IDL 属性

[アーティクル]
09/17/2008

従来、.idl ファイルの管理とは次のことを意味していました。

.idl ファイルを変更するための、構造と構文の詳しい知識を持っている。
.idl ファイルを部分的に変更するウィザードを使用する。

Visual C++ の IDL 属性を使用しているソースコードファイル内から .idl ファイルを変更できるようになりました。多くの場合、Visual C++ の IDL 属性の名前は MIDL 属性と同じです。Visual C++ の IDL 属性と MIDL 属性の名前が同じ場合、ソースコードファイルに Visual C++ 属性を入れると、同名の MIDL 属性を含む .idl ファイルが作成されます。ただし、Visual C++ の IDL 属性が MIDL 属性のすべての機能を備えているわけではありません。

COM 属性と共に使用しない場合、IDL 属性によりインターフェイスを定義できます。IDL 属性は、ソースコードのコンパイル時に生成される .idl ファイルを定義するために使用されます。ATL プロジェクトで COM 属性と共に使用する場合、coclass などの IDL 属性はプロジェクトにコードを挿入します。

idl_quote では、現在のバージョンの Visual C++ でサポートされていない MIDL コンストラクトを使用できます。さらに、importlib や includelib などの属性は、現在のバージョンの Visual C++ プロジェクトで既存の .idl ファイルを使用する場合に役立ちます。

