生ファイル変換先
生ファイル変換先は、生データをファイルに書き込みます。データは変換先に固有の形式であるため、データは変換の必要がなく、解析もほとんど必要ありません。したがって、生ファイル変換先は、フラット ファイルや OLE DB 変換先などの他の変換先よりも、高速にデータを書き込むことができます。
生ファイル変換先は、次の方法で構成できます。
生ファイル変換先がデータを書き込むファイルの名前、またはその名前が含まれている変数のどちらかのアクセス モードを指定します。
生ファイル変換先によって、同じ名前の既存のファイルにデータを追加するか、新しいファイルを作成するかを指定します。
生ファイル変換先は、パッケージの実行間で、部分的に処理されたデータの中間結果を書き込むために使用される場合がよくあります。生データを格納すると、生ファイル ソースによって迅速に読み取られたデータを、最終的な変換先に読み込む前に、さらに変換できます。たとえば、パッケージを複数回実行し、そのたびに生データをファイルに書き込むことができます。後で、別のパッケージが生ファイル ソースを使用して各ファイルからデータを読み取り、全体結合変換を使用してデータを 1 つのデータセットにマージし、次に、SQL Server テーブルなどの最後の変換先に読み込まれる前に、追加の変換を適用してデータを集約することができます。
注 |
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生ファイル変換先では、NULL データはサポートされていますが、バイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) データはサポートされていません。 |
注 |
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生ファイル変換先は、接続マネージャーを使用しません。 |
この変換先は 1 つの標準入力をとります。エラー出力はサポートされていません。
データの追加および新しいファイルの作成オプション
WriteOption プロパティには、データを既存のファイルに追加したり、または新しいファイルを作成するオプションが含まれています。
注 |
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追加操作では、追加するデータのメタデータが、ファイル内の既存データのメタデータと一致している必要があります。 |
次の表では、WriteOption プロパティで使用できるオプションについて説明します。
オプション |
説明 |
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追加 |
既存のファイルにデータを追加します。追加するデータのメタデータは、ファイル形式と一致している必要があります。 |
常に作成する |
常に新しいファイルを作成します。 |
1 回だけ作成する |
新しいファイルを 1 つ作成します。ファイルが存在する場合、コンポーネントは失敗します。 |
切り捨てと追加 |
既存のファイルを切り捨て、データをそのファイルに書き込みます。追加するデータのメタデータは、ファイル形式と一致している必要があります。 |
ループでの生ファイル変換先の使用
生ファイル変換先を使用するデータ フローがループ内にある場合、ファイルを 1 回だけ作成し、ループが繰り返されるたびにデータをそのファイルに追加することができます。ファイルにデータを追加するには、追加するデータが既存のファイルの形式に一致している必要があります。
ループの最初の繰り返しでファイルを作成し、ループの以降の繰り返しで行を追加するには、デザイン時に次のことを行う必要があります。
WriteOption プロパティを [CreateOnce] または [CreateAlways] に設定し、ループの繰り返しを 1 回実行します。ファイルが作成されます。これにより、追加するデータのメタデータとファイルが必ず一致するようになります。
WriteOption プロパティを [Append] にリセットし、ValidateExternalMetadata プロパティを False に設定します。
[Append] オプションの代わりに [TruncateAppend] オプションを使用すると、以前の実行で追加された行が切り捨てられ、新しい行が追加されます。また [TruncateAppend] オプションを使用するには、データがファイル形式に一致している必要があります。
存在しない生ファイルの形式の使用
既存の生ファイルの形式を使用するが、実行時にそのファイルが使用できない場合は、デザイン時に既存の生ファイルを指定します。この方法により、生ファイル変換先に必要なメタデータを取得できます。パッケージを配置する前に、生ファイル変換先の ValidateExternalMetadata プロパティを false に設定します。実行時に、新しいファイルが正しい形式で作成されます。この方法の場合、ValidateExternalMetadata を false に設定しないと、パッケージは実行時の検証に失敗します。
生ファイル変換先の構成
プロパティを設定するには SSIS デザイナーから行うか、またはプログラムによって設定します。
[詳細エディター] ダイアログ ボックスには、プログラムによって設定できるプロパティが反映されます。[詳細エディター] ダイアログ ボックスまたはプログラムで設定できるプロパティの詳細については、次のトピックのいずれかを参照してください。
プロパティの設定方法の詳細については、「データ フロー コンポーネントのプロパティを設定する方法」を参照してください。
外部リソース
sqlservercentral.com のブログ「すばらしい生ファイル」
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