• [アーティクル]

Office 2010 のカスタマイズの概要

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

ここでは、Microsoft Office 2010 のカスタマイズ ツールとカスタマイズ方法の概要について説明します。Office 2010 のインストールをカスタマイズする場合、管理者は Office カスタマイズ ツール (OCT)、Config.xml ファイル、またはセットアップ コマンドライン オプションを使用できます。

ユーザーとコンピューターの設定を構成する場合、管理者は、ビジネス要件に応じて OCT またはグループ ポリシーのどちらかを使用します。管理者は、OCT を使用して初期既定値を指定できます。ただし、ユーザーは Office のインストール後にセットアップを変更できます。セットアップを適用するには、管理者はグループ ポリシーを使用する必要があります。詳細については、「ユーザーとコンピューターの設定を構成する」を参照してくさい。

この記事の内容

  • カスタマイズ方法の概要

  • Office カスタマイズ ツール

  • Config.xml ファイル

  • セットアップ コマンドライン オプション

  • ユーザーとコンピューターの設定を構成する

  • Office 2010 のライセンスとライセンス認証

  • クライアント カスタマイズ作業の概要

カスタマイズ方法の概要

次の表では、Office 2010 クライアントのカスタマイズ方法の概要を示し、それぞれの方法での推奨シナリオについて説明します。

ツールまたは方法 シナリオ 結果

Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用してセットアップ カスタマイズ (.msp) ファイルを作成する

OCT は大部分のカスタマイズについて推奨されるツールです。これには次のカスタマイズ作業が含まれます。

  • ボリューム ライセンス認証キーを入力し、マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意する。

  • ユーザー インターフェイスの表示レベルを構成する。

  • 機能とユーザー設定をカスタマイズする。

  • 既定の Microsoft Outlook 2010 プロファイルおよび Outlook 2013 と Microsoft Exchange Server 2010 のオプションをカスタマイズする。

詳細については、「Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

セットアップによって、このカスタマイズ .msp ファイルが適用されるすべてのコンピューター上に既定の構成がインストールされます。ユーザーはインストール後に大部分の設定を変更できます。

Config.xml ファイルを編集する

Config.xml ファイルでは、OCT で構成できるオプションの大部分を構成でき、OCT で使用できないオプションもいくつか構成できます。次のオプションは Config.xml ファイルでのみ構成できます。

  • ネットワーク インストール ポイントへのパスを指定する。

  • インストールする製品を選択する。

  • ログ記録オプションを構成する。

  • セットアップ カスタマイズ .msp ファイルおよびソフトウェア更新プログラムの場所を指定する。

  • インストールまたは削除する言語を指定する。

  • ユーザー名などのインストール情報を指定する。

  • Office 2010 をインストールせずにローカル インストール ソースをユーザーのコンピューターにコピーする。

詳細については、「Config.xml ファイル」を参照してください。

セットアップによって、この Config.xml ファイルでインストールされるすべてのコンピューター上に指定の製品と言語がインストールされます。Config.xml ファイルで指定した設定は、セットアップ カスタマイズ .msp ファイル内の重複する設定に優先します。

セットアップのコマンド ライン オプションを使用する

セットアップのコマンド ライン オプションは、次のカスタマイズについてのみ使用できます。

  • OCT を実行してセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを作成する。

  • 特定のセットアップ カスタマイズ ファイルへのパスまたは Office 2010 カスタマイズ ファイルを格納するフォルダーへのパスを指定する。

  • インストール時にセットアップによって使用される Config.xml ファイルを指定する。

  • 既存のインストールを変更する。

  • 製品を修復する。

  • 製品をアンインストールする。

詳細については、「セットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。

セットアップによって、最初に Office 2010 をインストールするとき、またはメンテナンス モードで実行するときにカスタマイズが適用されます。

コマンド ラインで Windows インストーラーのプロパティを設定することはできません。

グループ ポリシー オブジェクト エディター Microsoft 管理コンソール (MMC) スナップインを使用してポリシー設定を指定する

ユーザーとコンピューターの設定に適用する、制限の厳しい構成や管理がゆるやかな構成を作成するために使用します。

詳細については、「グループ ポリシーを使用してユーザーとコンピューターの設定を構成する」を参照してください。

管理者がグループ ポリシーを使用して構成を 1 回定義すると、以降はオペレーティング システムによってその状態が適用されます。

コンピューターのグループ ポリシーはコンピューターの起動時に適用され、ユーザーのグループ ポリシーはユーザーのログオン時に適用されます。また、グループ ポリシーは、その後もバックグラウンドで定期的に適用されます。