属性	説明
aggregatable	あるコントロールが別のコントロールによって集約できることを示します。
appobject	コクラスを完全な EXE アプリケーションに関連付けられているアプリケーションオブジェクトとして識別し、コクラスの関数とプロパティがこのタイプライブラリでグローバルに使用できることを示します。
async_uuid	MIDL コンパイラに対して、COM インターフェイスの同期インターフェイスと非同期インターフェイスの両方を定義するように指示する UUID を指定します。
bindable	プロパティがデータ連結をサポートすることを示します。
call_as	リモートに実行できない関数をリモート関数にマップできるようにします。
case	共用体の switch_type 属性と一緒に使用します。
coclass	.idl ファイルにクラス定義をコクラスとして配置します。
control	ユーザー定義型がコントロールであることを指定します。
cpp_quote	指定した文字列を生成されるヘッダーファイルに引用符なしで出力します。
defaultbind	オブジェクトを最もよく表している、1 つの連結できるプロパティを示します。
defaultcollelem	Visual Basic コードの最適化処理に使用します。
defaultvalue	型付きのオプションパラメータに既定値を指定できます。
default	コクラスで定義されたカスタムまたはディスパッチインターフェイスが、既定のプログラム可能なインターフェイスを表すことを示します。
defaultvtable	コントロールの既定の vtable インターフェイスとしてインターフェイスを定義します。
dispinterface	.idl ファイルにインターフェイスをディスパッチインターフェイスとして配置します。
displaybind	ユーザーに連結可能として表示するプロパティを指定します。
dual	.idl ファイルにインターフェイスをデュアルインターフェイスとして配置します。
entry	DLL のエントリポイントを識別することによって、モジュール内でエクスポートされた関数または定数を指定します。
first_is	転送する最初の配列要素のインデックスを指定します。
helpcontext	ユーザーがこの要素に関するヘルプファイルの情報を表示できるようにするためのコンテキスト ID を指定します。
helpfile	タイプライブラリのヘルプファイルの名前を設定します。
helpstringcontext	.hlp ファイルまたは .chm ファイルのヘルプトピックの ID を指定します。
helpstringdll	ドキュメントの文字列を検索するときに使用する DLL の名前を指定します (ローカリゼーション)。
helpstring	適用先の要素の記述に使用される文字列を指定します。
hidden	項目は存在しても、ユーザー指向ブラウザに表示されないことを示します。
idl_module	DLL のエントリポイントを指定します。
idl_quote	現在のバージョンの Visual C++ ではサポートされていない属性または IDL コンストラクトを使用できます。
id	メンバ関数の DISPID を指定します (インターフェイスまたはディスパッチインターフェイスのプロパティまたはメソッド)。
iid_is	インターフェイスポインタが指す COM インターフェイスの IID を指定します。
immediatebind	データ連結オブジェクトのプロパティに対するすべての変更が、直ちにデータベースに通知されることを示します。
importlib	既にほかのタイプライブラリにコンパイルされている型を、これから作成するタイプライブラリで使用できるようにします。
import	メイン .idl ファイルから参照する定義が含まれる、別の .idl ファイル、.odl ファイル、またはヘッダーファイルを指定します。
include	生成される .idl ファイルにインクルードする 1 つ以上のヘッダーファイルを指定します。
includelib	.idl または .h ファイルが、生成される .idl ファイルにインクルードされます。
in	パラメータが、呼び出し元のプロシージャから呼び出し先のプロシージャに渡されることを示します。
last_is	転送する最後の配列要素のインデックスを指定します。
lcid	関数にロケール識別子を渡すことができます。
length_is	転送する配列要素の数を指定します。
licensed	適用対象のコクラスがライセンスされており、IClassFactory2 を使用してインスタンスを生成する必要があることを示します。
local	インターフェイスヘッダーで使用するときに、MIDL コンパイラをヘッダージェネレータとして使用できます。個別の関数で使用する場合は、スタブが生成されないローカルプロシージャを指定します。
max_is	有効な配列インデックスの最大値を指定します。
module	.idl ファイルのライブラリブロックを定義します。
ms_union	カプセル化されていない共用体の、ネットワークデータ表現の整列を制御します。
no_injected_text	属性を使用したときにコードが挿入されないようにします。
nonbrowsable	インターフェイスメンバをプロパティブラウザに表示しないことを示します。
noncreatable	自身でインスタンスを作成できないオブジェクトを定義します。
nonextensible	IDispatch の実装に、インターフェイスの記述に含まれているプロパティおよびメソッドだけが含まれるようにして、実行時にメンバを追加して拡張できないように指定します。
object	カスタムインターフェイス (カスタム属性と同義) を識別します。
odl	インターフェイスをオブジェクト記述言語 (ODL) インターフェイスとして識別します。
oleautomation	インターフェイスがオートメーションと互換であることを示します。
optional	メンバ関数の省略可能なパラメータを指定します。
out	呼び出されたプロシージャから呼び出したプロシージャに (サーバーからクライアントに) 返される、ポインタパラメータを識別します。
pointer_default	パラメータリストに表示される最上位のポインタを除くすべてのポインタの既定のポインタ属性を指定します。
pragma	指定した文字列を生成される .idl ファイルに引用符なしで出力します。
progid	COM オブジェクトの ProgID を指定します。
propget	プロパティアクセサ (get) 関数を指定します。
propputref	値ではなく参照を使用するプロパティ設定関数を指定します。
propput	プロパティ設定関数を指定します。
ptr	ポインタを完全ポインタとして指定します。
public	.idl ファイル内から参照されていない場合でも、typedef がタイプライブラリを参照するようにします。
range	実行時に値が設定される引数またはフィールドについて、許容値の範囲を指定します。
readonly	変数に対する代入を禁止します。
ref	参照ポインタを識別します。
requestedit	プロパティが OnRequestEdit 通知をサポートすることを示します。
restricted	ライブラリ、モジュールのメンバ、インターフェイス、またはディスパッチインターフェイスを任意に呼び出すことができないように指定します。
retval	メンバの戻り値を受け取るパラメータを指定します。
size_is	サイズ付きポインタ、サイズ付きポインタを指すサイズ付きポインタ、および 1 次元または多次元の配列に割り当てるメモリのサイズを指定します。
source	クラスのメンバ、プロパティ、またはメソッドがイベントのソースであることを示します。
string	1 次元の char、wchar_t、byte、または同等の配列、あるいはその配列へのポインタを文字列として扱う必要があることを示します。
switch_is	共用体のメンバを選択する共用体判別変数として機能する式または識別子を指定します。
switch_type	共用体の判別変数として使用される変数の型を識別します。
transmit_as	クライアントアプリケーションとサーバーアプリケーションが操作する表現型を転送型と関連付けるようにコンパイラに指示します。
uidefault	型情報メンバがユーザーインターフェイスに表示する既定メンバであることを示します。
unique	一意のポインタを指定します。
usesgetlasterror	関数の呼び出し時にエラーが発生すると呼び出し元に通知します。呼び出し元は、GetLastError を呼び出してエラーコードを取得できます。
uuid	クラスまたはインターフェイスの一意の ID を指定します。
v1_enum	指定された列挙型を既定の 16 ビットではなく 32 ビットの要素として転送するように指示します。
vararg	関数が可変個の引数を取るように指定します。
vi_progid	バージョンに依存しない ProgID の形式を指定します。
wire_marshal	転送時にアプリケーション固有のデータ型の代わりに使用するデータ型を指定します。

参照

概念

グループ別の属性

属性に関する制限事項

次の方法で共有

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概念

その他のリソース