ラベルを使用したファイルのスナップショット取得
ラベルを使用すると、ファイルのスナップショットを取得できます。取得したスナップショットは後で参照できます。 ラベルを使用すると、多数のファイルを表示およびビルドできるだけでなく、ラベルを適用したときの状態までロール バックできます。
必要なアクセス許可
ラベルを適用するには、[ラベル] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 ラベルを検索、一覧、または表示するには、[読み取り] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 ラベルを変更または削除するには、ラベルの所有者であるか、[ラベルの管理] のアクセス許可セットが [許可] に設定されている必要があります。
この記事の内容
ラベルの使用
ラベルの適用
ラベル名の変更
ラベルの一覧、検索、表示、編集、および削除
ワークスペースへのファイルのラベル付きバージョンのダウンロード
[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作
ラベル付きバージョンへのファイルのロール バック
コマンド ラインからのラベルの操作
ラベルの使用
多くのソフトウェア プロジェクトでは、コードの品質と安定性が適切なレベルに達した場合、新しいバージョンの製品をビルドし、リリースします。 ファイルの変更が続いている間でも、プロジェクト内のどのファイルでも新しいバージョンを取得およびビルドできるように、各ファイルの最新バージョンにマークを付ける必要があります。
理論上は、各ファイルの各変更セットの ID を手動で記録することもできますが、このようなプロセスは実用的ではありません。 Team Foundation バージョン管理を使用すると、この作業が簡単になります。対象のファイルを含むフォルダー、分岐、またはチーム プロジェクトにラベルを適用するだけです。 ラベルには、任意の名前付け規則に従って名前を付けることができます。 たとえば、"Sprint 5"、"M1"、"Beta2"、"Release Candidate 0" などのラベル名を付けることができます。
ラベルを適用すると、特定のバージョンのファイルやフォルダーのビルド、分岐、マージ、比較、取得などの操作を限定するために使用できます。
ラベルの適用後に、ラベルを変更する必要が出てくることもあります。 Team Foundation バージョン管理では、追加のファイルにラベルを適用すること、特定のファイルからラベルを削除すること、さらにラベルを適用するファイルのバージョンを変更することもできます。
ヒント
ラベルの適用には、分岐を作成できるだけでなく多くの利点がありますが、コストと複雑さは軽減されます。
ラベルの適用
ラベルの適用
ソース管理エクスプローラーで、ラベルを適用するコレクション、チーム プロジェクト、分岐、フォルダー、またはファイルを右クリックし、[ラベルの適用] をクリックします。
[新しいラベル] ダイアログ ボックスが表示されます。
[名前] ボックスにラベル名を入力します。
(省略可能) [コメント] ボックスにコメントを入力します。
[バージョン] リストでは、既定で [最新バージョン] が選択されています。 このオプションは最もよく使用されるオプションの 1 つですが、特定のバージョンを対象にしたラベルが必要な場合、次のオプションのいずれかを選択できます。
[変更セット] をクリックすると、[変更セット] ボックスに変更セット番号を指定できます。 または、省略記号 (…) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「変更セットに関する情報の検索」を参照してください。
[日付] をクリックすると、[日付] ボックスに日付を指定できます。または、ドロップダウン メニューのカレンダーから日付を選択できます。
[ラベル] をクリックすると、新しいラベルの元にする既存のラベルを指定できます。 [ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (…) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[ワークスペース バージョン] をクリックすると、ワークスペースのバージョンにラベルが作成されます。
設定が終わったら、次の手順のいずれかを実行します。
ラベルを適用するには、[作成] をクリックします。
ラベルを適用し、適用後に変更するには、[作成および編集] をクリックします。 この操作でラベルが適用され、[ラベル] ウィンドウが表示されます。 [ラベル] ウィンドウを使用してラベルを編集する方法の詳細については、「[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作」を参照してください。
注意
既存の名前を使用してラベルを適用すると、続行するかどうかを確認する警告が表示されます。 [OK] をクリックして続行する場合、ラベルを適用するパスに含まれない項目には、そのラベルが指定されなくなります。
ラベル名の変更
既存のラベル名は変更できませんが、別のラベルが適用されているファイルとバージョンに新しいラベルを適用することは簡単にできます。
既存のラベルに基づくラベルの適用
ソース管理エクスプローラーでプロジェクト コレクション ノード (ルート ノード) を右クリックし、[ラベルの適用] をクリックします。
[新しいラベル] ダイアログ ボックスが表示されます。
[名前] ボックスにラベル名を入力します。
(省略可能) [コメント] ボックスにコメントを入力します。
[バージョン] リストで [ラベル] を選択します。
[ラベル] ボックスが表示されます。
次のいずれかの操作を実行します。
既存のラベル名を入力します。
既存のラベル名をよく覚えていない場合、[ラベル] ボックスの横にある省略記号 (…) の参照ボタンをクリックします。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスが表示されます。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスのオプションを使用して、ラベルの一覧をフィルター処理し、新しいラベルを適用する既存のラベルを検索します。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[作成] をクリックします。
