Windows フォームおよびグラフィックス
更新 : 2007 年 11 月
この .NET Compact Framework バージョン 2.0 では、次の機能によってユーザー インターフェイスが拡張されています。
Microsoft.WindowsCE.Forms 名前空間に追加された .NET Compact Framework 固有のコントロール。
System.Windows.Forms 名前空間におけるコントロールおよびクラスのサポートの拡張。
描画およびグラフィックスのサポートの強化。
自動スクロール可能フォーム。
クリップボード サポート。
キーボード イベント。
Pocket PC 固有の機能。
Smartphone 固有の機能。
Windows フォーム アプリケーションのシャットダウンおよびオブジェクトの破棄における改良。
Pocket PC の統合キーボードのサポート。
画面の向きおよび解像度の変更のサポート。方法 : 画面の向きと解像度を変更する を参照してください。
Microsoft.WindowsCE.Forms における新しい型と変更された型
次の表は、Microsoft.WindowsCE.Forms 名前空間での新規のクラスとその他の変更箇所の一覧です。使用できるコントロールの一覧については、「.NET Compact Framework の Windows フォーム コントロール」を参照してください。
型 |
説明 |
---|---|
ユーザー通知を表示して、その通知に応答します。 |
|
ドキュメントを表示および管理します。 |
|
Pocket PC ハードウェアのボタンのオーバーライド機能を提供します。 |
|
Pocket PC にインストールされたすべての入力用ソフトウェアにアクセスできます。 |
|
Smartphone 2003 でサポートされています。 |
|
傾いたテキストなど、テキスト効果の論理フォント オブジェクトを定義します。 |
|
新しい Text プロパティが用意されています。このプロパティを使用して、MessageWindow のテキストを設定および取得できます。 |
|
Hibernate イベントを提供します。このイベントを使用すると、キャッシュされたリソースを確実に解放できます。 |
|
デバイスをリセットせずに、画面の方向の値を 90、180、または 270 に変更できるようにします。 Windows Mobile 2003 Second Edition を実行する Pocket PC が必要です。 |
Windows フォームのサポート
次の表は、System.Windows.Forms 名前空間のクラスに対して、.NET Compact Framework 2.0 で拡張されたサポートの一覧です。
コントロールまたは機能 |
拡張されたサポート |
---|---|
DataObject のコピーと貼り付けがサポートされています。 |
|
DropDownStyle プロパティがサポートされています。 |
|
バージョン 2.0 では、次のメンバがサポートされています。
|
|
方法 : .NET Compact Framework の DateTimePicker クラスを使用する を参照してください。 |
|
デザイン時の操作 |
ドッキング、固定、および Splitter がサポートされています。 |
Font コレクション |
サポートされています。 |
コモン コントロールでサポートされています。 |
|
Form コントロール |
次のメンバがサポートされています。 全画面表示フォームのパフォーマンスが向上しています。 |
Form.Load イベント |
Form.Load イベントの発生後に、フォームが表示されます。これは、カスタム描画を実行したり、イベント中に別のフォームを表示したりするアプリケーションに、影響を与える可能性があります。 |
このクラスは、Help イベントおよびイベント ハンドラ クラスと共にサポートされます。カスタマイズ例については、「方法 : ユーザー ヘルプを表示する」を参照してください。ただし、HelpProvider クラスはサポートされません。 |
|
キー イベント |
コモン コントロールでサポートされています。 |
KeyPreview プロパティ |
コモン コントロールでサポートされています。KeyPreview プロパティを使用して、統合キーボードからのキー イベントをトラップできます。 |
サポートされますが、自動的に下線が付けられて青色で表示される基本ハイパーリンクだけが提供されます。 |
|
EnsureVisible メソッドがサポートされています。 |
|
メニューとツール バー |
Pocket PC アプリケーションの子ウィンドウのコマンド バーは、追加されると z オーダーの一番上になります。このため、コントロールがコマンド バーのクライアント領域に重なっている場合、コントロールの z オーダーがコマンド バーより低位だと、コントロールが隠れてしまいます。 |
サポートされています。 |
|
所有されているモーダル ダイアログ |
サポートされています。 |
サポートされています。 |
|
サポートされています。 |
|
サポートされています。 |
|
タブ移動とフォーカス |
