ScanState の構文

ユーザー状態移行ツール (USMT) 5.0 で ScanState コマンドを使うと、移行元コンピューターのスキャン、ファイルと設定の収集、ストアの作成を行うことができます。

このトピックの内容

開始する前に

構文

記憶域オプション

移行規則オプション

監視オプション

ユーザー オプション

暗号化ファイル オプション

互換性のないコマンド ライン オプション

開始する前に

ScanState コマンドを実行する前に、次の点に注意してください。

  • すべてのオペレーティング システム設定を確実に移行するには、ほとんどの場合、管理者資格情報を持つアカウントから管理者モードで ScanState コマンドを実行する必要があります。

  • 移行ストアを暗号化する場合は、暗号化キーか、暗号化キーを含むファイルのパスを入力する必要があります。キーまたはキー ファイルの場所に関する情報は移行ストアに保持されないため、必ずメモしておいてください。LoadState コマンドを実行して移行ストアの暗号化を解除するときや、回復ユーティリティを実行する必要が生じたときに、この情報が必要になります。キーまたはキー ファイルが適切でないか、見つからない場合は、エラー メッセージが表示されます。

  • ScanState コマンドを実行するためのソフトウェア要件について詳しくは、「USMT の要件」をご覧ください。

    重要

    Windows XP と Windows Vista(R) は、移行元コンピューター上のオペレーティング システムとしてのみサポートされています。

  • 特に説明のない限り、各オプションは、コマンド ラインでツールを実行するときに 1 回だけ使うことができます。

  • ドメイン コントローラーにアクセスできる移行元コンピューターがなくてもドメイン アカウントを収集できます。この機能は、追加の構成なしに利用できます。

  • 「互換性のないコマンド ライン オプション」の表には、同時に使うことのできるオプションと、互換性のないコマンド ライン オプションを示します。

  • 移行ストアを保存するディレクトリの場所は、スキャンから除外されます。たとえば、移行ストアを D ドライブのルートに保存している場合、D ドライブとそのすべてのサブディレクトリはスキャンから除外されます。

構文

ここでは、ScanState コマンド ライン オプションの構文と使い方について説明します。オプションを指定するときの順序は自由です。オプションにパラメーターが含まれる場合は、コロンまたはスペースを区切り記号として使うことができます。

ScanState コマンドの構文:

scanstate [ストアのパス] [/i:[パス\]ファイル名] [/o] [/v:詳細レベル] [/nocompress] [/localonly] [/encrypt /key:キー文字列|/keyfile:[パス\]ファイル名] [/l:[パス\]ファイル名] [/progress:[パス\]ファイル名] [/r:再試行回数] [/w:再試行までの秒数] [/c] [/p] [/all] [/ui:[ドメイン名|コンピューター名\]ユーザー名] [/ue:[ドメイン名|コンピューター名\]ユーザー名] [/uel:日数|YYYY/MM/DD|0] [/efs:abort|skip|decryptcopy|copyraw] [/genconfig:[パス\]ファイル名[/config:[パス\]ファイル名] [/?|help]

例:

  • 現在のディレクトリに Config.xml ファイルを作成するには、次のコマンドを使います。

    scanstate /i:migapp.xml /i:migdocs.xml /genconfig:config.xml /v:13

  • Config.xml ファイルと既定の移行 .xml ファイルを使って暗号化ストアを作成するには、次のコマンドを使います。

    scanstate \\server\share\migration\mystore /i:migapp.xml /i:migdocs.xml /o /config:config.xml /v:13 /encrypt /key:"mykey"

記憶域オプション

コマンド ライン オプション 説明

ストアのパス

ファイルと設定が保存されるフォルダーを示します。ストアのパスには c:\ を指定できません。ストアのパス オプションは、/genconfig オプションを使う場合を除いて、ScanState コマンドで必ず指定する必要があります。複数のストアのパスの場所を指定することはできません。

