネジメントおよび情報のマイニング作業が促進されます。組織が法律上の義務を果たせるよう支援します。テンプレートの作成からドキュメントの作成、レビュー、発行、監査、および最終的なドキュメントの破棄またはアーカイブまで、ドキュメントのライフ サイクルの各段階に応じた機能が提供されます。

ドキュメント管理システムの要素

効果的なドキュメント管理ソリューションでは、以下の要素を指定します。

  • 組織内で作成できるドキュメントの種類およびその他のコンテンツ タイプ。

  • 各種類のドキュメントで使用するテンプレート。

  • 各種類のドキュメントに提供するメタデータ。

  • ドキュメントのライフ サイクルの各段階で、ドキュメントを保存する場所。

  • ドキュメントのライフ サイクルの各段階で、ドキュメントへのアクセスを制御する方法。

  • チーム メンバがドキュメントの作成、レビュー、承認、発行、および廃棄を行う場合に、組織内でドキュメントを移動する方法。

  • ドキュメント関連の操作が監査され、ドキュメントが正しく保持または破棄され、組織にとって重要なコンテンツが保護されるように、ドキュメントに適用するポリシー。

  • ドキュメントがそのライフ サイクルのある段階から別の段階に移行する場合に、ドキュメントを変換する方法。

  • 法律要件および企業ガイドラインに準拠して保持する必要のある、企業レコードとしてドキュメントを扱う方法。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 には、ドキュメント管理に関するこれらの要素すべてを実装する機能が含まれています。インフォメーション ワーカーが日常の操作や使い慣れたツールを使用してこれらの機能を簡単に有効活用できるように、Microsoft Office 2007 システムの Microsoft Outlook、Microsoft Word などのアプリケーションには、ドキュメントのライフ サイクルの各段階をサポートする機能が含まれています。

計画プロセス

ドキュメント管理の計画プロセスは、以下の主要な手順で構成されています。

  1. ドキュメント管理の役割を特定する   組織の主要な関係者のフィードバックを計画に取り込んでいること、ソリューションを実装するために適切なチームを配置していること、ドキュメント管理プロセスに従事しているユーザーがわかっていることを確認します。ドキュメント管理計画チームの編成の詳細については、「ドキュメント管理の参加者と関係者を識別する」を参照してください。

  2. ドキュメントの使用状況を分析する   ドキュメントで作業するユーザーを特定した後は、使用するドキュメントの種類とそのドキュメントの使用方法を決定します。詳細については、「ドキュメントの使用状況を分析する」を参照してください。

  3. ドキュメントの整理を計画する   ドキュメントは、ライブラリ、チーム サイト、およびポータル サイトに整理できます。Office SharePoint Server 2007 では、レコード リポジトリなどの特殊なサイトから、特別なドキュメントの作成やグループ作業用のフリーフォーム ドキュメント ライブラリまで、一連のドキュメント整理および保存機能を提供しています。ライブラリ内では、コンテンツをさらにフォルダとサブフォルダに分けて整理することもできます。詳細については、「ドキュメント ライブラリを計画する」を参照してください。

  4. 複数の場所の間でコンテンツの移動方法を計画する   ドキュメントのライフ サイクルの各段階で、ドキュメントをあるサイトまたはライブラリから別の場所に移動またはコピーする必要がある場合があります。たとえば、発行プロセスには、ドキュメントをステージング サイトからインターネットのパブリック サイトに移動する作業が含まれる場合があります。コンテンツをサイト間で移動するときに、ある形式から別の形式に変換する必要がある場合は、コンテンツの変換も計画する必要があります。詳細については、「ドキュメント ライブラリを計画する」の「コンテンツのフローを計画する」を参照してください。

  5. コンテンツ タイプを計画する   コンテンツ タイプを使用して、メタデータ、ドキュメント テンプレート、ポリシー、ワークフロー プロセスなど、ドキュメントの種類に関する情報を整理します。これは、ドキュメントを整理して、組織全体で一貫性が常に維持されるようにするために必要不可欠な手順です。詳細については、「コンテンツ タイプを計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

  6. コンテンツの制御を計画する   各コンテンツ タイプと保存場所について、適度な制御を計画できます。たとえば、ドキュメント ライブラリの場合は、Information Rights Management を使用して、チェックインとチェックアウトを要求してドキュメントを認証されていない配布から保護するように計画することができます。詳細については、「バージョン管理、コンテンツの承認、チェックアウトを計画する」を参照してください。

  7. ワークフローを計画する   組織のワークフローを計画することによって、各参加者がドキュメントのライフ サイクル中にグループ作業を行う場合に、ドキュメントがあるチーム メンバから別のチーム メンバにどのように移動するかを制御したり追跡したりすることができます。Office SharePoint Server 2007 には、ドキュメントのレビュー、承認などの共通のチーム タスクに使用できるワークフローが組み込まれています。また、Office SharePoint Server 2007 は、カスタム ワークフローの作成とインストールもサポートしています。詳細については、「ドキュメント管理のワークフローを計画する」を参照してください。

  8. ポリシーを計画する   各コンテンツ タイプについて情報管理ポリシーを計画して、確実にドキュメントが正しく監査、保持、ラベル付けされるようにするか、そうでない場合は組織の制度上および法律上の要件に従って処理されるようにします。Office SharePoint Server 2007 には、監査、ドキュメントの保持、ラベル付け、およびバーコード (印刷されたコンテンツをドキュメント ライブラリ内の対応するドキュメントと確実に関連付けることができます) を実装するためのポリシーが含まれています。詳細については、「情報管理ポリシーを計画する」を参照してください。

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