浮動小数点サポート

Microsoft ランタイム ライブラリ関数の多くは、数値演算コプロセッサや、コンパイラ付属の浮動小数点ライブラリの浮動小数点サポートを必要とします。 浮動小数点サポート関数は、必要な場合だけ読み込まれます。

printf 関数群または scanf 関数群への呼び出しの書式文字列に浮動小数点型指定子を使用するときには、浮動小数点値または浮動小数点値へのポインターを引数リストに指定して、浮動小数点サポートが必要なことをコンパイラに通知する必要があります。

浮動小数点の例外を処理するには、「_fpieee_flt」にあるサンプル コードを参照してください。

中間値の浮動小数点の精度は、_control87、_controlfp、__control87_2 の各関数で制御されます。 既定では、_controlfp's の精度の制御は 53 ビット (_PC_53) に設定されています。 FP10.OBJ のリンクによって、精度の既定の制御が 64 ビット (_PC_64) に変更されます。 FP10.OBJ は、リンカーのコマンド ラインで LIBC.LIB、LIBCMT.LIB、または MSVCRT.LIB の前に指定する必要があります。

浮動小数点関数

ルーチン

使用方法

同等の .NET Framework 関数

abs

int 型の絶対値を返します。

System::Math::Abs

acos、acosf

アークコサインを計算します。

System::Math::Acos

asin、asinf

アークサインを計算します。

System::Math::Asin

atan、atanf、atan2、atan2f

アークタンジェントを計算します。

System::Math::AtanSystem::Math::Atan2

atof、_atof_l、_wtof、_wtof_l

文字列を倍精度浮動小数点値に変換します。

System::Convert::ToSingleSystem::Convert::ToDouble

Bessel 関数

_j0、_j1、_jn、_y0、_y1、_yn の各 Bessel 関数を計算します。

該当なし 標準 C 関数を呼び出すには、PInvoke を使用します。 詳細については、「プラットフォーム呼び出しの例」を参照してください。

_cabs

複素数の絶対値を求めます。

該当なし

ceil、ceilf

切り上げて整数にします。

System::Math::Ceiling

_chgsign、_chgsignl

倍精度浮動小数点または倍精度浮動小数点の long 型の引数の符号を反転させます。

該当なし

_clear87、_clearfp

浮動小数点ステータス ワードの取得とクリアを行います。

該当なし

_control87、_controlfp、__control87_2, _controlfp_s

古い浮動小数点制御ワードを取得して、新しい制御ワードを設定します。

該当なし

_copysign、_copysignl

特定の値に別の値の符号を付けて返します。

該当なし

cos、cosf、cosh、coshf

コサインを計算します。

System::Math::CosSystem::Math::Cosh

difftime

2 つの時間値の差を計算します。

System::DateTime::Subtract

div

整数の割り算を計算して商と余りを返します。

該当なし

_ecvt, _ecvt_s

double 型を、指定された長さの文字列に変換します。

System::Convert::ToString

exp、expf

指数関数を計算します。

System::Math::Exp

fabs、fabsf

絶対値を求めます。

System::Math::Abs

_fcvt_fcvt_s

double 型を小数点以下に指定された桁数を持つ文字列に変換します。

System::Convert::ToString

_finite

指定された倍精度浮動小数点値が有限かどうかを調べます。

System::Double::IsInfinity

floor、floorf

引数以下で最大の整数を返します。

System::Math::Floor

fmod、fmodf

浮動小数点数の剰余を求めます。

System::Math::IEEERemainder

_fpclass

浮動小数点クラスの情報を持つステータス ワードを返します。

System::Double::IsInfinitySystem::Double::IsNegativeInfinitySystem::Double::IsPositiveInfinitySystem::Double::IsNan

_fpieee_flt

IEEE 浮動小数点例外に対するユーザー定義のトラップ ハンドラーを起動します。

該当なし

_fpreset

浮動小数点数値演算パッケージを再初期化します。

 

frexp

指数値を計算します。

該当なし

_gcvt_gcvt_s

浮動小数点の値を文字列に変換します。

System::Convert::ToString

_hypot、hypotf

直角三角形の斜辺を計算します。

該当なし

_isnan

指定された倍精度浮動小数点値が NaN である (数値でない) ことをチェックします。

System::Double::IsNan

labs

long 型の絶対値を返します。

System::Math::Abs

ldexp

引数と 2 のべき乗との積を計算します。

System::Math::Pow

ldiv

long 型の整数の除算を実行し、商と余りを返します。

該当なし

log、logf、log10、log10f

自然対数または常用対数を計算します。

System::Math::LogSystem::Math::Log10

_logb

倍精度浮動小数点引数の指数部を抽出します。

該当なし

_lrotl、_lrotr

unsigned long int を左 (_lrotl) または右 (_lrotr) にシフトします。

該当なし

_matherr

数値演算エラーを処理します。

該当なし

__max

2 つの値の大きい方を返します。

System::Math::Max

__min

2 つの値の小さい方を返します。

System::Math::Min

modf、modff

引数を整数部と小数部に分けます。

該当なし

_nextafter

表現可能な次の隣接値を返します。

該当なし

pow、powf

べき乗を計算します。

System::Math::Pow

printf、_printf_l、wprintf、_wprintf_l, printf_s、_printf_s_l、wprintf_s、_wprintf_s_l

指定された書式に従ってデータを stdout に書き込みます。

System::Console::WriteSystem::Console::WriteLine

randrand_s

擬似乱数を取得します。

System::Random Class

_rotl、_rotr

unsigned int を左 (_rotl) または右 (_rotr) にシフトします。

該当なし

_scalb

引数と 2 のべき乗との積を求めます。

該当なし

scanf、wscanfscanf_s、_scanf_s_l、wscanf_s、_wscanf_s_l

指定された書式に従ってデータを標準入力 (stdin) から読み取り、指定された位置に書き込みます。

System::Console::ReadSystem::Console::ReadLine

_set_controlfp

新しい制御ワード値を設定します。

該当なし

sin、sinf、sinh、sinhf

サインまたはハイパーボリック サイン (双曲線正弦) を計算します。

System::Math::SinSystem::Math::Sinh

sqrt

平方根を求めます。

System::Math::Sqrt

srand

擬似乱数系列を初期化します。

System::Random Class

_status87、_statusfp、_statusfp2

浮動小数点ステータス ワードを取得します。

該当なし

strtod、_strtod_l、wcstod、_wcstod_l

文字列を倍精度浮動小数点値に変換します。

System::Convert::ToDouble

tan、tanf、tanh、tanhf

タンジェントまたはハイパーボリック タンジェント (双曲線正接) を計算します。

System::Math::TanSystem::Math::Tanh

参照

参照

カテゴリ別ランタイム ルーチン