/o

移行ストアまたは Config.xml ファイル内に既にあるデータを上書きする必要があります。これを指定しない場合、移行ストアに既にデータが格納されている場合に、ScanState コマンドは失敗します。コマンド ラインでこのオプションを複数回使うことはできません。

/vsc

このオプションを使うと、ボリューム シャドウ コピー サービスで、ロックまたは使われているファイルを移行できます。このコマンド ライン オプションにより、<ErrorControl> セクションでの一般的なファイル ロック エラーのほとんどが解消されます。

このオプションは ScanState 実行可能ファイルでのみ使うことができ、/hardlink オプションと組み合わせることはできません。

/hardlink

指定した場所にハード リンク移行ストアを作成できます。/hardlink オプションと共に、/nocompress オプションを指定する必要があります。

/encrypt [{/key:<キー文字列> | /keyfile:<ファイル>]}

指定したキーでストアを暗号化します。暗号化は、既定で無効になっています。このオプションを指定する場合、次のいずれかの方法で暗号化キーを指定する必要があります。

  • /key: キー文字列では暗号化キーを指定します。キー文字列にスペースが含まれる場合は、キー文字列を引用符で囲む必要があります。

  • /keyfile: ファイルのパスと名前では、暗号化キーを含むテキスト (.txt) ファイルを指定します。

キー文字列は 8 文字以上にすることをお勧めします。ただし、256 文字の制限があります。/key オプションと /keyfile オプションを同じコマンド ラインで使うことはできません。/encrypt オプションと /nocompress オプションを同じコマンド ラインで使うことはできません。

> [!IMPORTANT] > ScanState コマンド ライン スクリプトにアクセスできるユーザーは、暗号化キーにもアクセスできるため、このオプションを使うときは十分注意してください。 >

次の例に ScanState コマンドと /key オプションを示します。

scanstate /i:migdocs.xml /i:migapp.xml \\server\share\migration\mystore /encrypt /key:mykey

/encrypt:<暗号化強度>

/encrypt オプションは、移行ストアの暗号化に使う暗号化強度を定義するコマンド ライン パラメーターを受け付けるようになりました。サポートされる暗号化アルゴリズムについて詳しくは、「移行ストアの暗号化」をご覧ください。

/nocompress

データの圧縮を無効にし、ファイルをストアのパス\USMT にある "File" という隠しフォルダーに保存します。圧縮は既定で有効になっています。/nocompress オプションと /hardlink オプションを組み合わせると、ハード リンク移行ストアが生成されます。非圧縮ストアを使うと、USMT によって保存された内容を表示したり、問題のトラブルシューティングを行ったりすることができます。また、ファイルに対してウイルス対策ユーティリティを実行することもできます。/nocompress オプションと /hardlink オプションを組み合わせない限り、実際の移行では圧縮ストアを使うことをお勧めしているため、このオプションはテスト環境でのみ使ってください。

/nocompress オプションと /encrypt オプションをコマンド ラインの 1 つのステートメントで一緒に使うことはできません。ただし、非圧縮ストアの移行を選んだ場合、LoadState コマンドは、一時的な場所を使わずに、各ファイルをストアから移行先コンピューターの適切な場所に直接移行します。

例:

scanstate /i:migdocs.xml /i:migapp.xml \\server\share\migration\mystore /nocompress

オフライン Windows システムでの ScanState コマンドの実行

Windows PE で ScanState コマンドを実行できます。さらに、USMT は Windows.old ディレクトリに格納されている以前の Windows インストールからの移行をサポートしています。オフライン ディレクトリとして、Windows ディレクトリ (Windows PE で ScanState コマンドを実行する場合) または Windows.old ディレクトリ (Windows で ScanState コマンドを実行する場合) を指定できます。

オフライン Windows イメージで ScanState コマンドを実行する場合、次のようないくつかの利点があります。

  • パフォーマンスが向上します。

    Windows PE は軽量のオペレーティング システムなので、実行中のサービスが少なくなります。この環境では、ScanState コマンドはより多くのローカル ハードウェア リソースにアクセスできるため、ScanState の移行処理をスピードアップできます。

