ブラウザおよび Microsoft Office SharePoint Designer 2007 にカスタマイズを再適用する

段階的なアップグレードまたはデータベース移行の実行後、アップグレードしたサイトをユーザーに公開する前に、サイトの旧バージョンとアップグレードしたバージョンとを比較し、気付いた問題点を修正して、カスタマイズを再適用することができます。

アップグレードしたサイトの確認チェックリスト

以下のチェックリストを使用して、サイト全体の確認を行い、修正が必要な問題を特定することができます。

Web パーツ

Microsoft® ASP.NET 2.0 で Web パーツのテストを実行した場合でも、アップグレード後に Web パーツに関する問題が見つかることがあります。Web パーツのテストの詳細については、「カスタム Web パーツ パッケージをアップグレードする」を参照してください。

チェックポイント 問題の解決方法

アップグレードしたサイトには、元のサイトで表示されていたすべての Web パーツが表示されていますか。

カスタマイズ (*実体化*) されたページにある Web パーツ領域がサイト定義に含まれていない場合、その Web パーツ領域の Web パーツはアップグレード時にページの下部領域に移動した可能性があります。

ブラウザまたは Microsoft Office SharePoint Designer 2007 のページの編集モードで、下部領域またはその他の領域で欠落している Web パーツを探すか、Web パーツが閉じているかどうかを確認してください。

Office SharePoint Designer 2007 での Web パーツ ゾーンおよび Web パーツ領域の操作については、Office SharePoint Designer 2007 ヘルプ システムの「Web パーツを挿入または削除する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=76020&clcid=0x409) を参照してください。

壊れている Web パーツ ページがありますか。

Web パーツに問題がある場合は、URL 構文の最後に「contents=1」を追加し (http://siteurl/?contents=1)、Enter キーを押します。これにより、[Web パーツ ページの管理] ページが表示されて、壊れた Web パーツ ページを削除および修正できます。

Web パーツは正しく表示されていますか (適切な Web パーツ領域の適切な位置に、適切なサイズで表示されているかなど)。

ブラウザまたは Office SharePoint Designer 2007 のページの編集モードで、Web パーツを適切な領域までドラッグするか、Web パーツのプロパティを変更してサイズや位置の問題を修正します。

Office SharePoint Designer 2007 での Web パーツおよび Web パーツ領域の操作については、Office SharePoint Designer 2007 ヘルプ システムの「Web パーツを挿入または削除する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=76020&clcid=0x409) を参照してください。

余分な Web パーツや欠落している Web パーツがありますか。

ブラウザまたは Office SharePoint Designer 2007 のページの編集モードでページを開きます。ページに余分な Web パーツが表示されている場合は、ページの元のバージョンに閉じている Web パーツや非アクティブな Web パーツが含まれていなかったかどうかを確認します。アップグレード プロセスによって、閉じている Web パーツや非アクティブな Web パーツがアクティブ化されることがあります。その場合は、Web パーツのプロパティを変更して、それらの Web パーツを閉じることができます。

Web パーツが欠落している場合は、Office SharePoint Designer 2007 で "コントロールの表示のエラー" または "Missing Assembly" などのエラーが発生していないかどうか確認します。これらのエラーは、Web パーツがインストールされていないか新しい環境に合わせて適切に構成されておらず、再インストールか再構成が必要であることを示しています。

Office SharePoint Designer 2007 での Web パーツおよび Web パーツ領域の操作については、Office SharePoint Designer 2007 ヘルプ システムの「Web パーツを挿入または削除する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=76020&clcid=0x411) を参照してください。

ページで Web パーツの一覧が使用されていますか。

Web パーツの一覧は、Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003 で使用できました。元のページに Web パーツの一覧が含まれていた場合、Microsoft Office SharePoint Server 2007 では概要リンク Web パーツかコンテンツ クエリ Web パーツのどちらかにアップグレードされます。特定のデータを適切な方法で表示するには、Web パーツの再構成が必要になる場合があります。

Office SharePoint Server 2007 でのこれらの Web パーツの構成については、以下を参照してください。

Web パーツは正常に動作しますか。

ブラウザまたは Office SharePoint Designer 2007 のページの編集モードでページを開き、コンポーネントやサービスが見つからないというエラーが発生していないかどうかを確認します。アップグレードされたサイトに、Web パーツが依存するコンポーネントやサービスが存在することを確かめてください。特にデータベース移行方式を採用した場合は、Web パーツで必要とされるすべてのコンポーネントおよびサービスがインストールされているかどうか、またそれらのコンポーネントおよびサービスが適切に構成されているかどうかを確認する必要があります (Web.config の SafeControls リストなど)。

