新機能 (マスター データ サービス)

Microsoft SQL Server 2012 マスター データ サービス には、次の新機能があります。

新機能

Excel を使用したマスター データの管理

マスター データ サービス Excel 用アドイン を使用してマスター データを管理できるようになります。 このアドインを使用して、フィルターが適用された一連のデータをマスター データ サービス データベースから読み込み、Excel でデータを操作してから、データを発行してデータベースに戻すことができます。 管理者の場合は、このアドインを使用して新しいエンティティおよび属性を作成することも可能です。 サーバー、モデル、バージョン、エンティティ、および適用されるフィルターに関する情報が含まれるショートカット クエリ ファイルは簡単に共有できます。 Microsoft Outlook でショートカット クエリ ファイルを別のユーザーに送信することができます。 Excel ワークシートのデータはサーバーのデータで更新できます。その際、Excel ワークシート全体を更新することも、ワークシート内の MDS によって管理されるセルの連続範囲を更新することも可能です。 詳細については、「Microsoft Excel 用マスター データ サービス アドイン」を参照してください。

読み込み前のデータの照合

MDS にデータを追加する前に、重複するレコードを追加していないことを確認できるようになります。 Excel 用 MDS アドインでは、SQL Server Data Quality Services (DQS) を使用して、データの 2 つのソース (MDS のデータと、別のシステムまたはスプレッドシートのデータ) を比較します。 DQS では、データを更新するための提案に加えて、変更が正しいことを表す信頼度の割合が提供されます。 詳細については、「Excel 用 MDS アドインでのデータ品質照合」を参照してください。

エンティティ ベースのステージングを使用した、MDS へのデータの読み込み

MDS へのデータの読み込みが容易になっています。 エンティティのすべてのメンバーおよび属性値を一度に読み込めるようになります。 以前は、メンバーと属性を個別のバッチで読み込む必要がありました。 「データのインポート (Master Data Services)」を参照してください。

新しいモデル配置ツール

モデルをデータと共に配置することを目的とした、より高性能な新しいコマンドライン ツールが用意されています。 今後、Web アプリケーションのモデル配置ウィザードはモデルの構造のみを配置する場合に使用します。データを含んだパッケージを作成して配置する場合は MDSModelDeploy コマンドライン ツールを使用する必要があります。 詳細については、「モデルの配置 (マスター データ サービス)」を参照してください。

新しいモデル パッケージ エディターでは、モデル全体ではなく、モデルの選択した部分を配置できます。 モデル パッケージ エディターを使用すると、モデルの配置対象の部分を選択し、その他の部分を除外できます。 詳細については、「モデルの配置パッケージの編集」を参照してください。

Web ユーザー インターフェイスの設計変更と高パフォーマンスの向上

マスター データ マネージャー Web アプリケーションの [エクスプローラー] と [統合管理] の機能領域が、新しい SilverLight® のルック アンド フィールで更新されています。 メンバーをより迅速に追加および削除できるうえ、メンバーを階層内でより簡単に移動できるようになります。 また、コレクションの各メンバーに重み値を割り当てることができます。 [コレクション] サブスクリプション ビュー形式を使用する場合、[加重] 列には UI で設定された値が表示されます。 詳細については、「データのインポート (Master Data Services)」を参照してください。

マスター データ マネージャー Web アプリケーションで作業するには、Silverlight 5.0 をクライアント コンピューターにインストールする必要があります。 Silverlight の必要なバージョンがない場合、Web アプリケーションで Silverlight を使用する部分に移動したときに、Silverlight をインストールするよう要求されます。 Silverlight 5 はここからインストールできます。

SharePoint ワークフロー統合の導入

SharePoint ワークフロー統合に貢献する 2 つの新機能が導入されています。

  • マスター データ マネージャー Web UI は、SharePoint または他のウェブサイトで表示を見やすくするために切り抜くことができるようになりました。 Web サイト URL に &hosted=true クエリ パラメーターを追加することにより、ヘッダー、メニュー バー、およびページ下部のパディングを削除できます。 詳細については、「マスター データ サービス Web アプリケーションを SharePoint に表示する」を参照してください。

  • Excel 用アドインでは、ショートカット クエリ ファイルを作成し、MDS レポジトリでよく使用するデータに接続してアドインに読み込むことができます。 これらのクエリ ファイルは、同じデータセットにアクセスするユーザーと共有するために、SharePoint に保存できる XML ファイルです。 詳細については、「ショートカット クエリ ファイル (Excel 用 MDS アドイン)」を参照してください。

複数階層の再帰型階層のサポート

マスター データ サービスは、3 階層以上の再帰型階層の作成をサポートします。 これによって、さまざまな階層にまたがる 1 つの再帰リレーションシップと 1 つ以上の非再帰リレーションシップを持つ、複数階層の派生階層を作成できます。 また、Null リレーションシップのアンカーをサポートしながら、非再帰的な親ノードを再帰的なノードの 1 階層上に追加できます。 詳細については、「再帰型階層 (マスター データ サービス)」を参照してください。

多対多マッピングの改善

データシートがより効果的に多対多リレーションシップを管理するために MDS を使用できます。 エンティティを別のエンティティのマッピング テーブルとして使用する場合、マスター データ マネージャー Web アプリケーションでは、関連エンティティの表示をクリック スルーできるようになりました。 詳細については、「マスター データ サービスの多対多マッピング」を参照してください。

コードの自動作成

新しいメンバーの Code 属性の値を従来よりも簡単に自動作成できるようになりました。 以前は、Code 属性の値を自動的に作成するためにはビジネス ルールを作成する必要がありました。 詳細については、「コードの自動作成 (Master Data Services)」を参照してください。

シンプルなセキュリティ

セキュリティの割り当てを簡単にするために、モデル オブジェクト権限を派生階層、明示的階層、および属性グループの各オブジェクトに割り当てることができなくなりました。

派生階層権限は、モデルに基づくようになりました。 たとえば、ユーザーに派生階層に対する権限を割り当てる場合は、更新権限をモデル オブジェクトに割り当てる必要があります。 次に、ユーザーがアクセスできないようにするすべてのエンティティに拒否権限を割り当てることができます。

明示的階層権限は、エンティティに基づくようになりました。 たとえば、ユーザーが Account エンティティに対する更新権限を持っている場合は、そのエンティティのすべての明示的階層が更新可能になります。

属性グループの権限は、[ユーザー/グループの権限] 機能領域で割り当てることができなくなりました。 代わりに、属性グループを作成する [システム管理] 機能領域で、属性グループに対する更新権限をユーザーとグループに与えることができます。 属性グループに対する読み取り専用権限は使用できなくなりました。

詳細については、「セキュリティ (Master Data Services)」を参照してください。

SQL Server の一部としてのインストール

マスター データ サービスは、以前のリリースでは必要だった個別のインストーラーなしで、SQL Server のインストール中にインストールできるようになりました。 マスター データ サービスは、SQL Server インストール ウィザードまたはコマンド プロンプトを使用してインストールします。 詳細については、「マスター データ サービスのインストール」を参照してください。

関連項目

概念

SQL Server 2012 の各エディションがサポートする機能

SQL Server 2012 に含まれている非推奨のマスター データ サービス機能

SQL Server 2012 で提供が中止されたマスター データ サービス機能