Office カスタマイズ ツール

Office カスタマイズ ツール (OCT) は、セットアップ プログラムの一部になっており、ほとんどのカスタマイズに使用される主要ツールです。OCT は、セットアップ カスタマイズ (.msp) ファイルにカスタマイズを保存し、セットアップ時またはメンテナンス モードの操作中のどちらかに適用されます。ネットワーク インストール ポイントを作成後、Office 2010 をインストールする前に、OCT を使用してインストールをカスタマイズします。OCT を起動するには、[スタート]、[ファイル名を指定して実行] の順にクリックし、Office 2010 ソース ファイルを含むネットワーク インストール ポイントのルートを選択して、コマンド プロンプトで setup.exe /admin と入力します。たとえば、\\server\share\Office14ProPlus\setup.exe /admin のように入力します。

Office 2010 では、2 種類のアーキテクチャ別の OCT を使用できます。1 つは 32 ビット版 Office 2010、もう 1 つは 64 ビット版 Office 2010 です。64 ビット版の OCT は、Office 2010 の 64 ビット版クライアント エディションをサポートし、32 ビット版の OCT と同じユーザー インターフェイス、機能、および構成可能な設定を備えています。同じコマンドを使用して、32 ビット版または 64 ビット版の OCT を実行します。たとえば、32 ビット版 OCT を実行するには、次の例に示すように、x86 (32 ビット) フォルダーから setup.exe /admin コマンド ラインを実行します。\\server\share\Office14\x86\setup.exe /admin。64 ビット版 OCT を実行するには、x64 (64 ビット) フォルダーから setup.exe /admin コマンド ラインを実行します。64 ビット版 Office 2010 の詳細については、「64 ビット版の Office 2010」を参照してください。

管理者は、OCT を使用して次の領域をカスタマイズできます。

  • セットアップ   既定のインストール場所と既定の組織名、追加のネットワーク インストール ソース、プロダクト キー、使用許諾契約、表示レベル、表示レベル、以前のバージョンの Office の削除、インストール中に実行するカスタム プログラム、セキュリティ設定、およびセットアップ プロパティの指定に使用します。

  • 機能   ユーザー設定の構成、および Office 機能のインストール方法のカスタマイズに使用します。

  • 追加内容   ファイルおよびレジストリ エントリの追加や削除、およびショートカットの構成に使用します。

  • Outlook   ユーザーの既定の Outlook プロファイルのカスタマイズ、Exchange 設定の指定、アカウントの追加、アカウントの削除と設定のエクスポート、および送受信グループの指定に使用します。

OCT を使用する方法の詳細については、次のリソースを参照してください。

管理者は、Config.xml ファイルを使用していくつかのインストール オプションを構成することもできます。

Config.xml ファイル

Config.xml ファイルは、インストール オプションを指定するために使用され、セットアップ時にのみ実行されます。Config.xml ファイルを使用すると、OCT で構成できるオプションの大部分を構成でき、OCT で使用できないオプションもいくつか構成できます。Config.xml はユーザーのコンピューターにインストールされることもキャッシュされることもありません。製品のコア フォルダー (<製品のコア フォルダー名>.WW フォルダー。例: Microsoft Office Professional Plus 2010 なら ProPlus.WW) に格納されている Config.xml ファイルによって、その製品のインストールがセットアップに指示されます。ネットワーク インストール ポイントに複数の Office 2010 製品が含まれている場合、Setup.exe を実行して、インストールする Office 2010 製品のパスを指定するときに /config コマンドライン オプションを使用できます。このコマンドを実行する場合、どの製品をインストールするかについての確認は行われません。セットアップ コマンドの詳細については、「Office 2010 のセットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。

