Integration Services 式の詳細

このセクションでは、複数の演算子と関数を組み合わせた詳細な式の例について説明します。式が優先順位制約または条件分割変換で使用される場合、式はブール型に評価される必要があります。ただしこの制限は、プロパティ式、変数、派生列変換、または For ループ コンテナで使用される式には適用されません。

次の例では、AdventureWorks および AdventureWorksDWMicrosoftSQL Server データベースを使用します。それぞれの例では、式で使用するテーブルを判別します。

ブール式

  • この例では、Product テーブルを使用します。式は、SellStartDate 列の月エントリを評価し、その月が 6 月以降の場合に TRUE を返します。

    DATEPART("mm",SellStartDate) > 6
    
  • この例では、Product テーブルを使用します。式は、ListPrice 列を StandardCost 列で割った結果を丸め、その結果が 1.5 よりも大きい場合に TRUE を返します。

    ROUND(ListPrice / StandardCost,2) > 1.50
    
  • この例では、Product テーブルを使用します。式は、3 つの演算すべてが TRUE に評価された場合に TRUE を返します。Size 列のデータ型と BikeSize 変数のデータ型に互換性がない場合、式には、2 番目の例で示すように明示的なキャストが必要です。DT_WSTR へのキャストには、文字列の長さも含まれます。

    MakeFlag ==  TRUE && FinishedGoodsFlag == TRUE && Size != @BikeSize
    MakeFlag ==  TRUE && FinishedGoodsFlag == TRUE  && Size != (DT_WSTR,10)@BikeSize
    
  • この例では、CurrencyRate テーブルを使用します。式は、テーブル内の値と変数を比較します。FromCurrencyCode 列または ToCurrencyCode 列のエントリが変数の値と等しく、かつ AverageRate の値が EndOfDayRate の値よりも大きい場合、式は TRUE を返します。

    (FromCurrencyCode == @FromCur || ToCurrencyCode == @ToCur) && AverageRate > EndOfDayRate
    
  • この例では、Currency テーブルを使用します。Name 列の最初の文字が a または A でない場合、式は TRUE を返します。

    SUBSTRING(UPPER(Name),1,1) != "A"
    

    次の式は同じ結果を返しますが、1 文字だけ大文字に変換されるため、より効率的です。

    UPPER(SUBSTRING(Name,1,1)) != "A"
    

ブール式以外の式

ブール式以外の式は、派生列変換、プロパティ式、および For ループ コンテナで使用されます。

  • この例では、Contact テーブルを使用します。式は、FirstNameMiddleName、および LastName 列から先頭および末尾のスペースを削除します。MiddleName 列が NULL でない場合は最初の文字を抽出し、そのミドル ネーム イニシャルと FirstName および LastName の値を連結して、値の間に適切なスペースを挿入します。

    TRIM(FirstName) + " " + (!ISNULL(MiddleName) ? SUBSTRING(MiddleName,1,1) + " " : "") + TRIM(LastName)
    
  • この例では、Contact テーブルを使用します。式は、Salutation 列のエントリを検証します。Salutation のエントリまたは空の文字列を返します。

    (Salutation == "Sr." || Salutation == "Ms." || Salutation == "Sra." || Salutation == "Mr.") ? Salutation : ""
    
  • この例では、Product テーブルを使用します。式は、Color 列の最初の文字を大文字に変換し、残りの文字を小文字に変換します。

    UPPER(SUBSTRING(Color,1,1)) + LOWER(SUBSTRING(Color,2,15))
    
  • この例では、Product テーブルを使用します。式は、製品が販売された月数を計算し、SellStartDate または SellEndDate 列のどちらかが NULL の場合、文字列 "Unknown" を返します。

    !(ISNULL(SellStartDate)) && !(ISNULL(SellEndDate)) ? (DT_WSTR,2)DATEDIFF("mm",SellStartDate,SellEndDate) : "Unknown"
    
  • この例では、Product テーブルを使用します。式は、StandardCost 列の利益率を計算し、その結果を有効桁数 2 桁に丸めます。結果はパーセンテージで表されます。

    ROUND(ListPrice / StandardCost,2) * 100