スタイルと外観

カスケード スタイル シート ファイルのスタイルは、アップグレード後も適用されますが、ページの外観が適切かどうか確認する必要があります。

チェックポイント 問題の解決方法

ページ上のイメージはすべて正しく表示されていますか。

イメージへのリンクが正しいことを確認します。Office SharePoint Server 2007 にアップグレードすると、ランディング ページ (Default.aspx など) で使用されているすべてのイメージは、アップグレード プロセスによって PublishingImages ライブラリに移されます。通常はすべてのリンクが修正されていますが、ページ相対リンクは更新されていない場合があります。

適切なカスケード スタイル シートの色およびスタイルが適切な場所で使用されていますか。

カスケード スタイル シート ファイルへのリンクが正しいことを確認します。Office SharePoint Server 2007 にアップグレードすると、すべてのランディング ページ (Default.aspx など) は、アップグレード プロセスによって Pages ライブラリに移されます。通常はすべてのリンクが修正されていますが、ページ相対リンクは更新されていない場合があります。

サイトでマスタ ページが使用されている場合は、個々のページを変更する代わりに、マスタ ページ上でリンクを更新することができます。

サイトに適用したテーマは旧サイトと同様に表示されていますか。

サイトのホーム ページまたはサイト内の他のページの外観が、サイトのアップグレード後に変化する場合があります。たとえば、Windows SharePoint Services 2.0 では、テーマは業界標準のカスケード スタイル シートのコレクションで構成されており、このコレクションによってサイトのフォントや書式設定が制御されていました。しかし、Windows SharePoint Services 3.0 および Office SharePoint Designer 2007 では、更新された各テーマが 1 つのカスケード スタイル シートに統合されています。このシートにも、新しいスタイルや更新されたスタイルが含まれています。アップグレード後、Windows SharePoint Services 2.0 のテーマで使用されていたサイトのスタイル シートは、アップグレードされたサイトでも使用されますが、既定のテーマは Windows SharePoint Services 3.0 の既定のテーマに変更されます。というのも、Windows SharePoint Services 2.0 のテーマには更新されたスタイルや新しいスタイルのクラスが含まれていないため、更新しなければ Windows SharePoint Services 3.0 のサイトに正常に適用できないからです。また、テーマを更新しない場合は、目的の外観を持つ Windows SharePoint Services 3.0 テーマを適用することもできます。

機能していない JavaScript コントロールがありますか。

コントロールへのリンクが正しいことを確認します。Office SharePoint Server 2007 にアップグレードすると、すべてのランディング ページはアップグレード プロセスによって Pages ライブラリに移されます。通常はすべてのリンクが修正されていますが、ページ相対リンクは更新されていない場合があります。

エリア (現在はサブサイト)

エリアとサブエリアは、アップグレード中に何度も変換されます。最終的には、ポータル サイト コレクション内のサブサイトに変換されます。エリアおよびサブエリアのホーム ページは、各サブサイトの Pages ライブラリに移動されます。また、Office SharePoint Server 2007 のサイトおよびサブサイトの URL は、論理ナビゲーション構造に従います。そのため、URL は http://portal_name/c2/ ではなく、http://portal_name/ あるいは http://portal_name/sites/ となります。アップグレードされたポータル サイトの仕組みについては、「Office SharePoint Server 2007 を操作する」を参照してください。

チェックポイント 問題の解決方法

以前のすべてのエリアおよびサブエリアは、アップグレードされたサイト コレクションにサブサイトとして表示されていますか。ナビゲーションに正しい順序で表示されますか。余分なサブサイトはありませんか。

サイト上のナビゲーションを参照して、サブサイトが適切に表示されていることを確認します。サイトの階層全体を参照するには、[サイトのコンテンツと構造] ページを使用します。[サイトの操作] メニューの [コンテンツと構造の管理] をクリックすると、サブサイトがこのページの一覧の上部に表示されます。このページから、サイト コレクション内のサブサイトの移動、作成、削除を実行できます。

元のサイトのあるエリアがナビゲーションに表示されていなかった場合、そのサブサイトはアップグレードされたサイトでも表示されませんか。

サイト定義には、Documents、Reports、Search などの新しい標準サブサイトが既定で追加されています。これらのサブサイトは、サイト ナビゲーションに表示されていますか。

サイトのナビゲーションでサブサイトを非表示にするには、[サイトのナビゲーション設定] ページを使用します。[サイトの操作] メニューの [サイトの設定] をクリックし、[サイトの設定] ページの [外観] で [ナビゲーション] をクリックします。[ナビゲーションの編集と並べ替え] で、非表示にするサブサイトをクリックし、[非表示] をクリックします。

