チュートリアル: アプリケーションをビルドする
このチュートリアルを完了すると、Visual Studio を使用してアプリケーションをビルドする際に構成できるオプションの使用方法を習得できます。サンプル アプリケーション用に、カスタムのビルド構成の作成、特定の警告メッセージの非表示設定、ビルド出力情報の拡張などを行います。
このトピックには以下のセクションがあります。
サンプル アプリケーションをインストールする
[拡張機能と更新プログラム] ダイアログ ボックスを使用して、Microsoft Web サイトのサンプル ギャラリーから Introduction to Building WPF Applications サンプルを検索してインストールします。サンプル ギャラリーには、アプリケーションを計画および開発する際にダウンロードして確認できる、さまざまなプロジェクトとコード例が用意されています。
サンプル アプリケーションをインストールするには
メニュー バーで、[ツール]、[拡張機能と更新プログラム] の順にクリックします。
[オンライン] カテゴリ、[サンプル ギャラリー] カテゴリの順にクリックします。
検索ボックスに「Introduction」と指定してサンプルを検索します。
結果リストで、Introduction to Building WPF Applications (Visual C#) または Introduction to Building WPF Applications (Visual Basic) を選択します。
[ダウンロード]、[閉じる] の順にクリックします。
Introduction to Building WPF Applications サンプルが、[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスに表示されます。
サンプル アプリケーションのソリューションを作成するには
[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスを開きます。
[インストール済み] カテゴリの [サンプル] カテゴリを選択して、Introduction to Building WPF Applications サンプルを表示します。
ソリューションに「IntroWPFcsharp」という名前を付けます (Visual C# 用)。
または
ソリューションに「IntroWPFvb」という名前を付けます (Visual Basic 用)。
[OK] を選択します。
カスタム ビルド構成を作成する
ソリューションを作成すると、デバッグ ビルド構成およびリリース ビルド構成と、これらの既定のプラットフォーム ターゲットがソリューションに対して自動的に定義されます。これらの構成をカスタマイズすることも、独自に作成することもできます。ビルド構成では、ビルドの種類を指定します。ビルド プラットフォームでは、その構成でアプリケーションが対象とするオペレーティング システムを指定します。詳細については、「ビルド構成について」、「ビルド プラットフォームについて」、および「デバッグ構成およびリリース プロジェクト構成」を参照してください。
[構成マネージャー] ダイアログ ボックスを使用すると、構成とプラットフォームの設定を変更または作成できます。この手順では、テスト用のビルド構成を作成します。
ビルド構成を作成するには
[構成マネージャー] ダイアログ ボックスを開きます。
[アクティブ ソリューション構成] ボックスの一覧の [新規作成] をクリックします。
[新しいソリューション構成] ダイアログ ボックスで、新しい構成の名前として「Test」と入力し、既存のデバッグ構成から設定をコピーして、[OK] をクリックします。
[アクティブ ソリューション プラットフォーム] ボックスの一覧の [新規作成] をクリックします。
[新しいソリューション プラットフォーム] ダイアログ ボックスで、[x64] を選択します。x86 プラットフォームの設定はコピーしません。
[OK] を選択します。
アクティブなソリューション構成が Test に変更され、アクティブなソリューション プラットフォームが x64 に設定されました。
[標準] ツール バーの [ソリューション構成] ボックスの一覧を使用すると、アクティブなソリューション構成を簡単に確認または変更することができます。
アプリケーションをビルドする
次に、カスタム ビルド構成を使用してソリューションをビルドします。
ソリューションをビルドするには
- メニュー バーの [ビルド]、[ソリューションのビルド] の順にクリックします。
[出力] ウィンドウに、ビルドの結果が表示されます。ビルドは成功していますが、複数の警告メッセージが生成されました。
図 1: Visual Basic の警告
図 2: Visual C# の警告
コンパイラの警告を非表示にする
ビルド出力が見やすくなるように、ビルド時に特定の警告メッセージを一時的に非表示にすることができます。
Visual C# の特定の警告を非表示にするには
ソリューション エクスプローラーで、最上位のプロジェクト ノードを選択します。
メニュー バーの [表示]、[プロパティ ページ] の順にクリックします。
プロジェクト デザイナーが開きます。