  • エンド ツー エンドの展開プロセスが簡単になります。

    Windows.old からデータを移行すると、新しいオペレーティング システムのインストール後に移行プロセスを実行できるため、エンド ツー エンドの展開プロセスが簡単になります。

  • 移行の成功率が上がります。

    オフライン中にファイルが編集のためにロックされることがないうえ、Windows PE では管理者がオフライン Windows ファイル システム内のファイルにアクセスでき、オンライン システムへの管理者レベルでのアクセスが必要なくなるため、移行の成功率が上がります。

  • 起動できないコンピューターを回復できます。

    起動できないコンピューターのデータを回復し、移行できる可能性があります。

オフライン移行オプション

コマンド ライン オプション 説明

/offline: "offline.xml ファイルのパス"

オフライン Windows ディレクトリや、移行で必要なドメインまたはフォルダー リダイレクトなど、他のオフライン移行オプションを指定できるオフライン .xml ファイルのパスを定義するのに使います。

/offlinewindir: "Windows ディレクトリのパス"

ScanState コマンドでユーザー状態を収集するオフライン Windows ディレクトリを指定します。オフライン ディレクトリとして、Windows.old (Windows で ScanState コマンドを実行する場合) または Windows ディレクトリ (Windows PE で ScanState コマンドを実行する場合) を指定できます。

/offlinewinold: "Windows.old ディレクトリ"

このコマンド ライン オプションは、オフライン移行モードを有効にし、指定された場所から移行を始めます。これは、移行が Windows.old ディレクトリから始まる Windows.old 移行シナリオにのみ対応します。

移行規則オプション

USMT には、移行対象のファイルを指定するための次のオプションがあります。

コマンド ライン オプション 説明

/i:[パス\]ファイル名

(含める)

移行対象のユーザー、アプリケーション、システム状態を定義した規則が含まれる .xml ファイルを指定します。このオプションを複数回指定して、すべての .xml ファイル (MigApp.xml、MigDocs.xml、作成したカスタム .xml ファイル) を含めることができます。パスは相対パスにすることも、完全パスにすることもできます。パス変数を指定しない場合、ファイル名を現在のディレクトリに置く必要があります。指定するファイルについて詳しくは、「よく寄せられる質問」の「XML ファイル」をご覧ください。

/genconfig:[パス\]ファイル名

(Config.xml の生成)

オプションの Config.xml ファイルを生成しますが、移行ストアは作成しません。このファイルに、移行できるすべてのコンポーネント、アプリケーション、設定が含まれるようにするために、移行先コンピューター上に存在するすべてのコンポーネント、アプリケーション、設定を格納するこのファイルを移行元コンピューターに作成する必要があります。さらに、このオプションを指定する場合は、/i オプションを使って他の移行 .xml ファイルを指定する必要があります。

このファイルを作成したら、ScanState コマンドで /config オプションを指定してこのファイルを使う必要があります。

このオプションと一緒に指定できるオプションは、/i オプション、/v オプション、/l オプションだけです。/genconfig オプションはストアを作成しないため、ストアのパスは指定できません。パスは相対パスにすることも、完全パスにすることもできます。パス変数を指定しない場合、ファイル名が現在のディレクトリに作成されます。

例:

  • 次の例では、現在のディレクトリに Config.xml ファイルを作成します。

    scanstate /i:migapp.xml /i:migdocs.xml /genconfig:config.xml /v:13

/config:[パス\]ファイル名

ScanState コマンドでストアの作成に使う Config.xml ファイルを指定します。コマンド ラインでこのオプションを複数回使うことはできません。パスは相対パスにすることも、完全パスにすることもできます。パス変数を指定しない場合、ファイル名を現在のディレクトリに置く必要があります。