OCT セットアップ カスタマイズ (.msp) ファイルと Config.xml ファイルの両方を使用してインストールをカスタマイズする場合は、Config.xml ファイルで指定した設定が、セットアップ カスタマイズ ファイルより優先されます。「Office 2010 の Config.xml ファイル」の記事では、インストール オプションについて詳細に説明し、ある設定に対応する OCT 設定があるかどうかを示しています。

Config.xml ファイルを使用して、機能の追加と削除、修復とアンインストールなどのメンテナンス操作を行うこともできます。そのためには、元のソースからセットアップを再実行する必要があります。

次のカスタマイズは Config.xml ファイルでのみ実行できます。

  • ネットワーク インストール ポイントへのパスを指定する。

  • インストールする製品を選択する。

  • ログ記録、セットアップ カスタマイズ ファイルおよびソフトウェア更新プログラムの場所など、セットアップ オプションをカスタマイズする。

  • ユーザー名などのインストール オプションを指定する。

  • Office をインストールせずにローカル インストール ソース (LIS) をユーザーのコンピューターにコピーする。

  • インストールする言語を追加または削除する。

セットアップのコマンド ライン オプション

管理者は、Setup.exe のコマンド ライン オプションを使用して、次のタスクを実行することもできます。

  • OCT を実行して、セットアップ カスタマイズ (.msp) ファイルを作成します。

  • 特定のセットアップ カスタマイズ ファイルへのパスまたは Office 2010 カスタマイズ ファイルを格納するフォルダーへのパスを指定する。

  • インストール時にセットアップが使用する Config.xml ファイルを指定します。

  • セットアップをメンテナンス モードで実行し、既存の Office インストールに変更を加えます。

  • セットアップを実行し、ユーザーのコンピューターにある指定された製品を修復します。

  • セットアップを実行し、ユーザーのコンピューターから指定された製品を削除します。

セットアップをサポートするコマンドを下表に示します。

コマンド 説明

/admin

OCT を実行して、セットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成または変更します。

/adminfile [path]

指定したセットアップ カスタマイズ ファイルをインストールに適用し、初期インストールでのみ使用できるようにします。特定のカスタマイズ ファイル (.msp ファイル) のパスまたはカスタマイズ ファイルを格納するフォルダーのパスを指定できます。

/config [path]

インストール時にセットアップによって使用される Config.xml ファイルを指定します。既定では、コア製品フォルダーに格納されている Config.xml ファイルが、その製品をインストールするようセットアップに指示します。たとえば、Pro.WW フォルダーの Config.xml ファイルによって Office Professional Plus 2010 がインストールされます。

/modify [ProductID]

メンテナンス モードでセットアップを実行し、既存の Office インストールに変更を加えるために、変更された Config.xml ファイルと共に使用されます。たとえば、/modify オプションを使用して、機能を追加または削除できます。変更する製品について、Setup.xml ファイルの [ProductID] の値を検索します。

/repair [ProductID]

セットアップを実行し、ユーザーのコンピューターの指定された製品を修復します。変更する製品について、Setup.xml ファイルの [ProductID] の値を検索します。

/uninstall [ProductID]

セットアップを実行して、指定した製品をユーザーのコンピューターから削除します。変更する製品について、Setup.xml ファイルの [ProductID] の値を検索します。

セットアップ コマンドの詳細については、「Office 2010 のセットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。

ユーザーとコンピューターの設定を構成する

前述のとおり、管理者がユーザー設定を適用する必要があるかどうか、またはインストール後、ユーザーが設定を変更できるようにするかどうかに応じて、管理者はグループ ポリシーと OCT のどちらかを使用します。Office のループ ポリシーと OCT の大多数はユーザー設定です。Office ポリシー設定のほとんどに、対応する OCT 設定があります。

