SQL Server の複数のバージョンおよびインスタンスの使用
SQL Server は、同じコンピューター上でデータベース エンジン、Analysis Services、および Reporting Services の複数のインスタンスをサポートします。 また、以前のバージョンの SQL Server をアップグレードしたり、以前のバージョンの SQL Server が既にインストールされているコンピューターに SQL Server をインストールすることもできます。サポートされているアップグレード方法については、「サポートされているバージョンとエディションのアップグレード」を参照してください。
バージョンのコンポーネントと番号付け
次に示す概念は、SQL Server のサイド バイ サイドのインスタンスでの SQL Server の動作について理解するうえで役立ちます。
SQL Server の製品バージョンの標準の形式は MM. nn.bbbb.rr であり、各セグメントは次のように定義されています。
MM: メジャー バージョン
nn: マイナー バージョン
bbbb: ビルド番号
rr: ビルドのリビジョン番号
SQL Server では、以前のバージョンと区別するために、メジャー リリースやマイナー リリースごとにバージョン番号を増加させています。 このバージョンに対する変更は、さまざまな目的に使用されます。 たとえば、ユーザー インターフェイスでのバージョン情報の表示、アップグレード時のファイルの置換方法の制御、およびサービス パックの適用に使用されることも、一連のバージョン間での機能の違いを区別するためのメカニズムとして使用されることもあります。
SQL Server のすべてのバージョンで共有されるコンポーネント
特定のコンポーネントは、インストールされている SQL Server のすべてのバージョンのすべてのインスタンスで共有されます。 同じコンピューターにバージョンが異なる SQL Server をサイド バイ サイドでインストールすると、それらのコンポーネントは自動的に最新バージョンにアップグレードされます。 通常、このようなコンポーネントは、SQL Server の最後のインスタンスがアンインストールされると自動的にアンインストールされます。
例: SQL Server Browser および Microsoft SQL Server VSS Writer
メジャー バージョンが同一の SQL Server のすべてのインスタンス間で共有されるコンポーネント
メジャー バージョンが同一の SQL Server のバージョンでは、一部のコンポーネントをすべてのインスタンス間で共有します。 アップグレード時に共有コンポーネントが選択されると、既存のコンポーネントは最新バージョンにアップグレードされます。
例: Integration Services、マスター データ サービス、SQL Server Management Studio、SQL Server データ ツール (SSDT)、および SQL Server オンライン ブック
マイナー バージョン間で共有されるコンポーネント
メジャー バージョンとマイナー バージョンが同一の SQL Server のバージョンでは、コンポーネントを共有していました。
例: セットアップ サポート ファイル
SQL Server のインスタンスに固有のコンポーネント
SQL Server のコンポーネントまたはサービスには、SQL Server のインスタンスに固有のものがあります。 これらは、インスタンス対応とも呼ばれます。 また、これらをホストしているインスタンスとバージョンが同じで、そのインスタンスにのみ使用されます。
例: データベース エンジン、Analysis Services、および Reporting Services
SQL Server のバージョンに依存しないコンポーネント
特定のコンポーネントは、SQL Server のセットアップ時にインストールされますが、SQL Server のバージョンに依存しません。 これらは、メジャー バージョン間で共有されたり、SQL Server のすべてのバージョンで共有されたりすることがあります。
例: Microsoft Sync Framework、SQL Server Compact
SQL Server Compact のインストールの詳細については、「インストール ウィザードからの SQL Server 2012 のインストール (セットアップ)」を参照してください。 SQL Server Compact のアンインストール方法の詳細については、「SQL Server の既存のインスタンスのアンインストール (セットアップ)」を参照してください。
SQL Server と以前のバージョンの SQL Server の並列使用
以前のバージョンの SQL Server のインスタンスを既に実行しているコンピューター上に SQL Server をインストールすることができます。 既定のインスタンスが既にコンピューターに存在している場合、SQL Server は名前付きインスタンスとしてインストールする必要があります。
注意 |
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SQL Server Sysprep では、古いバージョンの SQL Server と同じコンピューター上に SQL Server 2012 の準備済みインスタンスをサイド バイ サイドでインストールすることはサポートされていません。 たとえば、SQL Server 2008 R2 インスタンスと共に SQL Server 2012 の準備済みインスタンスをサイド バイ サイドで準備することはできません。 ただし、同じメジャー バージョンの SQL Server の複数の準備済みインスタンスを、同じコンピューターにサイド バイ サイドでインストールできます。 詳細については、「SysPrep を使用した SQL Server のインストールに関する注意点」を参照してください。 SQL Server 2012 は、Windows Server 2008 R2 Server Core SP1 を搭載するコンピューターに、以前のバージョンの SQL Server とサイド バイ サイドでインストールすることはできません。 Server Core インストールの詳細については、「Server Core への SQL Server 2012 のインストール」を参照してください。 |
次の表に、SQL Server 2012 のサイド バイ サイドのサポートを示します。
SQL Server 2012 の既存のインスタンス |
サイド バイ サイドのサポート |
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SQL Server 2012 (32 ビット) |
SQL Server 2005 (32 ビット) SQL Server 2005 (64 ビット)x64 SQL Server 2008 (32 ビット) SQL Server 2008 (64 ビット)x64 SQL Server 2008 R2 (32 ビット) SQL Server 2008 R2 (64 ビット)x64 SQL Server 2012 (32 ビット) SQL Server 2012 (64 ビット)x64 |
SQL Server 2012 (64 ビット)x64 |
SQL Server 2005 (32 ビット) SQL Server 2005 (64 ビット)x64 SQL Server 2008 (32 ビット) SQL Server 2008 (64 ビット)x64 SQL Server 2008 R2 (32 ビット) SQL Server 2008 R2 (64 ビット)x64 SQL Server 2012 (32 ビット) SQL Server 2012 (64 ビット)x64 |
IP アドレス競合の回避
SQL Server のフェールオーバー クラスター インスタンスが SQL Server データベース エンジンのスタンドアロン インスタンスとサイド バイ サイドでインストールされている場合は、IP アドレスで TCP ポート番号が競合しないように注意してください。 競合は通常、データベース エンジンの 2 つのインスタンスが両方とも既定の TCP ポート (1433) を使用するように構成されている場合に発生します。 競合を回避するには、一方のインスタンスが既定以外の固定ポートを使用するように構成します。 通常、固定ポートの構成は、スタンドアロン インスタンスに対して行うのが最も簡単です。 データベース エンジンで異なるポートが使用されるように構成すると、SQL Server のフェールオーバー クラスター インスタンスがノードのスタンバイに失敗した場合に、予期しない IP アドレス/TCP ポート競合によってインスタンスの起動がブロックされる問題を回避できます。
関連項目
タスク
インストール ウィザードからの SQL Server 2012 のインストール (セットアップ)
参照
SQL Server 2012 のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェア