チーム プロジェクト コレクションを使用したサーバーの整理

チーム プロジェクトをグループ化し、それらのグループに同じリソースを割り当てると、チーム プロジェクトをより効率的に管理できます。たとえば、特定のコード ベースに関連するすべてのプロジェクトなど、同様の要件や目標を持つプロジェクトをグループ化できます。グループ化は、独自のユーザー グループ、サーバー リソース、および保守スケジュールを持つ独立したリソースとして管理できます。Team Foundation Server (TFS) では、チーム プロジェクトをチーム プロジェクト コレクションと呼ばれる 1 つ以上の組織単位にグループ化します。チーム プロジェクト コレクションは、TFS 内のチーム プロジェクトのグループを定義および制御するのに使用できる編成構造です。コレクションを作成するときは、そのコレクション内のチーム プロジェクトが使用できる論理リソースと物理リソースを指定します。それらのプロジェクトが使用するすべての成果物およびデータは、コレクションの単一のデータベースに格納されます。

チーム プロジェクト コレクションを利用すると、サーバー管理者には次の利点があります。

  • 各コレクションのすべてのプロジェクトのすべてのデータが格納される単一のデータベース。管理者は、このデータベースを他のコレクションとは関係なくバックアップおよび復元できます。管理者は、チーム プロジェクト コレクションをデタッチし、バックアップしてから、別の TFS の配置に復元できます。

  • 管理者が、開発作業に必要なリソースの管理に使用できる拡張性のある方法。管理者は、リソースを再割り当てしてコレクション内のプロジェクトの需要を満たすことができます。

チーム プロジェクト コレクションを利用すると、プロジェクト管理者には次の利点があります。

  • レポート、作業項目、プロセス ガイダンスに加え、コード ベースも共有できる関連プロジェクトのグループ化。

  • コレクション内のプロジェクトのニーズに合わせてビルド、分岐、マージ、および反復処理できる独立したコード ベース。コレクション外のコードの依存関係を正式に管理できます。

複数のコレクションを作成する場合は、SQL Server の単一のインスタンスにそれらのコレクションのすべてのデータベースを格納するか、1 つ以上のインスタンスにデータベースを分散できます。

次の図は、TFS の論理アーキテクチャに統合されているチーム プロジェクト コレクションのデータベースを示しています。

例: 可能なコレクション データベースの場所

TFS をインストールするときに、すべてのチーム プロジェクトを含む既定のコレクションを作成することも、コレクションを後から作成することもできます。ただし、最初のチーム プロジェクトを作成する前に少なくとも 1 つのコレクションを作成する必要があります。すべてのプロジェクトはコレクション内に作成する必要があります。

旧バージョンから TFS をアップグレードすると、既定のコレクションが作成されて、既存のプロジェクトがすべてそのコレクションに格納されます。インストールまたはアップグレードの後に、組織の要件に合わせて追加のコレクションを作成できます。さらに、個別のチーム プロジェクト コレクションを選択してアップグレードすることもできます。それには、そのコレクションを特定の配置からデタッチする、そのデータベースをバックアップする、それを現在のバージョンの TFS が実行されている配置に復元する、機能の構成ウィザードを使用して TFS 2012 の機能をそのコレクションのプロジェクトに追加するという一連の手順が必要です。詳細については、「Move a Team Project Collection」および「アップグレードされたチーム プロジェクトの更新による新機能の利用」を参照してください。

複数のチーム プロジェクト コレクションを作成する場合の利点

複数のコレクションを作成すると、プロジェクトの 1 つのコード ベースまたはその他のグループ化の運用上のニーズを、別のグループ化の運用上のニーズと適切に分離できます。各コレクションのデータはそれぞれ独自のデータベースに格納されるため、配置内の他のコレクションとは別に各コレクションの多くの部分を個別に管理できます。たとえば、各コレクションを個別に停止および開始できます。これにより、各コレクションの保守の操作を異なる時間にスケジュールできます。

各コレクションはユーザーとアクセス許可の独自のセットを持つため、さまざまなコード ベースをそれぞれ異なるコレクションに分離して運用上のセキュリティを強化できます。この場合、特定のコード ベースに関連する 1 つ以上のプロジェクトを含むコレクションにのみユーザーを追加できます。

複数のチーム プロジェクト コレクションを作成する場合の欠点

複数のコレクションを作成すると、TFS の配置が複雑になります。各コレクションのデータベースをバックアップおよび復元する必要があり、他の管理タスクや保守タスクも、使用しているコレクションの数に比例して増えていきます。たとえば、チーム プロジェクト コレクションごとにユーザーとアクセス許可のセットを管理する必要があります。

また、複数のコレクションを作成するかどうかを決定するときに、次の点を考慮する必要があります。

  • 作業項目はコレクション間でリンクできません。

  • コードはコレクション間で分岐またはマージできません。

  • クエリはコレクション間で作成できません。

同じコレクション内のチーム プロジェクト間ではこれらの機能をすべて実行できます。開発作業でコードの分岐やマージの機能が必要な場合や、同じコードに関連する作業項目の状態をクエリする必要がある場合は、単一のコレクション内のプロジェクトにチームの作業を統合することを検討する必要があります。

一般的なタスク

トピック

説明

チーム プロジェクト コレクションの作成

チーム プロジェクトをサポートするリソースの構成

Team System Web Access の機能へのアクセス

チームとしての作業の開始

アジャイル計画とイテレーション

チーム プロジェクトをサポートするリソースを整理する: 1 つ以上のチーム プロジェクト コレクションを作成して関連の開発プロジェクトを整理およびサポートできます。

チーム プロジェクト コレクションへのレポート サーバーの追加

チーム プロジェクト コレクションへの SharePoint Web アプリケーションの追加

既存のチーム プロジェクト コレクションにリソースを追加する: チーム プロジェクト コレクションを作成した後、SQL Server Reporting Services を実行している SharePoint Web アプリケーションまたはサーバーを、そこに追加できます。

コレクションをデタッチする

別の TFS の配置への復元用にチーム プロジェクト コレクション データベースを準備する: チーム プロジェクト コレクションをデタッチすることで、すべてのジョブを停止し、コレクションを別の配置にアタッチするのに必要な構成データを保存します。この処理は、移動、部分的なアップグレード、および個々のチーム プロジェクト コレクションの復元に備えてデータベースをバックアップする前に実行できます。

Move a Team Project Collection

チーム プロジェクト コレクションの場所を変更する: Team Foundation Server の配置間でチーム プロジェクト コレクションを移動できます。

Split a Team Project Collection

チーム プロジェクト コレクション内のプロジェクトを再構成する: コレクション内のプロジェクトの編成を分割し、両方のコレクションに固有のプロジェクトのセットが含まれるまで、各コレクションからプロジェクトを削除して、編成を変更できます。

チーム プロジェクト コレクションの変更

チーム プロジェクト コレクションを開始または停止する: チーム プロジェクト コレクションを停止してそのコレクションを維持するか、Team Foundation Server が依存する基になるコンポーネントを更新できます。

チーム プロジェクト コレクションの変更

チーム プロジェクトへのユーザーの追加

チーム プロジェクト コレクションの管理アクセス許可の設定

コレクション内のチーム プロジェクトのリソースを変更する: コレクション内のプロジェクトで使用する Web アプリケーションなど、コレクション内のチーム プロジェクトで使用できるリソースを変更できます。コレクション レベルでユーザーのアクセス許可およびグループを変更することもできます。

チーム プロジェクト コレクションの削除

チーム プロジェクト コレクションを削除する: 他のチーム プロジェクト コレクションで使用できるリソースを増やし、アクティブなプロジェクトまたは実行可能なプロジェクトを含まないコレクションを削除して配置を簡素化できます。

参照

Team Foundation 管理コンソールを使用したサーバーの構成

チーム プロジェクトをサポートするリソースの構成

チームとしての作業の開始

プロジェクトの計画および追跡