Select...Case ステートメント (Visual Basic)
更新 : 2007 年 11 月
条件式の値に従って、複数のステートメント ブロックのいずれかを実行させるフロー制御ステートメントです。
Select [ Case ] testexpression
[ Case expressionlist
[ statements ] ]
[ Case Else
[ elsestatements ] ]
End Select
指定項目
testexpression
必ず指定します。式を指定します。式の結果は、Boolean、Byte、Char、Date、Double、Decimal、Integer、Long、Object、SByte、Short、Single、String、UInteger、ULong、UShort など、基本データ型のいずれかである必要があります。expressionlist
Case ステートメント内に必ず指定します。testexpression と照合する値を表す式の句のリストを指定します。複数の式の句を指定する場合は、コンマ (,) で区切ります。それぞれの句は、次のいずれかの形式をとることができます。expression1 To expression2
[ Is ] comparisonoperatorexpression
expression
testexpression に一致する値の範囲の境界を指定するには、To キーワードを使用します。expression1 の値は、expression2 の値以下である必要があります。
Is キーワードを比較演算子 (=、<>、<、<=、>、>=) と一緒に使用すると、testexpression と照合する値に制限を指定できます。キーワード Is は、指定しなくても comparisonoperator の前に自動的に挿入されます。
expression だけを指定する形式は、comparisonoperator を等号 (=) とする、特殊な Is 形式として処理されます。この形式は testexpression = expression として評価されます。
expressionlist 内の式は任意のデータ型をとることができます。ただし、そのデータ型は、引数 testexpression のデータ型に暗黙的に変換可能であり、適用される comparisonoperator がその 2 つの型で有効である必要があります。
statements
省略可能です。testexpression が expressionlist 内のいずれかの句に一致する場合に実行される 1 つ以上のステートメントを Case の後に指定します。elsestatements
省略可能です。testexpression がどの Case ステートメントの expressionlist 内にある、どの句とも一致しない場合に実行される 1 つ以上のステートメントを Case Else の後に指定します。End Select
Select...Case 構造の定義を終了します。
解説
testexpression がいずれかの Caseexpressionlist 句と一致する場合は、その Case ステートメントの後から、次の Case、Case Else、または End Select ステートメントまでのステートメントが実行されます。ブロックの実行が終わると、制御は End Select ステートメントの次のステートメントに移ります。testexpression が 2 つ以上の Case 句の expressionlist 句に一致する場合は、最初に一致した句の後のステートメントだけが実行されます。
Case Else は、他のどの Case ステートメントの testexpression 句と expressionlist 句の間にも、一致する句が見つからない場合に実行する elsestatements を定義する際に使用します。必須ではありませんが、予測できない testexpression 値を処理するために、Select Case 構造に Case Else ステートメントを記述することをお勧めします。testexpression に一致する Caseexpressionlist 句が 1 つもなく、Case Else ステートメントもない場合、制御は End Select の次のステートメントに渡されます。
Case 句には複数の式や範囲を指定できます。たとえば、次の行は有効なステートメントです。
Case 1 To 4, 7 To 9, 11, 13, Is > maxNumber
メモ : |
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Case ステートメントと Case Else ステートメントに使用する Is キーワードは、オブジェクト参照を比較するために使う Is 演算子 (Visual Basic) と同じではありません。 |
文字列の範囲や複数の文字列式を指定することもできます。次の例では、Case は "apples" とまったく等しい文字列、アルファベット順で "nuts" と "soup" の間の値を持つ文字列、または現在の testItem の値とまったく同じ値を格納する文字列と一致します。
Case "apples", "nuts" To "soup", testItem
文字列の比較は、Option Compare の設定の影響を受けることがあります。Option Compare Text が設定されている場合は、"Apples" と "apples" の比較は等しくなりますが、Option Compare Binary が設定されている場合は等しくなりません。
メモ : |
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複数の句が定義された Case ステートメントは、ショートサーキット と呼ばれる動作を起こすことがあります。Visual Basic は句を左から右の順に評価し、いずれか 1 つが testexpression と一致した場合、残りの句は評価されません。ショートサーキットはパフォーマンスを向上させますが、expressionlist 内のすべての式が評価されるという前提で定義すると、予期しない結果になる可能性があります。ショートサーキットの詳細については、「Boolean 式」を参照してください。 |
Case または Case Else のステートメント ブロック内のコードが、そのブロック内のステートメントを実行する必要がなくなった場合は、Exit Select ステートメントを使用してブロックを終了できます。制御は、直ちに End Select の次のステートメントに移ります。
Select Case は入れ子構造にできます。入れ子にされた各 Select Case には、対応する End Select ステートメントが必要です。また、外側の Select Case の単一の Case または Case Else のステートメント ブロックの内側に、完全に含まれている必要があります。
使用例
Select Case 構造を使用して、変数 number の値に対応する行を書き込む例を次に示します。2 番目の Case ステートメントに number の現在の値に一致する値が含まれるため、"Between 6 and 8, inclusive" を書き込むステートメントが実行されます。
Dim number As Integer = 8
Select Case number
Case 1 To 5
Debug.WriteLine("Between 1 and 5, inclusive")
' The following is the only Case clause that evaluates to True.
Case 6, 7, 8
Debug.WriteLine("Between 6 and 8, inclusive")
Case 9 To 10
Debug.WriteLine("Equal to 9 or 10")
Case Else
Debug.WriteLine("Not between 1 and 10, inclusive")
End Select