[ビルド] ページを選択し、[警告の表示なし] ボックスで、警告番号 1762 を指定します。
詳細については、「[ビルド] ページ (プロジェクト デザイナー) (C#)」を参照してください。
ソリューションをビルドします。
[出力] ウィンドウには、ビルドの概要情報のみが表示されます。
Visual Basic のすべてのビルド警告を非表示にするには
ソリューション エクスプローラーで、最上位のプロジェクト ノードを選択します。
メニュー バーの [表示]、[プロパティ ページ] の順にクリックします。
プロジェクト デザイナーが開きます。
[コンパイル] ページで、[すべての警告を表示しない] チェック ボックスをオンにします。
詳細については、「Visual Basic での警告の構成」を参照してください。
ソリューションをビルドします。
[出力] ウィンドウには、ビルドの概要情報のみが表示されます。
詳細については、「方法: コンパイラ警告を非表示にする」を参照してください。
出力ウィンドウに追加のビルド詳細を表示する
[出力] ウィンドウに表示されるビルド プロセスに関する情報量を変更できます。ビルドの詳細度は、通常、最小に設定されています。これは、優先度の高い警告またはエラーと共にビルド プロセスの概要のみが [出力] ウィンドウに表示されることを意味します。[ビルド/実行] ([オプション] ダイアログ ボックス - [プロジェクトおよびソリューション])を使用すると、ビルドに関する詳細情報を表示できます。
重要 |
---|
詳細情報を表示する場合は、ビルドの完了までにかかる時間が長くなります。 |
[出力] ウィンドウの情報量を変更するには
[オプション] ダイアログ ボックスを開きます。
[プロジェクトおよびソリューション] カテゴリを選択し、[ビルド/実行] ページを選択します。
[MSBuild プロジェクト ビルドの出力の詳細] ボックスの一覧の [標準] を選択し、[OK] をクリックします。
メニュー バーで、[ビルド]、[ソリューションのクリーン] の順にクリックします。
ソリューションをビルドし、[出力] のウィンドウの情報を確認します。
ビルド情報には、ビルドの開始時刻 (出力の先頭にあります)、ファイルが処理された順序、プロセスの完了までにかかった時間 (出力の末尾にあります) が含まれています。この情報には、ビルド時に Visual Studio で実行される実際のコンパイラ構文も含まれています。
たとえば、Visual C# のビルドの場合、/nowarn オプションには、このトピックで指定した警告コード 1762 が、他の 3 つの警告と共に示されます。
Visual Basic のビルドの場合、/nowarn には除外する特定の警告が含まれていないため、警告は表示されません。
ヒント Ctrl キーを押しながら F キーを押して [検索] ダイアログ ボックスを表示すると、[出力] ウィンドウの内容を検索できます。
詳細については、「方法: ビルド ログ ファイルを表示、保存、および構成する」を参照してください。
リリース ビルドを作成する
出荷用に最適化されたバージョンとしてサンプル アプリケーションをビルドすることができます。リリース ビルドでは、ビルドの開始前に実行可能ファイルをネットワーク共有にコピーすることを指定します。
詳細については、「方法 : ビルド出力ディレクトリを変更する」および「Visual Studio でのプロジェクトとソリューションのビルドおよびクリーン」を参照してください。
Visual Basic 用にリリース ビルドを指定するには
プロジェクト デザイナーを開きます。
[コンパイル] ページをクリックします。
[構成] ボックスの一覧の [リリース] をクリックします。
[プラットフォーム] ボックスの一覧の [x86] をクリックします。
[ビルド出力パス] ボックスに、ネットワーク パスを指定します。
たとえば、「\\myserver\builds」のように指定できます。
重要 メッセージ ボックスが表示され、指定したネットワーク共有が信頼できる場所ではない可能性があるという警告が示されることがあります。指定した場所を信頼できる場合は、メッセージ ボックスの [OK] をクリックします。
アプリケーションをビルドします。
Visual C# 用にリリース ビルドを指定するには
プロジェクト デザイナーを開きます。
[ビルド] ページをクリックします。
[構成] ボックスの一覧の [リリース] をクリックします。
[プラットフォーム] ボックスの一覧の [x86] をクリックします。
[出力パス] ボックスに、ネットワーク パスを指定します。
たとえば、「\\myserver\builds」のように指定できます。
重要 メッセージ ボックスが表示され、指定したネットワーク共有が信頼できる場所ではない可能性があるという警告が示されることがあります。指定した場所を信頼できる場合は、メッセージ ボックスの [OK] をクリックします。
アプリケーションをビルドします。
指定したネットワーク パスに、実行可能ファイルがコピーされます。このパスは \\myserver\builds\FileName.exe になります。
これで、このチュートリアルを完了できました。