グループ ポリシーと OCT は、次の Office アプリケーションに対するユーザーとコンピューターの設定を構成するために使用できます。

  • Microsoft Access 2010

  • Microsoft Excel 2010

  • Microsoft InfoPath 2010

  • Microsoft Office 2010 システム

  • Microsoft OneNote 2010

  • Microsoft Outlook 2010

  • Microsoft PowerPoint 2010

  • Microsoft Project 2010

  • Microsoft Publisher 2010

  • Microsoft SharePoint Designer 2010

  • Microsoft SharePoint Workspace 2010

  • Microsoft Visio 2010

  • Microsoft Word 2010

グループ ポリシーを使用してユーザーとコンピューターの設定を構成する

グループ ポリシーは、管理者がユーザーおよびコンピューター用の特定のコンピューティング構成を実装するために使用できるインフラストラクチャです。ポリシー設定は、Active Directory フォレストのスコープ内にあるメンバー サーバーおよびドメイン コントローラーにも適用されます。管理者がグループ ポリシーを使用して構成を 1 回定義すると、以降はオペレーティング システムによってその状態が適用されます。

グループ ポリシー設定はグループ ポリシー オブジェクト (GPO) 内に格納され、選択された Active Directory ドメイン サービス (AD DS) コンテナー、つまりサイト、ドメイン、または組織単位 (OU) にリンクされます。GPO 内の設定は、影響を受けるターゲットにより、AD DS 階層コンテナー構造を使用して評価されます。

グループ ポリシーのインフラストラクチャは、グループ ポリシー エンジンと、いくつかの個別拡張機能で構成されています。これらの拡張機能を使用して、管理用テンプレート拡張機能でレジストリを変更することで、またはセキュリティ設定、ソフトウェア インストール、フォルダーのリダイレクト、Internet Explorer メンテナンス、ワイヤレス ネットワーク設定などの、グループ ポリシーの設定を構成することで、グループ ポリシーの設定の構成に使用されます。Office ポリシー設定は、管理用テンプレート (.adm または .admx および .adml) ファイルに含まれています。

ユーザーとコンピューターの Office 設定構成を指示するには、管理者はグループ ポリシーを使用し、オペレーティング システムはこれらのポリシー設定を適用します。たとえば、グループ ポリシーを使用して、セキュリティ設定を指示し、電子メールとデスクトップ上のドキュメントをターゲットにする攻撃に対抗できます。Active Directory ベースの環境では、管理者は、サイト、ドメイン、または GPO がリンクされている OU 内のユーザーとコンピューターのグループにポリシー設定を適用します。真のポリシー設定は、ポリシーの承認済みレジストリ キーの場所に書き込まれ、これらの設定には、管理者以外のユーザーによる変更を防ぐアクセス制御リスト (ACL) 制限が設定されます。管理者は、グループ ポリシーを使用して、特定のビジネス要件とセキュリティ要件に応じて、厳しく制限されたり、管理が緩やかなデスクトップ構成を作成したりします。グループ ポリシー設定は OCT 設定よりも優先されます。

グループ ポリシー設定の承認済みレジストリ キーの場所を下表に示します。ユーザーは、これらの設定を変更したり無効にしたりできません。

コンピューター ポリシーの設定の場合 ユーザー ポリシーの設定の場合

HKLM\Software\Policies (推奨される場所)

HKCU\Software\Policies (推奨される場所)

HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies

HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies

Office 2010 の場合、ユーザー固有のポリシー設定は、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\14.0 サブキーに格納されます。コンピューター固有のポリシーは、HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Office\14.0 サブキーに格納されます。既定では、どちらのポリシー サブキーもロックされて、ユーザーは変更できません。

グループ ポリシー設定は、次の 3 つの状態のいずれかに設定できます。

  • [未構成]   ポリシー設定は適用されていません。

  • [有効]   ポリシー設定は有効です。一部のポリシー設定では、[プロパティ] ページに追加の設定が表示されます。これらの設定により、ポリシー設定を適用した際の動作が決まります。

  • [無効]   大部分のポリシー設定では、[無効] 状態では [有効] 状態とは反対の動作が適用されます。たとえば、[有効] により機能の状態がオフになる場合、[無効] にすると機能の状態はオンになります。

