ELIN ゲートウェイの場所の管理
トピックの最終更新日: 2012-06-11
Microsoft Lync Server 2010 によってネットワーク内のクライアントに自動的に場所が提供されるようにするには、次のタスクを実行する必要があります。
場所情報サービス データベースにネットワークのワイヤマップを取り込み、CompanyName フィールドに緊急位置識別番号 (ELIN) を入れます。
場所を公開して、ネットワーク内のクライアントが利用できるようにします。
利用している PSTN 事業者の自動ロケーション識別 (ALI) データベースに ELIN をアップロードします。
これらのタスクの実行方法の詳細については、「展開」のドキュメントの「場所データベースの構成」を参照してください。
注: |
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中央場所データベースに追加される場所は、Lync Server 管理シェル コマンドを使用して公開され、プールのローカル ストアに複製されるまで、クライアントが利用することはできません。詳細については、「展開」のドキュメントの「場所データベースの公開」を参照してください。 |
このセクションでは、場所データベースの更新および保守を計画する際に考慮すべき事項について説明します。
緊急場所の計画
ELIN ゲートウェイを使用するときは、場所情報サービス データベースに公的アドレスと少なくとも 1 つの ELIN を緊急応答ロケーション (ERL) ごとに取り込みます。計画フェーズで、場所の命名方法と ELIN の割り当て方法を決めることをお勧めします。
場所の名前の計画
場所情報サービスの Location フィールドは最大 20 文字 (スペースを含む) です。この長さ制限内で、次のものを含めてください。
緊急時対応要員が公的アドレスに着き次第、すぐに特定の場所を識別できるように、わかりやすい名前を使用します。この場所名には、建物番号、階数、ウイング名、部屋番号などを含めることができます。従業員にしかわからないような異名や略称を使用すると、緊急時対応要員が正しい場所にたどり着けないことがあります。
Lync クライアントが正しい場所を取得したことをユーザーが容易に把握できるような場所 ID を使用します。Lync クライアントは、ヘッダー内の Location フィールドと City フィールドを自動的に連結して表示します。有効な方法の 1 つとして、各場所 ID に建物の番地を追加することをお勧めします ("1 階 <ストリート番号>" など)。番地が指定されていないと、"1 階" などの総称的な場所 ID が市内のさまざまな建物に適用される可能性があります。
場所がワイヤレス アクセス ポイントで決定されるために近似となる場合、Near という単語を追加することができます (たとえば、"Near 1 階 1234")。
ELIN の計画
ERL は番地の特定の場所を定義するものです。建物の空間をどのようにして ERL に分割し、各 ERL に ELIN をいくつ割り当てるかを決定する必要があります。たとえば、マルチフロアまたはマルチテナントの建物では、建物内の異なる領域に異なる ERL ゾーンを割り当てることができます。通常は建物内の各階を ERL にします。そうすれば、各 ERL に 1 つ以上の ELIN が割り当てられ、それらの ELIN は緊急通話時に発信側電話番号として使用されます。ELIN として使用できる電話番号を、ご使用の PSTN 事業者に問い合わせてください。次の表に、特定の番地についての ERL の例を示します。
ERL と ELIN の割り当ての例
建物の領域 | ERL | ELIN |
---|---|---|
1 階 |
1 |
425-555-0100 |
2 階 |
2 |
425-555-0111 |
3 階 |
3 |
425-555-0123 |
定義する ERL は、次の要件を満たしている必要があります。
各 ERL の最大面積および各番地の ERL 数に関して、地域および国の法規に従っていること。
緊急電話発信者を簡単に見つけられるように十分に特定的であること。
場所データベースの設定
次の質問は、場所データベースの設定方法を決めるのに役立ちます。
- 場所データベースにデータを取り込むためにどんなプロセスを使用するのか。
データがどこに存在し、そのデータを場所データベースで要求される形式に変換するためにどのようなステップを実行する必要があるのか考慮してください。また、場所を個別に追加するのか、または CSV ファイルを使用して一括追加するのか検討してください。
場所のマッピング情報が既に格納されているサードパーティのデータベースを定義するのか。
Lync Server のセカンダリ場所情報サービスのオプションを使用してサードパーティのデータベースに接続することにより、オフライン プラットフォームを使用して場所をグループ化し、管理できます。この方法の利点は、場所をネットワーク ID に関連付けることに加えて、場所をユーザーに関連付けられることです。つまり、場所情報サービスは、セカンダリ場所情報サービスを情報源として、複数のアドレスを Lync Server 2010 クライアントに返すことができます。その後、ユーザーは最適な場所を選択できます。場所情報サービスと統合するために、サードパーティ データベースは Lync Server の場所要求/応答スキーマに従う必要があります。セカンダリ場所情報サービスの展開の詳細については、「展開」のドキュメントの「セカンダリ場所情報サービスの構成」を参照してください。
場所データベースへのデータ取り込みの詳細については、「展開」のドキュメントの「場所データベースの構成」を参照してください。
場所データベースの保守
場所データベースにデータを取り込んだ後は、ネットワーク構成の変更に伴ってデータベースを更新するための手段を講じる必要があります。次の質問は、場所データベースの保守方法を決めるのに役立ちます。
- 場所データベースをどのような方法で更新するのか。
場所データベースの更新が必要になる場合としては、ワイヤレス アクセス ポイント (WAP) の追加、オフィスでの再配線 (別のスイッチ割り当てに変更)、サブネットの拡張など、いくつかのシナリオが考えられます。個々の場所を直接更新するのか、または CSV ファイルを使用してすべての場所の一括更新を実行するのか考慮してください。
- SNMP アプリケーションを使用して、Lync クライアントの MAC アドレスをポートおよびスイッチ ID と照合するのか。
SNMP アプリケーションを使用する場合は、SNMP アプリケーションと場所データベースの間でスイッチ シャーシおよびポート情報の整合性を維持するための手動のプロセスを作成する必要があります。SNMP アプリケーションがデータベースに存在しないシャーシ IP アドレスやポート ID を返すと、場所情報サービスはクライアントに場所を返すことができません。