SELECT INTO (DMX)
既存のマイニング モデルのマイニング構造を基にした新しいマイニング モデルを作成します。SELECT INTO ステートメントは、スキーマおよび実際のアルゴリズムに固有ではないその他の情報をコピーすることで、新しいマイニング モデルを作成します。
構文
SELECT INTO <new model>
USING <algorithm> [(<parameter list>)] [WITH DRILLTHROUGH[,] [FILTER(<expression>)]]
FROM <existing model>
引数
new model
作成中の新しいモデルに対する一意の名前です。algorithm
プロバイダによって定義された、データ マイニング アルゴリズムの名前です。parameter list
省略可。プロバイダによって定義された、アルゴリズムに対するパラメータのコンマ区切りリストです。expression
トレーニング データに対する有効なフィルタ条件に評価される式です。フィルタとして使用できる式の詳細については、「マイニング モデルのフィルターの作成 (Analysis Services - データ マイニング)」を参照してください。existing model
コピーする既存のモデルの名前です。
説明
既存のモデルが学習済みの場合、新しいモデルはこのステートメントの実行時に自動的に処理されます。学習済みではない場合、新しいモデルは処理されないままとなります。
SELECT INTO ステートメントは、既存のモデルの構造が新しいモデルのアルゴリズムと互換性を持つ場合にのみ動作します。そのため、このステートメントは、同じアルゴリズムに基づくモデルを短時間で作成およびテストする場合に最も役に立ちます。アルゴリズムの種類を変更する場合は、新しいアルゴリズムで、既存のモデル内の各列のデータ型がサポートされている必要があります。サポートされていない場合は、モデルが処理されるときにエラーが発生する可能性があります。
WITH DRILLTHROUGH 句によって、新しいマイニング モデルでドリルスルーすることができます。ドリルスルーは、モデルの作成時にのみ可能です。
例 1: モデルのパラメータの変更
次の例では、「基本的なデータ マイニング チュートリアル」で作成した既存のマイニング モデル TM_Clustering に基づいた新しいマイニング モデルを作成します。新しいモデルでは、新しいモデル内に最大 5 つのクラスタが存在するよう CLUSTER_COUNT パラメータが変更されています。これに対して、既存のモデルでは既定値 10 が使用されています。
SELECT * INTO [New_Clustering]
USING [Microsoft_Clustering] (CLUSTER_COUNT = 5)
FROM [TM Clustering]
例 2: モデルへのフィルタの追加
次の例では、既存のマイニング モデルに基づいた新しいマイニング モデルを作成し、モデルにフィルタを追加します。フィルタは、トレーニング データを特定の地域に住んでいる顧客だけに制限します。
SELECT * INTO [Clustering Europe Region]
USING [Microsoft_Clustering] WITH FILTER(Region='Europe')
FROM [TM Clustering]
注 |
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ケース テーブルに適用されるフィルタは、この例に示すように、SELECT INTO ステートメントを使用して変更できます。ただし、入れ子になったテーブルに対するフィルタが元のモデルに含まれている場合、入れ子になったテーブルのフィルタは、この構文を使用しても変更または削除することができず、元のモデルからそのままコピーされます。入れ子になったテーブルに別のフィルタを使用しているモデルを作成するには、ALTER STRTUCTURE...ADD MODEL 構文を使用します。 |