次の例では、Config.xml ファイル、MigDocs.xml ファイル、MigApp.xml ファイルを使ってストアを作成します。

scanstate \\server\share\migration\mystore /config:config.xml /i:migdocs.xml /i:migapp.xml /v:13 /l:scan.log

次の例では、Config.xml ファイル、MigDocs.xml ファイル、MigApp.xml ファイルを使って移行先コンピューターにファイルと設定を移行します。

loadstate \\server\share\migration\mystore /config:config.xml /i:migdocs.xml /i:migapp.xml /v:13 /l:load.log

/auto: スクリプト ファイルのパス

このオプションを使うと、既定の .xml ファイルの場所を指定して移行を始めることができます。パスが指定されていない場合、USMT は USMT バイナリの存在するディレクトリを参照します。/auto オプションには、/i:MigDocs.xml/i:MigApp.xml /v:5 というオプションを使ったときと同じ効果があります。

/genmigxml: ファイルのパス

ScanState コマンドでこのオプションを使うと、ドキュメント検索を使って、ScanState コマンドが実行されているコンピューター上のすべてのファイルの移行方法を定義する .xml ファイルを作成してエクスポートするよう指定できます。

/localonly

コマンド ラインで指定した .xml ファイル内の規則に関係なく、ローカル コンピューター上に格納されているファイルのみを移行します。このオプションは、移行元コンピューターのリムーバブル ドライブ (USB フラッシュ ドライブ (UFD)、外部ハード ドライブなど) のデータを除外する場合や、移行元コンピューターにネットワーク ドライブがマップされている場合に使う必要があります。/localonly オプションを指定しない場合、ScanState コマンドは、これらのリムーバブル ドライブまたはネットワーク ドライブからストアにファイルをコピーします。

OS によって固定ドライブと認識されないドライブは、/localonly によって除外されます。大きな外部ハード ドライブは固定ドライブとして認識されることがあります。custom.xml ファイルを使うと、これらのドライブを移行対象から明示的に除外できます。特定のドライブですべてのファイルを除外する方法について詳しくは、「ファイルと設定の除外」をご覧ください。

/localonly コマンド ライン オプションを使うと、次の表に示すように、データを移行に含めるか除外するかを指定できます。

 

ドライブの種類 /localonly での動作

USB フラッシュ ドライブなどのリムーバブル ドライブ

除外

ネットワーク ドライブ

除外

固定ドライブ

含める

監視オプション

USMT には、移行中に発生した問題を分析するためのオプションがいくつか用意されています。

注意

ScanState ログは既定で作成されますが、/l オプションを付けるとログの名前と場所を指定できます。

コマンド ライン オプション 説明

/listfiles:<ファイル名>

ScanState コマンドで /listfiles コマンド ライン オプションを使って、移行対象のすべてのファイルを一覧表示するテキスト ファイルを生成できます。

/l:[パス\]ファイル名

ScanState ログの場所と名前を指定します。

ストアのパスにログ ファイルを格納することはできません。パスは相対パスにすることも、完全パスにすることもできます。パス変数を指定しない場合、現在のディレクトリにログが作成されます。/v オプションを使うと、出力の量を調整できます。

共有ネットワーク リソースから ScanState コマンドまたは LoadState コマンドを実行する場合、このオプションを指定する必要があります。指定しないと、USMT が停止し、"USMT was unable to create the log file(s)" というエラーが表示されます。この問題を解決するには、/l:scan.log コマンドを使います。

/v: <詳細レベル>

(Verbosity)

ScanState ログ ファイルで詳しい出力を有効にします。既定値は 0 です。

詳細レベルは次のいずれかのレベルに設定できます。

 

レベル 説明

0

既定のエラーと警告のみが有効になります。

1

詳しい出力を有効にします。

4

エラーと状態の出力を有効にします。

5

詳しい出力と状態の出力を有効にします。

8

デバッガーへのエラー出力を有効にします。

9

デバッガーへの詳しい出力を有効にします。

12

デバッガーへのエラーと状態の出力を有効にします。

13

詳しい出力、状態の出力、デバッガー出力を有効にします。

          </div>
          <p>例:</p>
          <p>
            <code>scanstate \\server\share\migration\mystore /v:13 /i:migdocs.xml /i:migapp.xml</code>
          </p>
          <p>
            
