_ecvt_s
double 型の数値を文字列に変換します。 この関数は、「CRT のセキュリティ機能」に説明されているように、_ecvt のセキュリティが強化されたバージョンです。
errno_t _ecvt_s(
char * _Buffer,
size_t _SizeInBytes,
double _Value,
int _Count,
int *_Dec,
int *_Sign
);
template <size_t size>
errno_t _ecvt_s(
char (&_Buffer)[size],
double _Value,
int _Count,
int *_Dec,
int *_Sign
); // C++ only
パラメーター
[出力] _Buffer
変換結果である数字の文字列へのポインターが格納されます。[入力] _SizeInBytes
バッファーのサイズ (バイト数)。[入力] _Value
変換される数値。[入力] _Count
格納する桁数[出力] _Dec
小数点を格納する位置。[出力] _Sign
変換された数値の符号。
戻り値
正常に終了した場合は 0 を返します。 エラーが発生した場合の戻り値はエラー コードです。 エラー コードは、Errno.h で定義されています。 詳細については、「errno、_doserrno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。
次の表に示すような無効なパラメーターが指定された場合、この関数は「パラメーターの検証」に説明されているように、無効なパラメーター ハンドラーを呼び出します。 実行の継続が許可された場合、この関数は errno を EINVAL に設定し、EINVAL を返します。
エラー条件
_Buffer |
_SizeInBytes |
_Value |
_Count |
_Dec |
_Sign |
戻り値 |
buffer の値 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
NULL |
any |
any |
any |
any |
any |
EINVAL |
変更されない。 |
NULL 以外 (有効なメモリを指し示している) |
<=0 |
any |
any |
any |
any |
EINVAL |
変更されない。 |
any |
any |
any |
any |
NULL |
any |
EINVAL |
変更されない。 |
any |
any |
any |
any |
any |
NULL |
EINVAL |
変更されない。 |
セキュリティの問題
buffer が有効なメモリを指し示さず、かつ NULL 以外の場合、_ecvt_s 関数はアクセス違反を生成することがあります。
解説
_ecvt_s 関数は、浮動小数点数を文字列に変換します。 パラメーター _Value は、変換対象の浮動小数点数です。 この関数は、_Value を文字列として最大 count 桁まで格納し、末尾に null 文字 ('\0') を追加します。 _Value の桁数が _Count を超える場合、下位の桁は丸められます。 count の桁数より少ない場合、文字列に 0 が埋め込まれます。
文字列には数字だけが格納されます。 小数点の位置と _Value の符号は、関数の呼び出し後に _Dec および _Sign から取得できます。 _Dec パラメーターは、小数点が文字列の先頭から何文字目にあるのかを示す整数値を指します。 0 または負の整数値は、小数点が最初の桁の左にあることを示します。 _Sign パラメーターは、変換された数値の符号を示す整数を指します。 整数値が 0 の場合、数値は正です。 それ以外の場合、数値は負になります。
長さが _CVTBUFSIZE のバッファーは、すべての浮動小数点値に対応します。
_ecvt_s と _fcvt_s の違いは、_Count パラメーターの解釈にあります。 _ecvt_s は、_Count を出力文字列の合計桁数として解釈しますが、_fcvt_s は、_Count を小数点以下の桁数として解釈します。
C++ では、この関数の使用はテンプレートのオーバーロードによって簡素化されます。オーバーロードでは、バッファー長を自動的に推論できるため、サイズの引数を指定する必要がなくなります。 詳細については、「セキュリティ保護されたテンプレート オーバーロード」を参照してください。
この関数のデバッグ バージョンは、最初にバッファーを 0xFD で埋めます。 この動作を無効にするには、_CrtSetDebugFillThreshold を使用します。
必要条件
機能 |
必須ヘッダー |
オプション ヘッダー |
---|---|---|
_ecvt_s |
<stdlib.h> |
<errno.h> |
互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。
使用例
// ecvt_s.c
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <errno.h>
int main( )
{
char * buf = 0;
int decimal;
int sign;
int err;
buf = (char*) malloc(_CVTBUFSIZE);
err = _ecvt_s(buf, _CVTBUFSIZE, 1.2, 5, &decimal, &sign);
if (err != 0)
{
printf("_ecvt_s failed with error code %d\n", err);
exit(1);
}
printf("Converted value: %s\n", buf);
}