よく寄せられる質問
以下のセクションでは、ユーザー状態移行ツール (USMT) 5.0 を使った移行に関してよく寄せられる質問と、お勧めの解決策について説明します。
全般
移行先コンピューターにはどれくらいの容量が必要ですか。
移行先コンピューターには、次のものを格納できるだけの容量が必要です。
オペレーティング システム
アプリケーション
非圧縮のストア
移行先コンピューターにファイルと設定を直接格納することはできますか。サーバーが必要でしょうか。
ファイルをサーバーに保存する必要はありません。ユーザー状態を新しいコンピューターに移動する場合、USB フラッシュ ドライブ (UFD) などのリムーバブル メディアや共有フォルダーにストアを作成できます。また、次の手順を実行して、移行先コンピューターにユーザー状態を直接格納することもできます。
移行先コンピューターに、ディレクトリ C:\store を作成し、共有として設定します。
移行元コンピューターで ScanState ツールを実行し、ファイルと設定を \\DestinationComputerName\store に保存します。
移行先コンピューターで LoadState ツールを実行し、ストアの場所として C:\store を指定します。
言語が異なるオペレーティング システム間でデータを移行できますか。
できません。USMT では、言語が異なるオペレーティング システム間でのデータの移行はサポートされません。移行元コンピューターのオペレーティング システムの言語と、移行先コンピューターのオペレーティング システムの言語が同じであることが必要です。
移行先コンピューターの一時ディレクトリの場所を変更できますか。
できます。環境変数 USMT_WORKING_DIR を変更して、別の一時ディレクトリを指定することができます。必要に応じて、オフラインでの移行を実行するケースがあります。たとえば、USMT バイナリが読み取り専用の Windows PE ブート メディアに置かれている場合などです。
USMT をインストールするにはどうすればいいですか。
USMT は Windows アセスメント & デプロイメント キット (Windows ADK) に含まれているので、環境内の少なくとも 1 台のコンピューターに Windows ADK パッケージをインストールする必要があります。ただし、USMT バイナリは xcopy を使って展開するように設計されています。つまり、Windows ADK を含むコンピューターの USMT ディレクトリを、それぞれのクライアント コンピューターに直接コピーすることを繰り返すだけで、インストールすることができます。
USMT をアンインストールするにはどうすればいいですか。
コンピューターに Windows ADK がインストールされている場合は、Windows ADK をアンインストールすると USMT がアンインストールされます。Windows ADK がインストールされていないクライアント コンピューターの場合は、単純に USMT ディレクトリを削除するだけで USMT をアンインストールできます。
ファイルと設定
フォルダーや特定の種類のファイルを移行させないようにすることはできますか。
<unconditionalExclude> 要素を使って、グローバルにデータを移行から除外することができます。たとえば、この要素を使って、コンピューター上の MP3 ファイルをすべて除外したり、C:\UserData のファイルをすべて除外したりできます。この要素を使うと、.xml ファイルで指定されている <include> 規則に関係なく、オブジェクトが除外されます。例については、「ファイルと設定の除外」の <unconditionalExclude> に関する説明をご覧ください。この要素の構文については、「XML 要素ライブラリ」をご覧ください。
移行先コンピューターに存在しないドライブに置かれていたファイルはどうなりますか。
USMT では、そのようなファイルが %SystemDrive% に移行され、正しいフォルダー階層が維持されます。たとえば、移行元コンピューターに E:\data\File.pst があり、移行先コンピューターに E:\ ドライブがない場合は、ファイルは C:\data\File.pst に移行されます (システム ドライブが C:\ の場合)。<locationModify> 規則を使って、移行先コンピューターに存在しないドライブにデータを移動しようとしても、同じ動作が実行されます。
USMT .xml ファイル
USMT .xml ファイルのサンプルはどこで入手できますか。
次のトピックで、USMT .xml ファイルのサンプルを紹介しています。
USMT 3.0 用に作成されたカスタム .xml ファイルを使うことはできますか。
できます。Windows(R) 8 用の USMT を使って、USMT 3.0 用に作られたカスタム .xml ファイルを使うことができます。ただし、新しい USMT 機能を使うには、カスタム USMT ファイルを見直して、新しいコマンド ライン オプションと XML 要素で更新する必要があります。
.xml ファイルはどのようにして検証できますか。
移行 .xml ファイルの作成と検証には、USMT XML スキーマ (MigXML.xsd) を使うことができます。
ScanState コマンドと LoadState コマンドの両方を使って .xml ファイルを指定する必要があるのはなぜですか。
従来のバージョンの USMT と異なり、.xml ファイルはストアにコピーされません。ScanState ツールと LoadState ツールは、移行を制御するために .xml ファイルを必要とするため、ScanState と LoadState の両方のコマンドに同じ .xml ファイル一式を指定する必要があります。ScanState ツールで、"/auto" オプションか "/i" オプション (個々に指定する場合に使用) で呼び出した特定の mig*.xml ファイルのセットを使った場合は、LoadState ツールでも同じオプションを使って同じ mig*.xml ファイルを呼び出す必要があります。ただし、ストアに移行したファイルや設定の一部を除外する必要がない限り、Config.xml ファイルを指定する必要はありません。たとえば、マイ ドキュメント フォルダーをストアには移行するが、対象コンピューターには移行しないということもできます。このような場合は、Config.xml ファイルに変更を加えたうえで、LoadState コマンドにこの変更後のファイルを指定します。これで自分の意図したファイルと設定だけが、LoadState コマンドによって移行されます。
LoadState コマンドで特定の .xml ファイルを指定しなかった場合、その .xml ファイルを使って移行されたストア内のすべてのデータが移行されます。ただし、ScanState コマンドに指定された移行規則は適用されません。たとえば、指定しなかった MigApp.xml ファイルに MigsysHelperFunction.RelativeMove("c:\data", "%CSIDL_PERSONAL%")
という出力先変更規則が存在していた場合、USMT によってファイルの出力先が変更されることはありません。そのファイルは C:\data に移行されます。
コマンド ラインで変更したり指定したりできるファイルはどれですか。
MigUser.xml ファイルと MigApp.xml ファイルは、コマンド ラインで指定することができます。どちらのファイルも変更を加えることができます。オペレーティング システム設定の移行はマニフェストによって制御されますが、このマニフェストを変更することはできません。オペレーティング システムの設定など、特定のコンポーネントを除外するには、Config.xml ファイルを作成して変更する必要があります。
コマンド ラインで .xml ファイルを指定しなかった場合、どうなりますか。
ScanState
ファイルを指定せずに ScanState コマンドを実行した場合、すべてのユーザー アカウントと既定のオペレーティング システム コンポーネントが移行されます。
LoadState
ファイルを指定せずに LoadState コマンドを実行した場合、ストア内のすべてのデータが移行されます。ただし、.xml ファイルで ScanState コマンドを使って指定された移行先固有の移行規則は適用されません。たとえば、指定しなかった MigApp.xml ファイルに
MigsysHelperFunction.RelativeMove("c:\data", "%CSIDL_PERSONAL%")
という出力先変更規則が存在していた場合、USMT によってファイルの出力先が変更されることはありません。そのファイルは C:\data に移行されます。
競合と優先度
移行先コンピューターに競合する XML 規則または競合するオブジェクトが存在する場合、どうなりますか。
詳しくは、「競合と優先度」をご覧ください。
関連項目
他のリソース
ユーザー状態移行ツール (User State Migration Tool) のトラブルシューティング
圧縮された USMT 移行ストアからのファイルの抽出
圧縮移行ストアの状態を検証する