レッスン 7: メジャーの作成
このレッスンでは、モデルに含められるメジャーを作成します。 前のレッスンで作成した計算列と同様、メジャーは、基本的には、DAX 数式を使用して作成される計算です。 ただし、計算列とは違い、メジャーはユーザーが選択したフィルターに基づいて評価されます (たとえば、PivotTable 内の行ラベル フィールドに追加された特定の列やスライサーなど)。 フィルター内の各セルの値は、適用されたメジャーによって計算されます。 メジャーは強力で柔軟な計算なので、ほとんどすべてのテーブル モデルに含めて、数値データに対する動的な計算を実行できます。 詳細については、「メジャー (SSAS テーブル)」を参照してください。
メジャーを作成するには、メジャー グリッドを使用します。 既定では、各テーブルに空のメジャー グリッドがあります。ただし、通常はすべてのテーブルにメジャーを作成することはありません。 メジャー グリッドは、モデル デザイナーのデータ ビューで、テーブルの下に表示されます。 テーブルのメジャー グリッドを表示または非表示にするには、[テーブル] メニューをクリックし、[メジャー グリッドの表示] をクリックします。
メジャーを作成するには、メジャー グリッド内で空のセルをクリックし、数式バーに DAX 数式を入力します。 Enter キーを押して式の入力を完了すると、そのセルにメジャーが表示されます。 標準の集計関数を使用してメジャーを作成することもできます。その場合は、列をクリックし、ツール バーの [オート SUM] ボタン (∑) をクリックします。 オート SUM 機能を使用して作成したメジャーは、その列のすぐ下のメジャー グリッド セルに表示されますが、必要に応じて移動できます。
このレッスンでは、数式バーに DAX 数式を入力する方法と、オート SUM 機能を使用する方法の両方でメジャーを作成します。
このレッスンの推定所要時間: 30 分
必要条件
このトピックはテーブル モデリング チュートリアルの一部であり、チュートリアルでの順番に従って実行する必要があります。 このレッスンのタスクを実行する前に、前のレッスン「レッスン 6: 計算列の作成」を完了している必要があります。
メジャーの作成
Date テーブル内に Days Current Quarter to Date メジャーを作成するには
モデル デザイナーで、[Date] テーブルをクリックします。
テーブルの下に空のメジャー グリッドが表示されていない場合は、[テーブル] メニューをクリックし、[メジャー グリッドの表示] をクリックします。
メジャー グリッドで、左上にある空のセルをクリックします。
テーブルの上にある数式バーに、以下の数式を入力します。
=COUNTROWS( DATESQTD( 'Date'[Date]))
数式の入力が終了したら、Enter キーを押します。
左上のセルにメジャー名 (Measure 1) が表示され、その後に結果 (30) が表示されます。 メジャー名は、数式バーの数式の前にも表示されます。
メジャー名を変更するために、数式バーで名前 (Measure 1) を強調表示し、「Days Current Quarter to Date」と入力し、Enter キーを押します。
ヒント 数式バーで数式を入力する際には、最初にメジャー名を入力し、続けてコロン (:)、スペース、数式の順に入力することもできます。 この方法を使用すれば、メジャー名を変更する必要はありません。
Date テーブル内に Days in Current Quarter メジャーを作成するには
モデル デザイナー内の [Date] テーブルをアクティブな状態にしたまま、メジャー グリッドで、先ほど作成したメジャーの下の空のセルをクリックします。
数式バーで、次の数式を入力します。
Days in Current Quarter :=COUNTROWS( DATESBETWEEN( 'Date'[Date], STARTOFQUARTER( LASTDATE('Date'[Date])), ENDOFQUARTER('Date'[Date])))
この式では、最初にメジャー名を入力し、続けてコロン (:) を入力します。
数式の入力が終了したら、Enter キーを押します。
未完了の期間と前の期間との間に比較率を作成する場合、数式では、経過した期間の比率を考慮に入れて、それを前の期間内の同じ比率と比較する必要があります。 この場合は、[Days Current Quarter to Date]/[Days in Current Quarter] とすることで、現行期間内の経過比率を割り出すことができます。
Internet Sales テーブル内に Internet Distinct Count Sales Order メジャーを作成するには
モデル デザイナーで、[Internet Sales] テーブル (タブ) をクリックします。
テーブルの下にメジャー グリッドが表示されていない場合は、[Internet Sales] テーブル (タブ) を右クリックし、[メジャー グリッドの表示] をクリックします。
[Sales Order Number] 列見出しをクリックします。
ツール バーで、[オート SUM] (∑) ボタンの横にある下矢印をクリックし、[DistinctCount] を選択します。
オート SUM 機能が、DistinctCount 標準集計式を使用して、選択された列に対するメジャーを自動的に作成します。
メジャー グリッド内の対象列のすぐ下のセルに、メジャー名 (Distinct Count Sales Order Number) が表示されます。 オート SUM 機能を使用して作成したメジャーは、メジャー グリッド内で、関連付けられた列のすぐ下のセルに自動的に配置されます。
メジャー グリッドで新しいメジャーをクリックし、[プロパティ] ウィンドウの [メジャー名] に「Internet Distinct Count Sales Order」と入力して名前を変更します。
Internet Sales テーブル内に追加のメジャーを作成するには
オート SUM 機能を使用して、次の名前のメジャーを作成します。
メジャー名
列
オート SUM (∑)
数式
Internet Order Lines Count
Sales Order Line Number
Count
=COUNT([Sales Order Line Number])
Internet Total Units
Order Quantity
Sum
=SUM([Order Quantity])
Internet Total Discount Amount
Discount Amount
Sum
=SUM([Discount Amount])
Internet Total Product Cost
Total Product Cost
Sum
=SUM([Total Product Cost])
Internet Total Sales
Sales Amount
Sum
=SUM([Sales Amount])
Internet Total Margin
Margin
Sum
=SUM([Margin])
Internet Total Tax Amt
Tax Amt
Sum
=SUM([Tax Amt])
Internet Total Freight
Freight
Sum
=SUM([Freight])
メジャー グリッド内で空のセルをクリックし、数式バーを使用して、次の名前のメジャーを作成します。
重要 メジャーは次の順序のとおりに作成する必要があります (先行するメジャーは後続のメジャー内の数式から参照されるため)。
メジャー名
数式
Internet Previous Quarter Margin
=CALCULATE([Internet Total Margin],PREVIOUSQUARTER('Date'[Date]))
Internet Current Quarter Margin
=TOTALQTD([Internet Total Margin],'Date'[Date])
Internet Previous Quarter Margin Proportion to QTD
=[Internet Previous Quarter Margin]*([Days Current Quarter to Date]/[Days In Current Quarter])
Internet Previous Quarter Sales
=CALCULATE([Internet Total Sales],PREVIOUSQUARTER('Date'[Date]))
Internet Current Quarter Sales
=TOTALQTD([Internet Total Sales],'Date'[Date])
Internet Previous Quarter Sales Proportion to QTD
=[Internet Previous Quarter Sales]*([Days Current Quarter to Date]/[Days In Current Quarter])
Internet Sales テーブル用に作成されたメジャーは、ユーザー選択のフィルターによって定義された項目に関する重要な財務データ (売上、コスト、利益率など) を分析するためにも使用できます。
次の手順
このチュートリアルを続行するには、次のレッスン「レッスン 8: 主要業績評価指標の作成」に進んでください。