レポート パーツの管理

SQL Server 2008 R2 Reporting Services 以降では、レポート パーツをレポート サーバーにパブリッシュして、他のレポートで再利用したり、適切な権限を持つ他のユーザーが再利用したりできます。

レポート パーツは、複数のユーザーが複数のレポート内で再利用できます。ユーザーはサーバー上のレポート パーツを検索し、それらをレポートに追加できます。ユーザーはサーバー上のレポート パーツの更新を通知させ、レポート パーツの新しいバージョンを再パブリッシュすることもできます。これらのレポート作成アクションは、Reporting Services のセキュリティ権限によって管理および制御されます。このトピックでは、既にサーバー上に配置されているレポート パーツ プロパティと動作について説明します。

レポート パーツの管理

レポート パーツを管理するには、ネイティブ モードのレポート サーバーの場合はレポート マネージャーを使用し、SharePoint 統合モードのレポート サーバーの場合はアプリケーション ページを使用します。

サーバー側における操作と検索

レポート パーツは、ネイティブ モードまたは SharePoint 統合モードのレポート サーバーにパブリッシュできます。ユーザーは、Microsoft SQL Server レポート ビルダー 3.0 などのレポート作成アプリケーションでレポート パーツ ギャラリー機能を使用して、レポート パーツを検索し、それらを各自のレポートに追加できます。ユーザーがレポート パーツを検索する場合は、レポート サーバーがインストールされたモードにかかわらず、レポート サーバー カタログでパーツが検索されます。

レポート ビルダー 3.0 などのレポート作成アプリケーションから SharePoint 統合モードのレポート サーバーにレポート パーツがパブリッシュされると、レポート サーバー カタログも更新されて、ギャラリーからの検索に新しいレポート パーツまたは更新されたレポート パーツが正確に反映されるようになります。

SharePoint フォルダーへのレポート パーツの直接アップロード

レポート パーツが、レポート作成アプリケーションからパブリッシュされずに SharePoint ドキュメント フォルダーに直接アップロードされた場合は、レポート サーバー カタログは更新されません。レポート パーツ ギャラリーから検索しても、アップロードされたレポート パーツは見つかりません。SharePoint フォルダーとレポート サーバー カタログの同期を維持するには、SharePoint サーバー上で Reporting Services ファイル同期機能をアクティブ化します。詳細については、「SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバー ファイル同期機能をアクティブ化する方法」を参照してください。

ファイルは、GetProperties や SetProperties などの、一部の Reporting Services 管理 API を呼び出すことによって同期することもできます。

レポート パーツの整理と移動

チームにおけるレポート パーツの使用方法や整理方法、共有データセット、および共有データ ソースについて事前に検討して計画することをお勧めします。後からレポート パーツを移動することもできますが、問題が起こる可能性があります。

ネイティブ モードのレポート サーバー

ネイティブ モードのレポート サーバー上のレポート パーツを同一サーバー上の他のフォルダーに移動しても、引き続きレポート作成アプリケーションからレポート パーツの更新を検索したりダウンロードしたりできます。これはサーバーが一意のComponentIDによって管理されているためです。ただし、ユーザーが権限を持たないフォルダーにレポート パーツが移動された場合、そのユーザーはレポート パーツを検索できなくなり、レポート パーツが更新された場合でもレポートへの通知は行われなくなります。

SharePoint 統合モードのレポート サーバー

レポート パーツを異なるドキュメント ライブラリやフォルダーに移動すると、レポート パーツを SharePoint サーバーに直接アップロードした場合と同様、レポート サーバー カタログは同期されません。この問題を回避するには、SharePoint サーバー上でレポート サーバー ファイル同期機能をアクティブ化する必要があります。

ただし、サブフォルダーへの移動は例外です。検索では常にサブフォルダーも検索されるため、手動でレポート パーツをサブフォルダーに移動しても、レポート ギャラリーからレポート パーツを検索することができます。レポート パーツ ギャラリーからも検出されます。

レポート サーバー カタログのプロパティ

次の表では、既存のレポート サーバー カタログのフィールドとレポート パーツとの関係、およびレポート パーツのカタログに追加された新規フィールドについて説明します。これらはレポート マネージャー、SharePoint ライブラリ、およびレポート ビルダー 3.0 などのレポート作成アプリケーションで公開されます。

(*) は、このリリースでの新規フィールドを示しています。

プロパティ

説明

レポート パーツ

ギャラリーの検索条件

Name

ユーザーがレポート パーツ ギャラリーで検索できる条件の 1 つです。

Description

ユーザーがレポート パーツをギャラリー内で見つけやすくするため、レポート パーツに名前を付けて整理することができます。たとえば、販売関連のデータやプレゼンテーションに関するすべてのレポート パーツに対して、"Sales>>" で始まる説明を検索することができます。

CreatedBy

レポート パーツをレポート サーバー データベースに追加したユーザーの ID です。正確な形式は、認証の方法によって異なります。たとえば、一部の認証方法では、CreatedBy フィールドおよび ModifiedBy フィールドに完全なドメインとユーザー名が表示されます。

CreationDate

レポート パーツが最初に作成された日付です。

ユーザーがレポート パーツ ギャラリーで検索できる条件の 1 つです。

ModifiedBy

ModifiedBy はレポート パーツを最後に変更したユーザーの ID です。

ModifiedDate

サーバー上でレポート パーツが最後に変更された日付です。

このフィールドは、レポート パーツがサーバー側でいつ更新されているかを判断するためのロジックの一部として使用されます。詳細については、この表の ComponentID の説明を参照してください。

SubType (*)

SubType は検索するレポート パーツの種類を示す、'Tablix' や 'Chart' などの文字列です。

ComponentID (*)

ComponentID はレポートパーツの一意識別子です。これは、カタログに新たに追加されたフィールドであり、サーバー側、およびレポート ビルダー 3.0 などのレポート作成アプリケーションの両方で表示されます。

このフィールドは、レポート パーツの更新がないかどうかをサーバーでチェックする場合に、クライアント アプリケーションで使用されます。クライアント アプリケーションは、現在のクライアント側レポートにある ComponentID をサーバーで検索します。ComponentID が一致すると、ModifiedDate がレポート アイテムのクライアント側 SyncDate と比較されます。

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レポート パーツへのアクセスの制御

次の表では、既定のロールの割り当て、および各割り当てにおいてどの操作を実行できるかについて説明します。ロールの割り当ての名前は、使用するレポート サーバーの種類に応じて異なります。

ネイティブ モードのサーバー

アクション

ロール

アイテム プロパティの追加、削除、編集、セキュリティの管理、およびレポート パーツのダウンロード

コンテンツ マネージャー

個人用レポート

レポート パーツの追加、削除、およびダウンロード

パブリッシャー

検索および再利用

閲覧者

レポート ビルダー

SharePoint 統合モードのサーバー

アクション

ロール

アイテム プロパティの追加、削除、編集、セキュリティの管理、およびレポート パーツのダウンロード

フル コントロール

アイテム プロパティの追加、削除、編集、およびレポート パーツのダウンロード

デザイン

投稿

検索および再利用

読み取り

表示のみ

セキュリティに関する注意点

  • レポート パーツ定義をレポート内で再利用すると、一意の ComponentID およびレポート パーツ定義全体がレポート定義にコピーされます。レポートパーツがサーバーに更新されると、ユーザーは、更新されたレポート パーツをレポートにダウンロードできます。更新されたものもレポート パーツの完全なコピーであり、これによってレポート内にある既存のバージョンのレポート パーツが置き換えられます。

    重要な注意事項重要

    これらの各手順においては、レポート内で再利用されるレポートパーツが信頼できる場所およびユーザーのものであることを確認してください。

  • レポート パーツでは、既存のアイテムの種類である "リソース" と同じ権限ポリシーが使用されます。フォルダー内では、セキュリティ継承の観点からは、従来のリソース アイテムとレポート パーツとの区別はありません。レポート パーツは、同じフォルダー内にある画像と同じ権限ポリシーを継承します。この区別が必要な場合は、レポート パーツに対してアイテム レベルのセキュリティが設定できます。または、レポート パーツを適切な権限を付与した別々のフォルダーに置くようセットすることができます。