以前非表示にしていたエリアがナビゲーションに表示されている場合は、[サイトのナビゲーション設定] ページに移動し、サブサイトをもう一度非表示にします。

サブサイトの名前は、ナビゲーションに正しく表示されていますか。

サブエリアの実際の名前は変更せずに、ナビゲーションへのサブエリア名の表示方法を手動で (Office SharePoint Server 2007 と互換性のある Microsoft Office FrontPage® 2003 などの Web ページ エディタ、またはブラウザ インターフェイスを使用して) 変更した場合、アップグレードされたサイトのサブサイトには、変更された名前ではなく元の名前が表示される可能性があります。この場合は、変更を再適用する必要があります。

カスタマイズ (実体化) されたページ

Office SharePoint Server 2007 と互換性のある Office FrontPage 2003 などの Web ページ エディタを使用してカスタマイズされたページは、実体化されたページと呼ばれます。これは、カスタマイズされたページは、ページの既定のバージョンのビューではなくなるためです。

チェックポイント 問題の解決方法

カスタマイズは適切に適用されていますか。

問題は 1 点のみ (エリアのチェックリストに含まれている問題点) ですか。またはページ全体に関係するより大きな問題がありますか。Office SharePoint Designer 2007 で、元のページとアップグレード後のページを比較し、ページが異なっている原因を特定してください。

たとえば、元のサイトにまったく新しいページを追加した場合 (既存の Default.aspx ファイルに変更を加えるのではなく、他のファイルと置き換えた場合など)、その新しいページはサイト定義と関連付けられていないため、アップグレードされたサイトでは他のページと外観が統一できない可能性があります。また、このページをリセットしても他のページと同じ外観に戻すことができない場合もあります。カスタマイズしたページをサイト内の他のページと同じ外観にする場合は、サイト定義に基づいて新しいページを作成し、その新しいページにカスタマイズを転送することを検討してください。

ページの編集コントロールは表示できますか。

編集コントロール ([サイトの設定] リンク、[ページの編集] リンクなど) をカスタマイズした場合は、それらのコントロールを表示できるかどうか確認します。表示されない場合は、次のどちらかを実行できます。

  • 元のサイトのコントロールをコピーして、貼り付けます。この方法は、元のバージョンの機能をそのまま維持しなければならない場合にのみ使用してください。Office SharePoint Designer 2007 で元のページを開き、コード ビューでコントロールを検索します。コントロールをコピーし、アップグレードしたサイトでアップグレードしたページ (またはマスタ ページ) を開いて、コントロールを適切な場所に貼り付けます。

  • ページを既定のバージョンにリセットして、編集コントロールを新しいバージョンのコントロールと置き換えます。更新された機能を使用できるため、通常はこの方法をお勧めします。Office SharePoint Designer 2007 で [ページ レイアウトの再適用] コマンドを使用して、ページを既定のバージョンにリセット (*再非実体化*とも呼ばれる) します。既定のページを復元したら、別のマスタ ページやページ レイアウトを適用するか、Office SharePoint Designer 2007 でカスタマイズを再適用して、ブラウザでカスタマイズを再適用することができます。

  • サイト定義へのリセットの詳細については、「カスタマイズしたページをサイト定義にリセットする」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=76026&clcid=0x411) を参照してください。

元のページのカスタマイズは新しい環境でも適切ですか。新しい機能や外観に更新しますか。

段階的なアップグレードを実行しても、既定では、カスタマイズ (実体化) されたページでは新しいサイト定義 (つまり、新しい機能) は使用されません (ただし、段階的なアップグレード時に新しいサイト定義を適用することもできます。詳細については、「サイトをアップグレードする (Office SharePoint Server)」を参照してください)。

新しい機能を使用するには、カスタマイズしたページをリセットしてサイト定義を使用するようにする必要があります。ページをリセットすると、事実上カスタマイズは破棄され、ページはマスタ ページとページ レイアウトに関連付けられます。適用したいカスタマイズは、個々のページに保存するのではなく、マスタ ページとページ レイアウトに転送することができます。

カスタマイズしたページで新しい機能を使用するには、Office SharePoint Designer 2007 の [ページ レイアウトの再適用] コマンドを使用して、ページを既定のバージョンにリセット (再非実体化) することを検討してください。既定のページを復元したら、別のマスタ ページやページ レイアウトを適用するか、Office SharePoint Designer 2007 でカスタマイズを再適用して、ブラウザでカスタマイズを再適用することができます。

サイト定義へのリセットの詳細については、「カスタマイズしたページをサイト定義にリセットする」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=76026&clcid=0x411) を参照してください。

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入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。

関連項目

概念

試用版のアップグレードを使用して潜在的な問題を発見する (Office SharePoint Server)