(省略可能) 新しいラベルを作成したら、古いラベルを削除できます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
ラベルの一覧、検索、表示、編集、および削除
ラベルを一覧および検索する方法は 2 つあります。[ラベルの検索] ダイアログ ボックスと [履歴] ウィンドウの [ラベル] タブです。 目的のラベルを見つけたら、ラベルの表示、編集、削除や、適用先のファイルの操作を行います。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスを使用したラベルの検索と操作
ソース管理エクスプローラーの [ファイル] メニューで、[ソース管理]、[ラベル] の順にポイントし、[ラベルの検索] をクリックします。
[ラベルの検索] ダイアログ ボックスが表示されます。
(省略可能) 次の手順の 1 つまたは複数を実行して、検索を改善します。
[名前] ボックスにラベルの名前を入力します。
[プロジェクト] リストで、検索するラベルが含まれるチーム プロジェクトを選択します。
[所有者] ボックスにラベルの所有者の名前またはエイリアスを入力します。
[検索] をクリックします。
[結果] リストに、入力した検索条件に一致するラベルが表示されます。
(省略可能) 次のいずれかの手順を実行します。
ラベルを表示または編集するには、[編集] をクリックします。
[ラベル] ウィンドウが表示されます。 詳細については、「[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作」を参照してください。
ラベルを削除するには、ラベルを選択し、[削除] をクリックします。
[閉じる] をクリックします。
ラベル名をよく覚えていない場合でも、バージョン管理でそのラベルが特定の項目に適用されたことがわかっていることがあります。 このような場合に、ラベルを検索し、操作する手順について説明します。
特定の項目に適用するラベルの一覧および操作
ソース管理エクスプローラーで、検索するラベルが適用された項目を右クリックし、[履歴の表示] をクリックします。
[履歴] ウィンドウが表示されます。
[ラベル] タブをクリックすると、この項目に適用されているラベルの一覧が表示されます。
(省略可能) 次のいずれかの手順を実行します。
ラベルを表示または編集するには、ラベルを右クリックし、[編集] をクリックします。
[ラベル] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウの使用方法の詳細については、「[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作」を参照してください。
ラベルを削除するには、ラベルを右クリックし、[ラベルの削除] をクリックします。
ラベルを右クリックし、[このバージョンの取得] や [比較] など他の操作を選択します。
[履歴] ウィンドウの [ラベル] タブを使用する方法の詳細については、「履歴データの表示」を参照してください。
ワークスペースへのファイルのラベル付きバージョンのダウンロード
一連のファイルにラベルを付ける操作は、特定の時点に存在したファイルのスナップショットを取得する場合と似ています。 スナップショットの取得後、数週間または数か月経ってから、そのスナップショットの時点のファイルを表示または操作する必要が出てくる可能性があります。 次の手順では、一連のファイルのラベル付きバージョンをワークスペースにダウンロードする方法について説明します。
ファイルのラベル付きバージョンをワークスペースにダウンロードする
ソース管理エクスプローラーで、ダウンロードする項目を含むプロジェクト コレクション、チーム プロジェクト、分岐、またはフォルダーを右クリックし、[特定バージョンの取得] をクリックします。
[取得] ダイアログ ボックスが表示されます。
[種類] リストから [ラベル] を選択し、[ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (…) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 このダイアログ ボックスの使用方法の詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
ラベルを確認し、必要に応じて [取得] ダイアログ ボックスで追加のオプションを選択します。
[取得] をクリックします。
[ラベル] ウィンドウを使用したラベルの操作
前述した手順のいずれかを使用して [ラベル] ウィンドウを開いたら、ラベルを操作できます。 ウィンドウの上部にはコメントのボックスが表示されます。必要に応じてコメントは編集できます。
[ラベル] ウィンドウは、次のタスクの実行に使用できます。
ラベルへの項目の追加
ラベルからの項目の削除
ファイルのバージョン変更
項目に対するその他の操作
ラベルへの項目の追加
[ラベル] ウィンドウで [項目の追加] をクリックします。
[項目のバージョンの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。
[項目のバージョンの選択] ダイアログ ボックスで、追加する項目を探し、選択します。
ヒント
複数の項目を選択するには、Ctrl キーまたは Shift キーを押しながら項目を選択します。
(省略可能) 特定のバージョンを対象にしたラベルが必要な場合、[バージョン] リストから次のオプションのいずれかを選択できます。
[最新バージョン] をクリックすると、バージョン管理に含まれる最新バージョンにラベルが適用されます。
[変更セット] をクリックすると、[変更セット] ボックスに変更セット番号を指定できます。 または、省略記号 (…) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「変更セットに関する情報の検索」を参照してください。