          </p>
        </td>
      </tr>
      <tr>
        <td colspan="1">
          <p>
            <strong>/progress</strong>:[<em>パス\</em>]<em>ファイル名</em></p>
        </td>
        <td colspan="1">
          <p>オプションの進行状況ログを作成します。<em>ストアのパス</em>にログ ファイルを格納することはできません。<em>パス</em>は相対パスにすることも、完全パスにすることもできます。<em>パス</em>変数を指定しない場合、<em>ファイル名</em>が現在のディレクトリに作成されます。</p>
          <p>例:</p>
          <p>
            <code>scanstate /i:migapp.xml /i:migdocs.xml \\server\share\migration\mystore /progress:prog.log /l:scanlog.log</code>
          </p>
        </td>
      </tr>
      <tr>
        <td colspan="1">
          <p>
            <strong>/c</strong>
          </p>
        </td>
        <td colspan="2">
          <p> このオプションを指定すると、エラーが発生してもそれが重大なエラーでなければ <strong>ScanState</strong> コマンドは実行され続けます。エラーの原因となったファイルや設定は、進行状況ログに記録されます。たとえば、ストアに収まらない大きなファイルがある場合、<strong>ScanState</strong> コマンドはエラーをログに記録して、移行処理を続けます。さらに、ファイルが開いていたり、アプリケーションによって使われていたりした場合、USMT はファイルを移行できないことがあり、エラーをログに記録します。<strong>/c</strong> オプションを付けないと、<strong>ScanState</strong> コマンドは最初のエラーで終了します。</p>
          <p>Config.xml ファイルの新しい <strong>&lt;ErrorControl&gt;</strong> セクションを使って、ファイルやレジストリの読み取り/書き込みエラーのうち無視しても問題ないものと、移行の失敗の原因となる可能性のあるエラーを指定できます。これにより、<strong>/c</strong> コマンド ライン オプションで、環境のすべての入出力 (I/O) エラーを問題なくスキップできるようになります。さらに、<strong>/genconfig</strong> オプションを使うと、<strong>&lt;ErrorControl&gt;</strong> セクションのサンプルが生成されるようになりました。このサンプルを有効にするには、Config.xml ファイル内でエラー メッセージと目的の動作を指定します。</p>
        </td>
      </tr>
      <tr>
        <td colspan="1">
          <p>
            <strong>/r:</strong>
            <em>&lt;再試行回数&gt;</em>
          </p>
        </td>
        <td colspan="2">
          <p>
            <strong>(再試行)</strong>
          </p>
          <p>ユーザー状態をサーバーに保存しているときにエラーが発生した場合の再試行回数を指定します。既定値は 3 回です。このオプションは、ネットワーク接続の信頼性が高くない環境で役立ちます。</p>
          <p>ユーザーの状態を保存する場合、<strong>/r</strong> オプションでは、不具合やネットワーク ケーブルが接続されていないなどのネットワーク ハードウェア障害や、仮想プライベート ネットワーク (VPN) 接続の失敗のために失われたデータを回復できません。再試行オプションは、接続に問題はないものの、通信の待ち時間が問題である大規模で混雑したネットワークを対象としています。</p>
        </td>
      </tr>
      <tr>
        <td colspan="1">
          <p>
            <strong>/w:</strong>
            <em>&lt;再試行までの秒数&gt;</em>
          </p>
        </td>
        <td colspan="2">
          <p>
            <strong>(待機)</strong>
          </p>
          <p>ネットワーク ファイル操作を再試行するまでの待機時間を秒単位で指定します。既定値は 1 秒です。</p>
        </td>
      </tr>
      <tr>
        <td>
          <p>
            <strong>/p:</strong>
            <em>&lt;ファイルのパス&gt;</em>
          </p>
        </td>
        <td>
          <p>
            <strong>ScanState</strong> コマンドを実行すると、指定したパスに .xml ファイルが作成されます。この .xml ファイルには、移行ストアについての精度の高い領域の予測が含まれます。次の例に、この .xml ファイルの作成方法を示します。</p>
          <p>
            <code>Scanstate.exe C:\MigrationLocation [additional parameters]</code>
          </p>
          <p>
            <code>/p:"C:\MigrationStoreSize.xml"</code>
          </p>
          <p>詳しくは、「<a runat="server" href="hh825132(v=win.10).md">移行ストアのサイズの見積もり</a>」をご覧ください。</p>
          <p>お持ちのアプリケーションやスクリプトの機能で以前の USMT の機能を使う必要がある場合は、USMT で <em>"ファイルのパス"</em> を指定せずに <strong>/p</strong> オプションを使います。<strong>/p</strong> オプションのみを指定すると、USMT 3.x リリースと同じように、保存領域の予測が作成されます。</p>
        </td>
      </tr>
      <tr>
        <td colspan="1">
          <p>
            <strong>/?</strong> または <strong>/help</strong></p>
        </td>
        <td colspan="2">
          <p>コマンド ラインにヘルプを表示します。</p>
        </td>
      </tr>
    </table>