    グループ ポリシーの使用に関する詳細については、「Office 2010 でグループ ポリシーを使用して設定を適用する」を参照してください。

Office カスタマイズ ツールを使用してユーザーとコンピューターの設定を構成する

ユーザーとコンピューターに対する Office アプリケーション設定の初期既定値を指定する場合、管理者は、OCT を使用してセットアップ カスタマイズ .msp ファイルに設定を指定します。ユーザーはインストール後に大部分の設定を変更できます。これは、ユーザー設定では HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0、コンピューター設定では HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\14.0 など、一般に公開されているレジストリの部分を使用して OCT が設定を構成しているからです。

OCT 設定は、次のいずれかに設定できます。

  • [未構成]   設定値をそのまま残します。

  • [有効]   設定の [プロパティ] ページでの選択項目に従って設定が変更されます。

  • [無効]   設定を無効にします。オプションを無効にした場合とオプションを構成しない場合では、動作が異なる場合があります。詳細については、特定のオプションの説明を参照してください。

Office 2010 のライセンスとライセンス認証

マイクロソフトの方針では、Office 2010 クライアント ソフトウェアのすべてのエディションにライセンス認証を義務付けています。この方針は、ボリューム ライセンス プログラムを通じて取得された製品も対象としています。この要件は、物理コンピューターと仮想コンピューターの両方で実行される Office 2010 に適用されます。Office 2010 サーバー製品、具体的には、Microsoft SharePoint Server 2010 および Microsoft Project Server 2010、または Microsoft Exchange Server のすべてのバージョンでは、ライセンス認証の必要はありません。Office 2010 のライセンス認証方式では、Windows Vista および Windows Server 2008 ファミリで導入されたソフトウェア保護プラットフォームに基づいて Office ライセンス認証テクノロジが使用されます。

以下の方法を使用することで、Office ライセンス認証テクノロジを使用して Office 2010 をライセンス認証できます。これらは、Windows Vista 以降のバージョンの Windows で使用されているものと同じ方法です。

  • キー管理サービス (KMS)。KMS では、KMS ホスト キーを使用して KMS ホスト コンピューターをライセンス認証し、ユーザー環境内にローカルのライセンス認証サービスを確立します。Office 2010 は、ライセンス認証のためにローカルの KMS ホストに接続します。キー管理サービス (KMS) ライセンス認証を使用している Office 2010 企業展開では、プロダクト キーを入力する必要はありません。Office 2010 のボリューム ライセンス エディションには、すべて KMS クライアント キーがあらかじめインストールされているからです。ただし、管理者は KMS ホスト キーを使用して、ライセンス認証する KMS ホスト コンピューターを構成し、環境内にローカルのライセンス認証サービスを確立する必要があります。Office 2010 は、ライセンス認証のためにローカルの KMS ホストに接続します。ボリューム ライセンス クライアントでは、KMS が既定のオプションになります。

  • マルチ ライセンス認証キー (MAK)。MAK を使用する場合、クライアントでは、マイクロソフトがホストするライセンス認証サーバーまたは電話を使用して、オンラインで Office 2010 をライセンス認証します。MAK は、ポータブル コンピューターなど、長期間にわたって社内ネットワークに接続されないコンピューターがある組織に適しています。MAK 方式を使用する場合は、Office 2010 のボリューム ライセンス エディションで使用される既定の KMS クライアント キーの代わりに、MAK キーを使用して Office 2010 をインストールする必要があります。電話による MAK ライセンス認証は、今後、製品のリリース時 (RTM) にサポートされる予定です。

  • KMS と MAK を組み合わせた方法。

Office 2010 クライアントのライセンスとライセンス認証の詳細については、インストールをカスタマイズする前に、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証の概要」、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を計画する」、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証のクイック スタート ガイド」、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を展開する」、「Office 2010 でクライアント コンピューターを構成するためのツール」の各記事を参照してください。

クライアント カスタマイズ作業の概要

次の図は、Office 2010 クライアント インストールをカスタマイズするために実行するタスクの概要を示しています。他のソフトウェアの展開と同様、Office 2010 クライアントの展開でも、非運用環境でテストし、小規模なユーザーの集団でパイロット テストを実施してから、組織内のすべてのユーザーに展開することが必要です。

Office 2010 client customization flowchart

次のリソースには、Office 2010 クライアント インストールのカスタマイズ作業および計画に関する情報が記載されています。