[日付] をクリックすると、[日付] ボックスに日付を指定できます。または、ドロップダウン メニューのカレンダーから日付を選択できます。
[ラベル] をクリックすると、新しいラベルの元にする既存のラベルを指定できます。 [ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (…) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[ワークスペース バージョン] をクリックすると、ワークスペースのバージョンにラベルが作成されます。
[OK] をクリックします。
[ファイル] メニューをクリックし、[保存] をクリックします。
ラベルからの項目の削除
[ラベル] ウィンドウで、このラベルから削除するコレクション、チーム プロジェクト、分岐、フォルダー、またはファイルを見つけます。
項目を右クリックし、[ラベルから削除] を選択します。
項目からラベルが削除されます。 項目がプロジェクト コレクション、チーム プロジェクト、分岐、またはフォルダーの場合、含まれるすべての項目からもラベルが削除されます。
[ファイル] メニューをクリックし、[保存] をクリックします。
ファイルのバージョン変更
[ラベル] ウィンドウで、変更するファイルを見つけます。
ファイルを右クリックし、[ラベル付きバージョンの変更] を選択します。
[項目のバージョンの選択] ダイアログ ボックスが表示されます。
次のいずれかの操作を実行します。
[最新バージョン] をクリックすると、バージョン管理に含まれる最新バージョンにラベルが適用されます。
[変更セット] をクリックし、[変更セット] ボックスに変更セット番号を指定します。 または、省略記号 (…) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「変更セットに関する情報の検索」を参照してください。
[日付] をクリックし、[日付] ボックスに日付を指定します。または、ドロップダウン メニューのカレンダーから日付を選択します。
[ラベル] をクリックし、新しいラベルの元にする既存のラベルを指定します。 [ラベル] ボックスにラベル名を入力するか、省略記号 (…) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開きます。 詳細については、「ラベルの一覧、検索、編集、および削除」を参照してください。
[ワークスペース バージョン] をクリックすると、ワークスペースのバージョンにラベルが作成されます。
[ファイル] メニューをクリックし、[保存] をクリックします。
ラベル付き項目に対するその他の操作
[ラベル] ウィンドウの項目を右クリックすると、次のコマンドも選択できます。
[表示] (ファイルのみ)
[履歴の表示]
[比較] (ファイルのみ)
[注釈] (ファイルのみ)
[このバージョンの取得]
ラベル付きバージョンへのファイルのロール バック
tf rollback コマンドを使用すると、ラベルでマークしたバージョンの状態に、一連のファイルを戻すことができます。 詳細については、「Rollback コマンド (Team Foundation バージョン管理)」を参照してください。
コマンド ラインからのラベルの操作
ここでは、コマンド ラインからラベルを操作する一般的な方法についていくつか紹介します。
コマンド ラインからのラベルの一覧表示
コマンド ラインからのラベルの一覧表示
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Visual Studio ツール] をポイントし、[Visual Studio コマンド プロンプト (2010)] をクリックします。
「cd path」と入力します。ここで、path は該当するワークスペースが含まれているディレクトリです。
「tf labels」と入力します。
コマンド ラインからのラベルの適用と編集
コマンド ラインからラベルを適用する操作は、Visual Studio ALM を使用してラベルを適用する場合 (このトピックで前述した手順) とは結果が異なります。 Visual Studio ALM を使用して既存のラベルを適用すると、すべてのファイル バージョンからラベルが削除されてから、そのラベルが適用されます。
一方、コマンド ラインからの場合、ラベル操作は付加的です。 たとえば、$/DinnerNow/Features/FeatureTeamA に mylabel というラベルを適用しているとします。 後で mylabel ラベルを $/DinnerNow/Features/FeatureTeamB に適用すると、mylabel は両方のフォルダーに適用されます。
コマンド ラインからラベルを適用するには
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Visual Studio ツール] をポイントし、[Visual Studio コマンド プロンプト (2010)] をクリックします。
「cd パス」と入力します。パス はラベルを付けるフォルダーのパスです。
「tf label mylabel . /recursive」と入力します。
"パス" フォルダーのワークスペース バージョンとそれが含まれているすべてのファイルとフォルダーに、mylabel ラベルが適用されます。
コマンド ラインからのラベルの削除
コマンド ラインからラベルを削除するには
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[Microsoft Visual Studio 2010] をポイントし、[Visual Studio ツール] をポイントし、[Visual Studio コマンド プロンプト (2010)] をクリックします。
「cd path」と入力します。ここで、path は該当するワークスペースが含まれているディレクトリです。
「tf label /delete ラベル名」と入力します。ここで、ラベル名 は削除するラベルの名前です。
参照
参照
Label コマンド (Team Foundation バージョン管理)
概念
Team Foundation Server のアクセス許可