データ変換サービス パッケージの移行

Integration Services には、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) ツールとオブジェクト モデルを使用して作成されたソリューションを維持するためのオプションがいくつか用意されています。DTS パッケージを Integration Services 形式に変換したり、DTS ランタイムを使用して DTS パッケージの実行を継続したり、DTS 2000 パッケージ実行タスクを使用して DTS パッケージを Integration Services ソリューションに組み込んだりすることができます。

注意注意

以前のバージョンの Integration Services で作成されたパッケージのアップグレードについては、「Integration Services パッケージのアップグレード」を参照してください。

DTS パッケージを Integration Services 形式に移行する場合は、移行したパッケージの構造と、実行した移行が完全であるかどうかは、元のパッケージの内容に依存します。パッケージを移行した場合、次のいずれかの結果になります。

  • Integration Services のタスクや機能に直接対応しているタスクと機能のみを使用している場合は、パッケージを完全に移行できます。

  • Integration Services のタスクや機能に直接移行できない DTS タスクおよび機能がパッケージに含まれている場合でも、カプセル化された DTS パッケージを使用することによってパッケージ機能が保持されます。

  • パッケージ名に無効な文字 (/ \ : [ ] .=) が含まれていたり、パッケージに未登録のオブジェクトが含まれている場合などは、問題が解決されるまで、パッケージ移行ウィザードで移行を実行できないことがあります。

注意注意

パッケージ移行ウィザードでは、元の DTS パッケージがまったく変更されません。

パッケージ内のすべてのタスクを Integration Services の新しいタスクにマッピングできる場合、移行したパッケージは DTS パッケージの構造によく似た構造になります。一方、Integration Services タスクに直接マッピングできない場合は、移行によってパッケージの構造が変わります。移行されない各タスクは DTS 形式のままで、DTS 2000 パッケージ実行タスク内にカプセル化されます。パッケージ内のカスタム タスクもこの方法で移行されます。詳細については、「タスクの移行」を参照してください。

優先順位制約、接続、変数など、その他のパッケージ要素は、Integration Services の同等の要素に移行されます。詳細については、「優先順位制約の移行」、「接続の移行」、および「変数の移行」を参照してください。

パッケージのパスワードは移行されません。ただし、Integration Services では、DTS パッケージおよび DTS 2000 パッケージ実行タスク内の DTS パッケージのパスワードはサポートされています。Integration Services パッケージ内の DTS 2000 パッケージ実行タスクでは、パッケージ パスワードを DTS パッケージに渡すことができます。詳細については、「パスワードの移行」を参照してください。

Integration Services 内の ActiveX スクリプト タスクは、多くの場合、DTS パッケージ内の ActiveX スクリプトから移行されたスクリプト コードを修正せずに実行できます。ただし、DTS パッケージ オブジェクトへの参照はサポートされていません。詳細については、「スクリプトの移行」を参照してください。

DTS デザイナで入力されたテキスト注釈、およびパッケージのログ記録とエラー処理の設定は移行されません。

移行処理が完了したら、移行されたパッケージを開いて、検証エラーなどの問題が発生していないかどうかをチェックする必要があります。たとえば、一部のパッケージは、同じパッケージ内の先行タスクを使用して、データの移行元または移行先を作成したり、準備したりします。したがって、それらのオブジェクトが見つからない場合は検証エラーが発生します。このような検証エラーを解決するには、タスクまたはその他のコンテナ オブジェクトで DelayValidation プロパティを true に設定するか、影響を受けるデータ フロー コンポーネントで ValidateExternalMetadata プロパティを false に設定します。

注意注意

Management Studio からパッケージを移行したら、オブジェクト エクスプローラで Integration Services のローカル インスタンスに接続して、移行後のパッケージを確認してください。移行先に SQL Server を選択した場合、移行後のパッケージは、[MSDB] ノードの下に表示されます。移行先にファイル システム フォルダを選択した場合は、[ファイル システム] ノードを右クリックして [パッケージのインポート] をクリックすると、移行後のパッケージが表示されます。BI Development Studio でパッケージを移行すると、移行後のパッケージは指定したファイル システム フォルダに保存され、[SSIS パッケージ] ノードの下の開いているオブジェクトに追加されます。

BI Development Studio で直接 DTS パッケージを開いたり編集したりすることはできません。

Integration Services での DTS サポートに関する一般的な情報については、「SQL Server 2008 でのデータ変換サービス (DTS) のサポート」を参照してください。

このセクションの内容

  • DTS パッケージ移行ウィザードの使用
    パッケージ移行ウィザードによる移行プロセスについて説明します。

  • DTS パッケージの移行に関する既知の問題
    パッケージ移行ウィザードまたはアップグレード アドバイザで確認されている、移行に関する既知の問題を一覧表示します。

  • タスクの移行
    パッケージ移行ウィザードによるタスクの移行方法を説明し、移行後にタスクを修正したり、タスクの動作を向上させたりするための手順について説明します。

  • 優先順位制約の移行
    パッケージ移行ウィザードによる優先順位制約の移行方法を説明し、移行後に優先順位制約の動作を向上させるための手順について説明します。

  • 変数の移行
    パッケージ移行ウィザードによる変数の移行方法を説明し、移行後に変数を修正したり、変数の動作を向上させたりするための手順について説明します。

  • 接続の移行
    パッケージ移行ウィザードによる接続の移行方法を説明し、移行後に接続プロパティを編集するための手順について説明します。

  • パスワードの移行
    パッケージ移行ウィザードによるパスワードの移行方法を説明し、移行後にセキュリティを強化するための手順について説明します。

  • スクリプトの移行
    パッケージ移行ウィザードによる ActiveX スクリプトの移行方法を説明します。

  • データ変換サービス パッケージを Integration Services に移行する方法
    DTS パッケージを Integration Services 形式に移行する手順について説明します。