ユーザー オプション

既定では、すべてのユーザーが移行の対象になります。移行対象に含めるユーザーと移行対象から除外するユーザーを指定する唯一の方法は、次のオプションを使うことです。移行 .xml ファイルや Config.xml ファイルでユーザーを除外することはできまん。詳しくは、「ユーザーを識別する」と「ユーザー アカウントの移行」をご覧ください。

コマンド ライン オプション 説明

/all

コンピューター上のすべてのユーザーを移行します。

/ue オプションか /uel オプションでアカウントを個別に除外しない限り、USMT はコンピューター上のすべてのユーザー アカウントを移行します。このため、コマンド ラインでこのオプションを指定する必要はありません。ただし、/all オプションを指定した場合、/ui オプション、/ue オプション、/uel オプションを一緒に使うことはできません。

/ui: <ドメイン名>\<ユーザー名>

または

/ui: <コンピューター名>\<ローカル ユーザー名>

(対象にするユーザー)

指定されたユーザーを移行します。既定では、すべてのユーザーが移行の対象になります。したがって、このオプションは、/ue オプションか /uel オプションと一緒に使う場合にのみ役立ちます。複数の /ui オプションを指定することはできますが、/ui オプションを /all オプションと一緒に使うことはできません。ドメイン名ユーザー名には、アスタリスク (*) のワイルドカード文字を含めることができます。スペースを含むユーザー名を指定する場合は、引用符で囲む必要があります。

noteメモ
/ui オプションでユーザーを対象として指定すると同時に、/ue オプションまたは /uel オプションでそのユーザーを除外した場合、そのユーザーは移行の対象になります。

例:

  • Fabrikam ドメインの User2 のみを対象に含めるには、次のように入力します。

    /ue:*\* /ui:fabrikam\user2

  • Fabrikam ドメインのすべてのユーザーと、過去 30 日以内にアクティブ化または変更されたその他のドメインのユーザー アカウントのみを移行する場合は、次のように入力します。

    /uel:30 /ui:fabrikam\*

    この例では、2 か月前に最後に変更された Contoso ドメインのユーザー アカウントは移行されません。

他の例については、この表の /ue オプションと /ui オプションの説明をご覧ください。

/uel: <日数>

または

/uel: <YYYY/MM/DD>

または

/uel:0

(最後のログオンに基づいてユーザーを除外)

移行元コンピューターの Ntuser.dat ファイルの最終変更日時の日付に基づいて、指定された期間に移行元コンピューターにログオンしたユーザーを移行します。/uel オプションは、対象に含めるための規則として機能します。たとえば、/uel:30 オプションは、ScanState コマンドが実行された日から 30 日以内にログオンしたユーザーか、アカウントが変更されたユーザーを移行します。