.NET Compact Framework バージョン 2.0 では、TabIndexプロパティとTabStop プロパティがサポートされていますが、UpdateZOrderメソッドはサポートされません。バージョン 2.0 では、フォーカスを得る最初のコントロールを明示的に設定する必要はありません。 フォームにタブ移動できるコントロールが含まれている場合、フォームが表示されると、このコントロールがフォーカスを得ます。これは、.NET Framework での動作と同じであり、キーボード操作を補助する目的があります。 Focus プロパティを設定すると、フォーカスが新しいコントロールに正常に設定された場合に限り、true が返されます。対象のコントロールが無効である場合、または GotFocus イベントか LostFocus イベントでフォーカスが対象のコントロールから移動した場合、Focus メソッドは false を返します。 タブ移動は、カスタム コントロールの子であるコントロール間で発生します。 |
動作の制限はなく、幅を制御できます。既定では、コントロールはバージョン 1.0 での動作に合わせて、上部にドッキングされます。 |
|
次のようにサポートされています。
|
|
スレッド処理 |
作成されたスレッド以外のスレッドからコントロールがアクセスされたとき、Invoke メソッドが使用されていないと、NotSupportedException がスローされます。 |
ボタン ツールヒントがサポートされています。 |
|
目盛りの削除がサポートされています。 |
|
次のメンバがサポートされています。
Enter キーを使用したアイテム選択がサポートされています。 |
|
サポートされています。 |
|
フル サポートには、Windows Mobile Version 5.0 for Pocket PC および Windows Mobile Version 5.0 for Smartphone が必要です。詳細については、「方法 : .NET Compact Framework で WebBrowser コントロールを使用する」を参照してください。 |
グラフィックスのサポート
.NET Compact Framework 2.0 では、次の機能によって、グラフィックス オブジェクトの描画および使用に関するサポートが拡張されています。
Image.Save(String, ImageFormat) メソッドを使用したイメージの保存。
LockBits(Rectangle, ImageLockMode, PixelFormat) メソッドを使用したビットマップ データ アクセス。方法 : LockBits メソッドを使用する を参照してください。
ビットマップのシリアル化 (JPG を含む)。
ClearType フォントのサポート。
LogFont オブジェクトを使用したテキスト効果の作成。サンプル アプリケーションについては、「LogFont を使用したテキストの回転のサンプル」を参照してください。
パターン ブラシ (内蔵およびビットマップ)。
Pen の複製、その幅の設定、および破線スタイルの使用。
DirectX および Direct3D
.NET Compact Framework 2.0 には、マネージ DirectX および Direct3D クラスを使用してモバイル アプリケーションを開発するためのクラスが用意されています。ただし、アプリケーションの実行には、Windows Mobile Version 5.0 Software for Pocket PC および Windows Mobile Version 5.0 Software for Smartphone が必要です。詳細および方法に関するトピックについては、「.NET Compact Framework での Mobile Direct3D プログラミング」を参照してください。
Pocket PC の機能
.NET Compact Framework 2.0 には、Pocket PC 向けに次の機能が用意されています。
HardwareButton コンポーネントを使用した、ハードウェア ボタンへのアプリケーションの割り当て
ハードウェア ボタンへのショートカット メニューの割り当て
DocumentList コントロール
Notification の送信
InputPanel.InputMethodCollection コレクションの使用
詳細については、「Pocket PC の開発と .NET Compact Framework」を参照してください。
Smartphone の機能
.NET Compact Framework 2.0 には、Smartphone 向けに次の拡張サポートが用意されています。
DataGrid クラス。
テキスト ボックスに対する英字または数字入力モード設定。方法 : Smartphone の入力モードを設定する を参照してください。
QVGA レガシ アプリケーション。
詳細については、「Smartphone の開発と .NET Compact Framework」を参照してください。
シャットダウンに関する改良
アプリケーションの終了が次の 2 つの点で改良されました。
シャットダウンの質を向上するために、コントロールが破棄されるときには必ず Dispose メソッドが呼び出されます。
メイン フォームが閉じられるときは、.NET Compact Framework ではトップダウン方式でウィンドウが破棄されます。
参照
概念
参照
.NET Compact Framework でサポートされるクラス