相互運用性の概要 (C# プログラミングガイド)

[アーティクル]
08/09/2011

このトピックでは、C# のマネージコードとアンマネージコードの間の相互運用を可能にする方法について説明します。

プラットフォーム呼び出し

プラットフォーム呼び出しは、マネージコードから、たとえば Microsoft Win32 API の関数のような、ダイナミックリンクライブラリ (DLL) に実装されたアンマネージ関数を呼び出すことができるようにするサービスです。プラットフォーム呼び出しは、エクスポートされた関数を検索して呼び出し、必要に応じてその引数 (整数、文字列、配列、構造体など) をマーシャリングして、相互運用上の境界にまたがる動作を可能にします。

詳細については、「アンマネージ DLL 関数の処理」および「方法: プラットフォーム呼び出しを使用して Wave ファイルを再生する (C# プログラミングガイド)」を参照してください。

注意

共通言語ランタイム (CLR) (CLR) は、システムリソースへのアクセスを管理します。 CLR 外部のアンマネージコードの呼び出しは、このセキュリティ機構をバイパスするため、セキュリティ上のリスクが生じます。たとえば、アンマネージコードは、アンマネージコード内のリソースを直接呼び出し、CLR のセキュリティ機構をバイパスすることがあります。詳細については、「.NET Framework Security」を参照してください。

C++ Interop

C++ interop (IJW (It Just Works) とも呼ばれる) を使用すると、ネイティブ C++ クラスをラップして、C# またはその他の .NET Framework 言語で作成されたコードからそれらを利用できるようにすることができます。そのためには、ネイティブ DLL コンポーネントまたは COM コンポーネントをラップする C++ コードを記述します。他の .NET Framework 言語とは異なり、Visual C++ には相互運用性サポートが備えられています。これを利用すると、マネージコードとアンマネージコードが同じアプリケーション内に、さらには同じファイル内にも共存できるようになります。その後、マネージアセンブリを生成するスイッチを指定した /clr コンパイラで、C++ コードをビルドします。最後に、アセンブリへの参照を C# プロジェクトに追加し、ラップされたオブジェクトを、その他のマネージクラスを使用するのと同じように使用します。

詳細については、「方法: ネイティブクラスを C# で使用できるようにラップする」および「C++ Interop (暗黙の PInvoke) の使用」を参照してください。

COM コンポーネントの C# への公開

COM コンポーネントを C# プロジェクトから使用できます。基本的な手順は次のとおりです。

使用する COM コンポーネントを探して登録します。 regsvr32.exe を使用して登録するか、または COM DLL を登録解除します。
COM コンポーネントへの参照またはタイプライブラリをプロジェクトに追加します。

参照を追加すると、Visual Studio が Tlbimp.exe (タイプライブラリインポーター) を使用し、タイプライブラリを入力として受け取って .NET Framework 相互運用アセンブリを出力します。アセンブリ (ランタイム呼び出し可能ラッパー (RCW) とも呼ばれる) には、タイプライブラリ内にある COM クラスとインターフェイスをラップするマネージクラスとインターフェイスが含まれています。 Visual Studio は、生成されたアセンブリへの参照をプロジェクトに追加します。
RCW 内で定義されているクラスのインスタンスを作成します。このインスタンスが、COM オブジェクトのインスタンスを作成します。
他のマネージオブジェクトを使用するのとまったく同じようにこのオブジェクトを使用します。ガベージコレクションでオブジェクトが回収されると、COM オブジェクトのインスタンスもメモリから解放されます。

詳細については、「.NET Framework への COM コンポーネントの公開」を参照してください。

C# の COM への公開

COM クライアントは、正しく公開されている C# 型を使用できます。 C# 型を公開する基本的な手順は、次のとおりです。

C# プロジェクトに相互運用属性を追加します。

Visual C# プロジェクトのプロパティを変更して、アセンブリ COM を参照可能にします。詳細については、「[アセンブリ情報] ダイアログボックス」を参照してください。
COM タイプライブラリを生成し、それを COM 使用のために登録します。

Visual C# プロジェクトのプロパティを変更して、COM 相互運用用に C# アセンブリを自動的に登録できます。 Visual Studio は、/tlb コマンドラインスイッチを指定して、Regasm.exe (アセンブリ登録ツール) を実行します。これにより、マネージアセンブリが入力として受け取られ、タイプライブラリが生成されます。このタイプライブラリは、アセンブリ内の public 型が記述されており、レジストリエントリを追加して COM クライアントがマネージクラスを作成できるようにします。詳細については、「方法 : コンポーネントを COM 相互運用機能に登録する」を参照してください。

詳細については、「COM への .NET Framework コンポーネントの公開」および「COM クラスの例 (C# プログラミングガイド)」を参照してください。