レポート サーバーのパフォーマンスの監視

パフォーマンス監視ツールを使用してレポート サーバーのパフォーマンスを監視することにより、サーバーの利用状況の評価、傾向の監視、システムのボトルネックの診断、および現在のシステム構成で十分かどうかを判断するためのデータの収集を行うことができます。サーバーのパフォーマンスを調整するには、レポート サーバー アプリケーション ドメインを再利用する頻度を指定します。詳細については、「レポート サーバー アプリケーションで利用可能なメモリの構成」を参照してください。

パフォーマンス データのソース

システムの実行状況に関する包括的な情報を取得するには、各種のテクノロジとツールを組み合わせて使用します。Microsoft Windows Server オペレーティング システムでは、以下のツールでパフォーマンス情報を提供します。

  • タスク マネージャ

  • イベント ビューア

  • パフォーマンス コンソール

タスク マネージャは、コンピュータ上で現在実行されているプログラムおよびプロセスに関する情報を提供します。タスク マネージャを使用することで、レポート サーバーのパフォーマンスに関する重要な指標を監視することができます。また、実行中のプロセスの利用状況を査定したり、CPU やメモリの使用状況に関するグラフやデータを参照することもできます。タスク マネージャの使用方法については、Microsoft Windows の製品マニュアルを参照してください。

パフォーマンス コンソールとイベント ビューアは、レポートの処理やリソースの消費に関するログおよび警告を作成する際に使用できます。Reporting Services で生成される Windows イベントの詳細については、「Windows アプリケーション ログ」を参照してください。パフォーマンス コンソールの詳細については、後の「Windows パフォーマンス カウンタ」を参照してください。

SQL Server ユーティリティでは、キャッシュおよびセッション管理に使用するレポート サーバー データベースと一時データベースに関する情報も提供されます。詳細については、「パフォーマンスの評価」を参照してください。

Windows パフォーマンス カウンタ

個々のパフォーマンス カウンタを監視することで、次のことが可能になります。

  • 予測される負荷をサポートするために必要なシステム要件を算出する。

  • 構成の変更やアプリケーションのアップグレードの影響を測定するために、パフォーマンスのベースラインを作成する。

  • 実際の負荷、または人為的に生成した負荷の下で、アプリケーションのパフォーマンスを監視する。

  • ハードウェアのアップグレードがパフォーマンスに所定の効果をもたらしたかどうかを検証する。

  • システム構成の変更がパフォーマンスに所定の効果をもたらしたかどうかを検証する。

Reporting Services パフォーマンス オブジェクト

SQL Server 2008Reporting Services には、次のパフォーマンス オブジェクトが含まれています。

  • レポート サーバーのパフォーマンスを監視するための MSRS 2008 Web Service。このパフォーマンス オブジェクトには複数のカウンタが含まれ、主に対話的なレポート表示操作によって開始されるレポート サーバー処理の追跡に使用されます。これらのカウンタは、ASP.NET がレポート サーバー Web サービスを停止した時点でリセットされます。

  • スケジュール設定した操作、およびレポートの配信を監視するための MSRS 2008 Windows Service。このパフォーマンス オブジェクトには複数のカウンタが含まれ、スケジュールされた操作を介して開始されるレポート処理の追跡に使用されます。スケジュールされた操作には、サブスクリプションと配信、レポート実行スナップショット、およびレポート履歴が含まれます。

  • HTTP 関連のイベントおよびメモリ管理を監視するための ReportServer:Service。これは、SQL Server 2008Reporting Services で新しく追加されたパフォーマンス オブジェクトです。以前のバージョンの Reporting Services の ASP.NET やインターネット インフォメーション サービス (IIS) に含まれていたカウンタのサブセットを備えています。これらは、Reporting Services に固有のカウンタです。要求、接続、ログオン試行など、レポート サーバーにおける HTTP 関連のイベントが追跡されます。このパフォーマンス オブジェクトには、メモリ管理に関連したカウンタも含まれています。

1 台のコンピュータに複数のレポート サーバー インスタンスが存在する場合、インスタンスをまとめて監視することも個別に監視することもできます。カウンタを追加する場合は、監視対象に含めるインスタンスを選択してください。パフォーマンス コンソール (perfmon.msc) の使用およびカウンタの追加に関する詳細については、Microsoft Windows の製品マニュアルを参照してください。

その他のパフォーマンス カウンタ

MSRS 2008 Web Service、MSRS 2008 Windows Service、および ReportServer:Service 専用に、カスタムの Reporting Services パフォーマンス カウンタが用意されています。次のパフォーマンス オブジェクトにより、レポート サーバーに関する補足的なパフォーマンス監視データが提供されます。

パフォーマンス オブジェクト

備考

.NET CLR Data および .NET CLR Memory

レポート マネージャでは、ASP.NET パフォーマンス カウンタが使用されます。詳細については、MSDN の「Improving .NET Application Performance and Scalability」を参照してください。

Process

ReportingServicesService のインスタンスでプロセス ID ごとの稼働時間を追跡するためのパフォーマンス カウンタ Elapsed Time および ID Process を追加します。

SharePoint のイベント

レポート サーバーを SharePoint 統合モードで実行しており、レポート環境が Windows SharePoint Services (WSS) 3.0 または Office SharePoint Server (MOSS) 2007 を使用するように構成されている場合は、Reporting Services のパフォーマンス オブジェクトだけでなく、SharePoint のイベントを構成することもできます。このセクションでは、「SharePoint 統合モードにおけるレポート サーバーのイベント」を基に、SharePoint と統合されたレポート環境で役立てることのできる診断イベントについて復習します。さまざまな SharePoint 環境におけるパフォーマンス予測の詳細については、Microsoft TechNet の「パフォーマンスと容量の要件を予測する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

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