日数を指定することも、日付を指定することもできます。このオプションを /all オプションと一緒に使うことはできません。USMT はローカル コンピューターから最後のログオン情報を取得するため、このオプションを実行するときに、コンピューターをネットワークに接続する必要はありません。さらに、ドメイン ユーザーが別のコンピューターにログオンしている場合、そのログオン インスタンスは USMT で認識されません。

noteメモ
/uel オプションは、オフライン移行では使えません。

  • /uel:0 は現在ログオンしているユーザーを移行します。

  • /uel:90 は、過去 90 日以内にログオンしたか、アカウントが変更されたユーザーを移行します。

  • /uel:1 は、過去 24 時間以内にアカウントが変更されたユーザーを移行します。

  • /uel:2002/1/15 は、2002 年 1 月 15 日以降にログオンしたことがあるか、変更されたユーザーを移行します。

例:

scanstate /i:migapp.xml /i:migdocs.xml \\server\share\migration\mystore /uel:0

/ue: <ドメイン名>\<ユーザー名>

または

/ue: <コンピューター名>\<ローカル ユーザー名>

(ユーザーを除外)

指定されたユーザーを移行対象から除外します。複数の /ue オプションを指定できます。このオプションを /all オプションと一緒に使うことはできません。<ドメイン名><ユーザー名> には、アスタリスク (*) のワイルドカード文字を含めることができます。スペースを含むユーザー名を指定する場合は、引用符で囲む必要があります。

例:

scanstate /i:migdocs.xml /i:migapp.xml \\server\share\migration\mystore /ue:contoso\user1

/ui と /ue の使い方

次の例は、/ui オプションと /ue オプションの両方に当てはまります。/ue オプションを /ui オプションに置き換えると、指定したユーザーを除外するのではなく、対象に含めることができます。

動作 コマンド

Fabrikam ドメインの User One という名前のユーザーを除外します。

/ue:"fabrikam\user one"

Fabrikam ドメインの User1 という名前のユーザーを除外します。

/ue:fabrikam\user1

User1 という名前のローカル ユーザーを除外します。

/ue:%computername%\user1

すべてのドメイン ユーザーを除外します。

/ue:Domain\*

すべてのローカル ユーザーを除外します。

/ue:%computername%\*

すべてのドメインの User1、User2 などの連続した名前のユーザーを除外します。

/ue:*\user*

オプションの併用

/uel オプション、/ue オプション、/ui オプションを一緒に使って、目的のユーザーだけを移行できます。

/ui オプションは /ue オプションと /uel オプションよりも優先されます。 /ui オプションで対象として指定されていると同時に、/ue オプションか /uel オプションで除外されているユーザーは、移行の対象になります。たとえば /ui:contoso\* /ue:contoso\user1 を指定した場合、/ui オプションは /ue オプションよりも優先されるため、User1 は移行されます。

/uel オプションは /ue オプションよりも優先されます。 /uel オプションで設定された指定期間内にユーザーがログオンしていた場合、そのユーザーのプロファイルは、/ue オプションで除外されていても移行されます。たとえば、/ue:fixed\user1 /uel:14 を指定すると、User1 が過去 14 日以内にコンピューターにログオンしていた場合、User1 は移行されます。

動作 コマンド

Fabrikam ドメインから User2 のみを対象とし、その他すべてのユーザーを除外します。

/ue:*\* /ui:fabrikam\user2

User1 という名前のローカル ユーザーのみを対象とし、その他すべてのユーザーを除外します。

/ue:*\* /ui:user1

Contoso\User1 を除く、Contoso のドメイン ユーザーのみを対象にします。

この動作は、1 つのコマンドだけでは完了できません。このユーザーのセットを移行するには、次のように指定する必要があります。

  • ScanState コマンド ラインで次のように入力します: /ue:*\* /ui:contoso\*

  • LoadState コマンド ラインで次のように入力します: /ue:contoso\user1

ローカル (ドメイン以外の) ユーザーのみを対象にします。

/ue:*\* /ui:%computername%\*

暗号化ファイル オプション

次のオプションを使って暗号化ファイルを移行できます。どの場合でも、/efs オプションを指定しないと、暗号化ファイルが見つかった場合に USMT は既定で停止します。暗号化ファイルを移行するには、既定の動作を変更する必要があります。

