方法 : ユーザー定義型を Visual Basic の構造体に変換する

  • [アーティクル]

更新 : 2007 年 11 月

Visual Basic 6.0 の Type ステートメントは、Visual Basic 2008 では Structure ステートメントにアップグレードされます。また、型をアップグレードする他の 2 つのオプションである、クラスへの変換およびインターフェイスへの変換についても説明します。

以下では、次の Visual Basic 6.0 型を例として説明を進めます。

Type Customer
    Dim FirstName As String
    Dim LastName As String
    Dim Id As Long
End Type

Private Function FormatFullName(aCustomer As Customer) As String
    FormatFullName = aCustomer.FirstName & " " & aCustomer.LastName
End Function

アップグレード ウィザードは、Visual Basic 6.0 の型を自動的に Visual Basic 2008 の構造体にアップグレードします。Structure は、メソッド、プロパティなどのメンバをサポートするデータ型です。

型を構造体にアップグレードするには

  1. アップグレード ウィザードを実行します。

    6s6zzdks.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    アップグレード ウィザードは、Visual Basic 6.0 アプリケーションを Visual Basic 2008 にアップグレードするためのツールです。Visual Basic 2008 で Visual Basic 6.0 プロジェクトを開くと、このウィザードが自動的に起動します。詳細については、「方法 : Visual Basic アップグレード ウィザードを使ってプロジェクトをアップグレードする」を参照してください。

  2. Structure 型の他の機能を利用する場合は、構造体に含めるのが適切なメソッドを探します。次のコード例では、FormatFullName メソッドが構造体内の FormatFullName メソッドに変換されます。

    Structure Customer
    Dim FirstName As String
    Dim LastName As String
    Dim Id As Integer

    Public Function FormatFullName() As String
        Return FirstName & " " & LastName
    End Function
End Structure

アップグレード ウィザードは、Visual Basic 6.0 の型を自動的に Visual Basic 2008 の構造体にアップグレードします。Class 型は、サポートしているメンバは Structure と同じですが、参照型です。クラスは基本クラスになることができますが、構造体は基本クラスになれません。

クラスへアップグレードするには

  1. アップグレード ウィザードを実行します。

  2. Structure を Class に置き換えます。

  3. Class 型の他の機能を利用する場合は、構造体に含めるのが適切なメソッドを探します。次のコード例は、クラスへの FormatFullName の組み込みと Id プロパティを示しています。

    Class Customer
    Dim FirstName As String
    Dim LastName As String
    Private idValue As Integer

    Public Property Id() As Integer
        Get
            Return idValue
        End Get
        Set(ByVal Value As Integer)
            idValue = Value
        End Set
    End Property

    Public Function FormatFullName() As String
        Return FirstName & " " & LastName
    End Function
End Class

構造体をインターフェイスに変換するという、3 番目のオプションがあります。

インターフェイスへアップグレードするには

  1. アップグレード ウィザードを実行します。

  2. Structure を Interface に置き換えます。

  3. 変数をプロパティ宣言に置き換えます。実装は含めません。

  4. メソッドは追加しますが、実装は削除します。

  5. コードは次のようになります。

    Interface Customer
    Property FirstName() As String
    Property LastName() As String
    Property Id() As String

    Function FormatFullName() As String
End Interface

  6. このインターフェイスは、別のクラスに実装できます。定義を以下に示します。

    Class NewCustomer
    Implements Customer

    Public Property FirstName() As String Implements Customer.FirstName
        Get
            ' Add code here.
        End Get
        Set(ByVal Value As String)
            ' Add code here.
        End Set
    End Property

    Public Property Id() As String Implements Customer.Id
        Get
            ' Add code here.
        End Get
        Set(ByVal Value As String)
            ' Add code here.
        End Set
    End Property

    Public Property LastName() As String Implements Customer.LastName
        Get
            ' Add code here.
        End Get
        Set(ByVal Value As String)
            ' Add code here.
        End Set
    End Property

    Public Function FormatFullName() As String _
        Implements Customer.FormatFullName
        ' Add code here.
    End Function
End Class

参照

処理手順

方法 : Visual Basic アップグレード ウィザードを使ってプロジェクトをアップグレードする

参照

Structure ステートメント

Class ステートメント (Visual Basic)

Interface ステートメント (Visual Basic)