PowerPivot Web サービス (PowerPivot for SharePoint)

PowerPivot Web サービスは、SharePoint Web フロント エンドで実行される薄い中間層の接続マネージャーです。このサービスは、ファームの外部から送られた、PowerPivot データに対する要求を検出し、その要求をファームの内部で実行される PowerPivot サービス アプリケーションに転送します。ファームの外部からの要求は、通常、PowerPivot データを外部の読み取り専用データ ソースとして使用するクライアント アプリケーションから送られます。このような接続の例としては、次のような場合があります。

  • レポート ビルダーで、サーバー接続用の SharePoint URL を使用して、PowerPivot ブックをデータ ソースとして参照する。

  • Excel で、サーバー接続用の SharePoint URL を使用して、Analysis Services データベースから PowerPivot ブックへの接続を作成する。

次の図は、ファームの外部から送られた要求を PowerPivot Web サービスで処理する際の一連の接続を示しています。

ファーム外からの接続

外部接続はさまざまなツールやシナリオで行われますが、すべての場合に共通しているのは、ファームの外部で実行されているクライアント アプリケーションまたはサーバー アプリケーションから PowerPivot データへの接続が行われるということです。

SharePoint URL により、SharePoint サーバーおよび Web アプリケーションの情報を含むドキュメント パスが指定されます。PowerPivot Web サービスは、Web アプリケーションとファーム内の PowerPivot サービス アプリケーションとの間の定義済みの関連付けに基づいて、PowerPivot サービス アプリケーションを探し、要求を転送します。PowerPivot サービス アプリケーションは、コンテンツ ライブラリからブックを取得し、ローカルに保存します。PowerPivot サービス アプリケーションは、さらに、同じアプリケーション サーバーにあるローカルの Analysis Services インスタンスにクエリを転送します。要求を行ったクライアントにデータが返されて読み込まれ、一連の処理が完了します。

注意

PowerPivot データを要求するクライアント アプリケーションには、SQL Server 2008 R2 バージョンの Analysis Services クライアント ライブラリが必要です。AMO、ADOMD.NET、Analysis Services OLE DB プロバイダーのいずれかの Analysis Services クライアント ライブラリを使用して、クライアント側からの PowerPivot データへの接続をサポートできます。これらのライブラリをダウンロードするには、この Microsoft Web サイトを参照してください。

PowerPivot Web サービスの配置と管理

PowerPivot Web サービスは、Windows Communication Foundation (WCF) Web サービスとして実装されます。このサービスは、SharePoint Web アプリケーションによってホストされ、要求を監視する Web アプリケーションのプロセス ID で実行されます。

このサービスのインストールと更新は、PowerPivot for SharePoint を構成するときかファームに新しい SharePoint Web アプリケーションを追加するときに配置する PowerPivot ソリューション パッケージを使用して実行されます。ソリューションを配置する方法、およびどのような場合に配置するかの詳細については、「PowerPivot ソリューションの配置」を参照してください。

PowerPivot Web サービスは構成できません。また、独立したスタンドアロンのコンポーネントとして管理することもできません。構成および管理に関しては、内部コンポーネントと同じように考えてください。