Web アプリケーションプロジェクトの概要

[アーティクル]
09/30/2008

更新 : 2007 年 11 月

Web アプリケーションプロジェクトは、Web サイトプロジェクトに代わるプロジェクトの種類であり、Visual Studio 2008 の既定のプロジェクトです。

このトピックの内容は次のとおりです。

シナリオ
背景
その他のリソース

シナリオ

Web アプリケーションプロジェクトモデルを使用すると、構造とビルドセマンティクスが Visual Studio .NET 2003 アプリケーションで導入されたプロジェクトモデルとよく似ている Web アプリケーションを作成できます。同時に、Web アプリケーションプロジェクトモデルでは、Visual Studio 2008 および ASP.NET 2.0 以上のすべての機能を使用できます。必要条件やユーザーにとって適切な開発ワークフローに応じて、Web アプリケーションプロジェクトモデルを使用します。

既定の Web サイトプロジェクトモデルでは、ディレクトリ構造を使用してプロジェクトのコンテンツを定義します。このモデルにはプロジェクトファイルが存在せず、ディレクトリ内のすべてのファイルによりプロジェクトが構成されます。

一方、Web アプリケーションプロジェクトでは、ソリューションのプロジェクトファイルで明示的に参照されているファイルのみでプロジェクトが構成されます。これらのファイルはソリューションエクスプローラに表示されます。ビルド時にコンパイルされるのは、これらのファイルのみです。

Web アプリケーションプロジェクトのプロジェクトファイルにより、一部のシナリオをより簡単に実装できます。たとえば、異なるプロジェクトファイルでファイルを参照することで、単一の ASP.NET アプリケーションを複数の Visual Studio プロジェクトに分割できます。また、プロジェクトからのファイルの除外も簡単です。

以下を行う場合、Web アプリケーションプロジェクトを使用します。

大規模な Visual Studio .NET 2003 アプリケーションを Visual Studio 2008 に移行する。
出力アセンブリの名前を制御する。
スタンドアロンクラスを使用して、ページクラスおよびユーザーコントロールクラスを参照する。
複数の Web プロジェクトを使用して Web アプリケーションを構築する。
コンパイル中のビルド前のアクションおよびビルド後のアクションを追加する。

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背景

Web アプリケーションプロジェクトモデルは、Visual Studio .NET 2003 の Web プロジェクトと意味的に同じ Web プロジェクトを提供します。たとえば、構造がプロジェクトファイルに基づいている点や、ビルドモデルが単一のアセンブリを生成する点が共通しています。Web アプリケーションプロジェクトモデルは、Visual Studio 2008 のすべての機能 (クラスダイアグラム、テスト開発、ジェネリックなど) をサポートします。また、マスタページ、データコントロール、メンバシップとログイン、ロール管理、Web パーツ、パーソナル化、サイトナビゲーション、テーマなどの ASP.NET の機能をサポートします。

Web アプリケーションプロジェクトモデルでは、Visual Studio .NET 2003 で作成されたプロジェクトに必要な次の要素が削除されています。

FrontPage Server Extensions によるアクセス。この拡張機能は不要になりましたが、プロジェクトで既に使用されている場合はサポートされます。
IIS のローカルコピーの使用。Web アプリケーションプロジェクトは、IIS と組み込みの ASP.NET 開発サーバーの両方をサポートします。

Web アプリケーションプロジェクトの作成

Web アプリケーションプロジェクトを使用するには、Visual Studio 2008、Microsoft Visual Studio 2005 Service Pack 1 (SP1)、または Visual Web Developer Express Edition を使用する必要があります。Visual Studio 2005 SP1 では、Visual Studio 2005 が更新されており、Visual Studio 変換ウィザードとデザイナを使用して、Web アプリケーションプロジェクトを正しく処理できるようになっています。Visual Studio 2005 SP1 は、「Microsoft Visual Studio Related Service Packs and Fixes」の Web サイトからダウンロードできます。

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コンパイルとビルド出力

Web アプリケーションプロジェクトのコンパイルモデルは、Visual Studio .NET 2003 のコンパイルモデルと似ています。プロジェクトに含まれるすべてのコードファイル (スタンドアロンファイル、分離コードファイル、およびクラスファイル) は、単一のアセンブリにコンパイルされ、Bin ディレクトリに格納されます。コンパイルにより単一のアセンブリが作成されるため、アセンブリ名、アセンブリのバージョンなどの属性を指定できます。また、出力されるアセンブリを Bin ディレクトリに格納したくない場合は、任意の場所を指定できます。詳細については、「Web アプリケーションプロジェクトのコンパイル」を参照してください。

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配置

すべてのクラスファイルが単一のアセンブリにコンパイルされるので、配置する必要があるのは、このアセンブリと、.aspx ファイルおよび .ascx ファイル、その他の静的コンテンツファイルだけです。このモデルでは、.aspx ファイルは、ブラウザで実行されない限りコンパイルされません。

メモ :
Web 配置プロジェクトで使用する場合は、.aspx ファイルもコンパイルされ、配置対象として単一のアセンブリに追加されます。Web 配置プロジェクトの詳細については、MSDN Web サイトの「Visual Studio 2005 Web Deployment Projects」を参照してください。

このモデルで生成された単一のアセンブリを配置するときは、プロジェクトのすべてのページのコードが置き換えられます。詳細については、「方法 : Web アプリケーションプロジェクトを発行する」を参照してください。

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Visual Studio .NET 2003 からのアップグレード

通常は、既存の Visual Studio .NET 2003 プロジェクトを Web サイトプロジェクトモデルとして使用するより、Visual Studio 2008 の Web アプリケーションプロジェクトにアップグレードすることをお勧めします。Visual Studio 2008 の Web アプリケーションプロジェクトモデルと Visual Studio .NET 2003 の Web サイトモデルはよく似ています。このため、アップグレードが簡単で、アプリケーションの再構築も最小限で済みます。詳細については、「チュートリアル : Visual Studio .NET 2003 Web プロジェクトの Visual Studio Web アプリケーションプロジェクトへの変換」を参照してください。

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