フォーム領域の Outlook メッセージ クラスへの関連付け

フォーム領域を各アイテムのメッセージ クラスに関連付けることにより、そのフォーム領域を表示する Microsoft Office Outlook アイテムを指定できます。たとえば、フォーム領域をメール アイテムの下部に表示する場合は、そのフォーム領域を IPM.Note メッセージ クラスに関連付けることができます。

フォーム領域をメッセージ クラスに関連付けるには、新しい Outlook フォーム領域ウィザードでメッセージ クラス名を指定するか、フォーム領域ファクトリ クラスに属性を適用します。

対象: このトピックの情報は、Outlook 2013 と Outlook 2010 のアプリケーション レベルのプロジェクトに適用されます。詳細については、「Office アプリケーションおよびプロジェクト タイプ別の使用可能な機能」を参照してください。

Outlook メッセージ クラスの概要

Outlook メッセージ クラスは、Outlook アイテムの種類を識別します。8 種類の標準アイテムとそれに対応するメッセージ クラスの名前を次の表に示します。

Outlook アイテムの種類

メッセージ クラス名

AppointmentItem

IPM.Appointment

ContactItem

IPM.Contact

DistListItem

IPM.DistList

JournalItem

IPM.Activity

MailItem

IPM.Note

PostItem

IPM.Post or IPM.Post.RSS

TaskItem

IPM.Task

また、カスタム メッセージ クラスの名前を指定することもできます。カスタム メッセージ クラスは、Outlook に定義したカスタム フォームを識別します。

[!メモ]

置換およびすべて置換のフォーム領域については、新しいカスタム メッセージ クラス名を指定できます。既存のカスタム フォームのメッセージ クラス名を使用する必要はありません。カスタム メッセージ クラスの名前は一意であることが必要です。カスタム メッセージ クラス名を一意にする方法の 1 つに、<StandardMessageClassName>.<Company>.<MessageClassName> のような名前付け規則を使用することがあります (この名前付け規則に従った名前は、IPM.Note.Contoso.MyMessageClass などになります)。

フォーム領域の Outlook メッセージ クラスへの関連付け

フォーム領域をメッセージ クラスに関連付ける場合、次の 2 とおりの方法があります。

  • 新しい Outlook フォーム領域ウィザードの使用

  • クラス属性の適用

Bb157886.collapse_all(ja-jp,VS.110).gif新しい Outlook フォーム領域ウィザードの使用

新しい Outlook フォーム領域ウィザードの最後のページで、標準のメッセージ クラスを選択し、フォーム領域に関連付けるカスタム メッセージ クラスの名前を入力できます。

フォーム全体またはフォームの既定のページに置き換わるフォーム領域では、標準のメッセージ クラスは使用できません。標準のメッセージ クラスは、フォームに新しいページを追加するフォーム、またはフォームの下部に追加されるフォームでのみ指定できます。詳細については、「方法 : フォーム領域を Outlook アドイン プロジェクトに追加する」を参照してください。

1 つまたは複数のカスタム メッセージ クラスを含めるには、それらのクラス名を [このフォーム領域を表示するカスタム メッセージ クラスを選択] ボックスに入力します。

入力するクラス名は、以下のガイドラインに準拠している必要があります。

  • メッセージ クラスの完全修飾名 ("IPM.Note.Contoso" など) を使用します。

  • 複数のメッセージ クラス名を区切るには、セミコロンを使用します。

  • "IPM.Note" や "IPM.Contact" などの標準の Outlook メッセージ クラスは含めません。"IPM.Note.Contoso" などのカスタム メッセージ クラスのみ含めます。

  • 基本メッセージ クラス自体 ("IPM" など) を指定しないでください。

  • 各メッセージ クラス名の長さは 256 文字を超えてはなりません。

[完了] をクリックすると、入力したメッセージ クラス名の形式が新しい Outlook フォーム領域ウィザードによって検証されます。

[!メモ]

新しい Outlook フォーム領域ウィザードでは、入力したメッセージ クラス名の正確性や有効性は検証されません。

新しい Outlook フォーム領域ウィザードが完了すると、指定したメッセージ クラス名を含む属性がフォーム領域クラスに適用されます。これらの属性を手動で適用することもできます。

Bb157886.collapse_all(ja-jp,VS.110).gifクラス属性の適用

新しい Outlook フォーム領域ウィザードを実行した後で、フォーム領域を Outlook メッセージ クラスに関連付けることができます。これを行うには、属性をフォーム領域ファクトリ クラスに適用します。

次の例に、myFormRegion というフォーム領域ファクトリ クラスに適用された 2 つの FormRegionMessageClassAttribute 属性を示します。1 つ目の属性は、フォーム領域をメール メッセージ フォームの標準メッセージ クラスに関連付けます。2 つ目の属性は、フォーム領域を IPM.Task.Contoso というカスタム メッセージ クラスに関連付けます。

<Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionMessageClass(Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionMessageClassAttribute.Note)> _
<Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionMessageClass("IPM.Task.Contoso")> _
<Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionName("Trin_Outlook_FR_Attributes.FormRegion1")> _
Partial Public Class FormRegion1Factory

' Occurs before the form region is initialized.
' To prevent the form region from appearing, set e.Cancel to true.
' Use e.OutlookItem to get a reference to the current Outlook item.
    Private Sub FormRegion1Factory_FormRegionInitializing(ByVal sender As Object, ByVal e As Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionInitializingEventArgs) Handles Me.FormRegionInitializing

End Sub
[Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionMessageClass
    (Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionMessageClassAttribute.Note)]
[Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionMessageClass
    ("IPM.Task.Contoso")]
[Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionName
    ("Trin_Outlook_FR_Attributes.FormRegion1")]
public partial class FormRegion1Factory
{
    // Occurs before the form region is initialized.
    // To prevent the form region from appearing, set e.Cancel to true.
    // Use e.OutlookItem to get a reference to the current Outlook item.
    private void FormRegion1Factory_FormRegionInitializing(object sender, 
        Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionInitializingEventArgs e)
    {
    }
}

属性は、以下のガイドラインに準拠している必要があります。

  • カスタム メッセージ クラスには、完全修飾名 ("IPM.Note.Contoso" など) を使用します。

  • 基本メッセージ クラス自体 ("IPM" など) を指定しないでください。

  • 各メッセージ クラス名の長さは 256 文字を超えてはなりません。

  • フォーム全体またはフォームの既定のページに置き換わるフォーム領域では、標準のメッセージ クラスの名前を含めません。標準のメッセージ クラスは、フォームに新しいページを追加するフォーム、またはフォームの下部に追加されるフォームでのみ指定できます。詳細については、「方法 : フォーム領域を Outlook アドイン プロジェクトに追加する」を参照してください。

プロジェクトをビルドすると、Visual Studio によってメッセージ クラス名の形式が検証されます。

[!メモ]

Visual Studio では、入力したメッセージ クラス名の正確性や有効性は検証されません。

参照

処理手順

チュートリアル : Outlook フォーム領域のデザイン

関連項目

フォームの名前とメッセージ クラスについて

Outlookがとどのように構成する項目が連携します

概念

実行時におけるフォーム領域へのアクセス

Outlook フォーム領域の作成に関するガイドライン

その他の技術情報

Outlook フォーム領域の作成