サブスクリプションと配信 (Reporting Services)

サブスクリプションとは、特定の時刻やイベントの発生時に、指定したアプリケーション ファイル形式でレポートを受け取ることができるようにする予約された配信要求です。サブスクリプションは、要求時にレポートを実行する以外のレポート実行方法を提供します。要求時にレポートを実行するには、レポートを表示したいときに、毎回レポートを選択する必要があります。一方、サブスクリプションを使用すると、レポートの配信をスケジュールして自動実行することができます。

サブスクリプションは、レポート サーバーに展開された配信拡張機能を使用して、サーバーで処理されます。既定では、共有フォルダまたは電子メール アドレスにレポートを送信するサブスクリプションを作成できます。レポート サーバーが SharePoint 統合モード用に構成されている場合は、レポートを SharePoint ライブラリに送信することもできます。

サブスクリプションを作成する場合、レポートでは保存された資格情報を使用する必要があります。レポートを閲覧するための権限のほか、各サブスクリプションを作成するための権限を所有していることが必要です。レポート サーバーでは、[定期的なイベントおよびレポート配信] が有効になっている必要があります。詳細については、「サブスクリプションの管理」を参照してください。

注意

サブスクリプションは、SQL Server Express with Advanced Services ではサポートされません。このエディションの機能の詳細については、「SQL Server Express with Advanced Services の Reporting Services」を参照してください。

標準のサブスクリプションとデータ ドリブン サブスクリプション

Reporting Services は、標準およびデータ ドリブンの 2 種類のサブスクリプションをサポートします。標準のサブスクリプションは、各ユーザーが作成して管理します。標準のサブスクリプションは、サブスクリプションの処理中には変化しない静的な値で構成されます。標準のサブスクリプションごとに、レポート表示オプション、配信オプション、およびレポート パラメータのセットが 1 つ用意されます。

データ ドリブン サブスクリプションでは、外部のデータ ソースを照会することによって、サブスクリプション情報が実行時に取得されます。受信者、レポート パラメータ、またはアプリケーション形式を指定する値は、この外部のデータ ソースが提供します。データ ドリブン サブスクリプションは、受信者の一覧が非常に大きい場合、または受信者ごとにレポートの出力を変更する場合に使用できます。データ ドリブン サブスクリプションを使用するには、クエリの作成に関する専門知識を持っていて、パラメータの使用方法を理解していることが必要です。通常、レポート サーバー管理者が、これらのサブスクリプションを作成して管理します。詳細については、「データ ドリブン サブスクリプション」を参照してください。

既定とカスタムの配信拡張機能

サブスクリプションは、配信拡張機能を使用してレポートの配信方法と配信形式を決定します。ユーザーがサブスクリプションを作成するとき、レポートの配信方法を決定するために、利用可能な配信拡張機能の 1 つを選択できます。Reporting Services には、次の配信拡張機能があります。開発者は、追加の配信拡張機能を作成して、他の場所にレポートを送信できます。

配信拡張機能

説明

Windows ファイル共有

レポートを静的なアプリケーション ファイルとして、ネットワーク上の共有フォルダに配信します。

電子メール

通知またはレポートを、電子メールの添付ファイルまたは URL リンクとして配信します。

SharePoint ライブラリ

SharePoint サイトからアクセスできる SharePoint ライブラリに対し、レポートを静的なアプリケーション ファイルとして配信します。このサイトは、SharePoint 統合モードで実行されたレポート サーバーと統合されている必要があります。

Null

NULL 配信プロバイダは、特殊な用途向けの配信拡張機能です。表示する準備が整った、パラメータ化されたレポートを事前にキャッシュする場合に使用されます。ユーザーが個別のサブスクリプションでこの方法を使用することはできません。NULL 配信は、データ ドリブン サブスクリプションで、事前にデータをキャッシュすることによってレポート サーバーのパフォーマンスを向上させるために管理者が使用します。

注意

レポート配信は、Reporting Services アーキテクチャの拡張可能な部分です。サード パーティ ベンダが作成したカスタム配信拡張機能を使用して、レポートを別の場所やデバイスに送信することができます。カスタム配信拡張機能の詳細については、「配信拡張機能の実装」を参照してください。レポートを配置する別の方法の詳細については、「レポート配置のチェックリスト」を参照してください。

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