SQL Server Express with Advanced Services の Reporting Services

SQL Server Express with Advanced Services (SQL Server Express) の Reporting Services を使用すると、SQL Server Express のローカル インスタンスに格納されているデータに基づいて、レポートを作成、表示、および管理できます。ここでは、Reporting Services のこのエディションで利用できるツールでレポートを作成して配置する方法など、このエディションの動作について説明します。 

SQL Server のこのエディションでサポートされている機能の詳細については、「SQL Server Express の Reporting Services でサポートされる機能」を参照してください。SQL Server の他のエディションでサポートされている機能の詳細については、「SQL Server 2008 R2 のエディションとコンポーネント」を参照してください。

重要な注意事項重要

SQL Server Express には、SQL Server Management Studio Express が含まれます。SQL Server Management Studio Express を使用してレポート サーバーを管理することはできません。レポート マネージャーおよび Reporting Services 構成ツールを使用してください。SQL Server Express with Advanced Services の Reporting Services をインストールしたときに作成されたレポート サーバーを管理するには、レポート マネージャーおよび Reporting Services 構成ツールを使用します。インストール パッケージには SQL Server Management Studio Express が含まれていますが、SQL Server Management Studio Express を使用してレポート サーバーを管理することはできません。

Reporting Services と SQL Server Express の連携

次の一覧に、Reporting Services が SQL Server Express でどのように動作するかを説明します。

  • SQL Server Express と Reporting Services のすべてのサーバー コンポーネントが 1 つのサーバーにインストールされます。リモート サーバー上のレポート サーバー データベースは格納できません。

  • レポートにデータを提供するデータ ソースはすべて、SQL Server のローカル インスタンス上にインストールされている SQL Server リレーショナル データベースに接続する必要があります。

  • すべてのレポートは要求時に処理されます。スケジュールされたレポート処理または自動レポート処理はサポートされていません。

  • SQL Server Express は、SQL Server データベース エンジンの名前付きインスタンスを常にインストールします。したがって、データ ソース接続文字列および Reporting Services URL には、インスタンス名が含まれている必要があります。正しい構文の使用例を次に示します。

    項目

    構文例

    ローカル SQL Server Express インスタンスでホストされている AdventureWorks2008R2 サンプル データベースへの接続文字列

    Data Source=localhost\SQLExpress; Initial Catalog=AdventureWorks

    レポート サーバーおよびレポート サーバー エンドポイントの URL

    https://localhost/reportserver_SQLExpress

    レポート マネージャーの URL

    https://localhost/reports_SQLExpress

サンプル データベースのインストール

SQL Server Express with Advanced Services をインストールするとき、AdventureWorks2008R2 サンプル データベースは自動的にはインストールされません。サンプル データベースは、http://msftdbprodsamples.codeplex.com/ からダウンロードしてインストールする必要があります。サンプル データベースをインストールするときは、セットアップ プログラムの [データベースの選択] ページで SQL Server Express のローカル インスタンスが選択されていることを確認します。

要件

SQL Server Express の Reporting Services のソフトウェア要件は、他のエディションの Reporting Services とまったく同じです。詳細については、「SQL Server 2008 R2 のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェア」を参照してください。

レポートを作成する方法

Business Intelligence Development Studio の Express エディションで作成するレポートには、Reporting Services の他のエディションにあるレポート定義機能をすべて使用できます。たとえば、ドリルスルー レポート、サブレポート、パラメーター化されたレポートを作成して、グラフ、テーブル、マトリックス、一覧などを追加できます。

他のエディションで作成したレポート定義を再利用することも、コピーすることもできます。ただし、以前のバージョンの Reporting Services で作成したレポートをパブリッシュした場合、そのレポートは最新の SQL Server レポート定義形式にアップグレードされます。

レポート定義を作成した後、そのレポートをレポート サーバーにパブリッシュできます。パブリッシュされたレポートにユーザーがアクセスできるようにするには、レポート マネージャーを使用して、レポートへのアクセス権を付与するロールの割り当てを作成する必要があります。レポートの作成、パブリッシュ、およびセキュリティ保護の詳細については、「レポート デザイナーおよびレポート ビルダー 3.0 を使用したレポートのデザイン (SSRS)」、「レポート サーバーへのレポートのパブリッシュ」、および「ロールの割り当ての作成と管理」を参照してください。

レポートを配置してレポート サーバーの機能を使用する方法

パブリッシュされたレポートを表示するには、ブラウザーかレポート マネージャーを使用します。または、ReportViewer コントロールを使ってレポートをホストするカスタム アプリケーションを作成することもできます。

レポート マネージャーまたはブラウザーの使用

ユーザーは、SQL Server Express に付属のレポート マネージャーという Web アプリケーションを使用して、パブリッシュされたレポートを表示できます。レポート マネージャーへのアクセスは、ローカルの Web サーバー上に構成された、レポート サーバーの仮想ディレクトリを介して実現されます。このディレクトリへのアクセス権を持つユーザーであれば、レポート マネージャーを実行できます。

レポート マネージャーでレポートを表示するには、レポート サーバー管理者が使用するようなサーバー管理機能へのアクセス権をユーザーに付与することなく、レポートの閲覧とフォルダーのナビゲートを許可できるように、ロール割り当てを定義する必要があります。パブリッシュされた単一のレポートを表示する際は、Web ブラウザーを使用することもできます。

ReportViewer コントロールの使用

SQL Server Express と、Microsoft Visual Studio に付属の ReportViewer コントロールを使用して独自にアプリケーションを開発することもできます。コントロールには、Windows フォーム アプリケーション用と ASP.NET アプリケーション用の 2 つがあります。ReportViewer コントロールはアプリケーションと共に自由に配布できます。ReportViewer コントロールを使用して、SQL Server Express 上で実行されたリモート サーバーのレポートをホストすることも可能です。

ReportViewer コントロールは、他の処理モードや、SQL Server Express 以外の配置モデルをサポートしています。詳細については、MSDN で Visual Studio 製品マニュアルの「ReportViewer コントロール (Visual Studio)」を参照してください。

SQL Server Express でのプログラミング

レポート サーバー Web サービスには、プログラムでアクセスできます。レポート サーバーのすべての SOAP エンドポイントにアクセスできますが、一部の機能については使用できません。メソッドを使用できなかった場合、Reporting Services からエラーが返されます。詳細については、「Reporting Services の各エディションのプログラミング機能」を参照してください。