詳しくは、「EFS ファイルと EFS 証明書の移行」をご覧ください。

注意

Windows Vista、Windows 7、または Windows 8 に移行する場合、EFS 証明書は自動的に移行されます。そのため、暗号化ファイルを移行するには、ScanState コマンドで /efs:copyraw オプションを指定する必要があります。

注意

暗号化ファイルを移行する場合は注意してください。証明書を移行せずに暗号化ファイルだけを移行すると、移行後にエンド ユーザーはそのファイルにアクセスできなくなります。

コマンド ライン オプション 説明

/efs:hardlink

EFS ファイルをコピーする代わりに、EFS ファイルへのハード リンクを作成します。同時に指定できるのは、/hardlink オプションと /nocompress オプションだけです。

/efs:abort

移行元コンピューターで暗号化ファイル システム (EFS) ファイルが見つかった場合、ScanState コマンドはエラー コードを伴って失敗します。既定で有効になっています。

/efs:skip

ScanState コマンドで EFS ファイルを無視するようにします。

/efs:decryptcopy

ScanState コマンドで、ファイルを移行ストアに保存する前に、ファイルの暗号化の解除を試みるようにします。ファイルの暗号化を解除できない場合、このコマンドは失敗します。ScanState コマンドが成功すると、移行ストアのファイルの暗号化が解除されます。LoadState コマンドを実行すると、ファイルが移行先コンピューターにコピーされます。

/efs:copyraw

ScanState コマンドで、ファイルを暗号化形式でコピーします。ファイルは、EFS 証明書が移行されるまでは移行先コンピューターでアクセスできなくなります。EFS 証明書は自動的に移行されます。ただし、/efs オプションを指定していないと、暗号化ファイルが見つかった場合に、既定で USMT が停止します。そのため、暗号化ファイルを移行するには、ScanState コマンドで /efs:copyraw オプションを指定する必要があります。次に、LoadState コマンドを実行すると、暗号化ファイルと EFS 証明書が自動的に移行されます。

例:

ScanState /i:migdocs.xml /i:migapp.xml \\server\share\migration\mystore /efs:copyraw

> [!IMPORTANT] > 親フォルダーが暗号化されている場合、すべてのファイルを暗号化する必要があります。暗号化されたフォルダー内のファイルの暗号化属性が削除されている場合、そのファイルは、LoadState ツールの実行に使われているアカウントの資格情報を使って移行時に暗号化されます。詳しくは、「EFS ファイルと EFS 証明書の移行」をご覧ください。 >

互換性のないコマンド ライン オプション

次の表に、ScanState コマンドと互換性のないコマンド ライン オプションを示します。この表で特定の組み合わせのエントリが空白の場合、それらのオプションには互換性があり、一緒に使うことができます。X 記号は、それらのオプションに互換性がないことを示します。たとえば、/nocompress オプションと /encrypt オプションを一緒に使うことはできません。

コマンド ライン オプション /keyfile /nocompress /genconfig /all

/i

/o

/v

/nocompress

X

なし

/localonly

X

/key

X

X

/encrypt

必須*

X

X

/keyfile

なし

X

/l

/progress

X

/r

X

/w

X

/c

X

/p

X

なし

/all

X

/ui

X

X

/ue

X

X

/uel

X

X

/efs:<オプション>

X

/genconfig

なし

/config

X

<ストアのパス>

X

注意

/encrypt オプションは、/key オプションまたは /keyfile オプションと一緒に指定する必要があります。

関連項目

他のリソース

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