演算 : 変数および演算子を使用した式の作成
更新 : 2007 年 11 月
このレッスンでは、演算を実行して値を返すための式を作成する方法を説明します。
式は、演算を実行して値を返すコードのセグメントです。たとえば、単純な加算式は次のようになります。
5 + 4
式 5 + 4 は、評価されると値 9 を返します。この式は、演算の実行対象の値であるオペランド(5 および 4) と、実行する演算を指定する演算子 (+) の 2 つの部分から成ります。
式によって返された値を使用する
式を役立てるには、返される値を使用して何らかの処理を行う必要があります。最も一般的に行われるのは、次のように値を変数に代入することです。
Dim anInteger As Integer = 5 + 4
この例では、anInteger という新しい Integer 変数を宣言して、5 + 4 から返される値をその変数に代入しています。
算術演算子
式の一般的な用途は、変数に対して演算 (加算、減算、乗算、除算) を実行することです。次の表は、演算によく使用される演算子を示しています。
演算子 |
説明 |
例 |
---|---|---|
+ (加算) |
2 つのオペランドの和を返す |
5 + 4 |
- (減算) |
2 つのオペランドの差を返す |
5 - 4 |
* (乗算) |
2 つのオペランドの積を返す |
5 * 4 |
/ (除算) |
2 つのオペランドの商を返す |
5 / 4 |
演算を実行するときに使用する変数の種類が、その結果に影響を及ぼす場合があります。2 つの数値を除算すると、戻り値が整数でなくなることがしばしばあります。たとえば、3 を 2 で割ると 1.5 になります。この式の戻り値を Integer 変数に代入すると、最も近い整数である 2 に端数処理されます。このため、除算を実行するときは、戻り値を格納する変数として Double 変数を使用する必要があります。
メモ : |
---|
また、Visual Basic の変換関数を使用することにより、変数のデータ型を別のデータ型に変換できます。詳細については、「詳細情報 : ある変数の型を別の型に変換する」を参照してください。 |
やってみよう
数値を加算するには
[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスの [テンプレート] ペインで、[Windows アプリケーション] をクリックします。
[プロジェクト名] ボックスに「Arithmetic」と入力し、[OK] をクリックします。
新しい Windows フォーム プロジェクトが開きます。
ツールボックスから、フォームに 2 つの Textbox コントロールをドラッグします。
ツールボックスから、フォームに Button コントロールをドラッグします。
Buttonをダブルクリックしてコード エディタを開きます。
Button1_Click イベント プロシージャに次のコードを入力します。
Dim A As Double = Textbox1.Text Dim B As Double = Textbox2.Text MsgBox(A + B) MsgBox(A - B) MsgBox(A * B) MsgBox(A / B)
最初の 2 行は、変数 A と変数 B を宣言しています。A と B は、このプログラムで使用される数値を保持し、2 つの TextBox コントロールの値 (テキスト) を変数 A と変数 B に代入します。
後半の 4 行は、2 つの変数と基本的な算術演算子を 1 つずつ使用した式を作成し、その式の結果をメッセージ ボックスに表示します。
F5 キーを押してアプリケーションを実行します。
各テキスト ボックスに数値を入力し、[Button1] をクリックします。
メモ : 数値以外の文字をテキスト ボックスに入力すると、エラーが発生します。
入力された 2 つの数値と、4 つの基本的な算術演算子 (加算、減算、乗算、除算) を 1 つずつ使用して式が作成されます。各式の結果が、メッセージ ボックスに表示されます。
次の手順
このレッスンでは、式の作成方法と使用方法を説明しました。また、オペランドと演算子、および式の構築方法についても説明しました。この時点で、次のレッスン「比較 : 値を比較するための式の使用」に進むか、または変数を別の型に変換する方法について、「詳細情報 : ある変数の型を別の型に変換する」でより詳細に学習するかを選択できます。