Project Web App での懸案事項、リスク、およびドキュメントの管理

 

適用先: Project Server 2010

トピックの最終更新日: 2012-01-06

概要: この記事は、Microsoft Project Web App を使用して Microsoft Project Server 2010 データを操作する方法とプロジェクト管理関連のタスクを実行する方法について説明する、8 部で構成される一連の記事の 6 番目の記事です。

適用対象:  Project Server 2010 | Project Web App

この記事の内容

  • 懸案事項、リスク、およびドキュメント管理の概要

  • プロジェクト リスク

  • プロジェクト懸案事項

  • プロジェクト ドキュメント

懸案事項、リスク、およびドキュメント管理の概要

EPM Solution の便利な機能に、ソリューション ミックスに組み込まれているコンポーネントによって実現する、製品にネイティブなグループ作業機能があります。この機能は、Microsoft SharePoint Foundation を、チームでのグループ作業をより優れた方法で管理できるフレームワークとして使用することで大幅に強化されています。

リスク、懸案事項、ドキュメントなどのプロジェクト要素は、保存したり、プロジェクトまたはタスクにリンクおよび接続したりできます。Microsoft Project Professional 2010 環境へのプロジェクト計画の発行時に、プロジェクトに対してプロジェクト サイト (サブサイト) が自動的に作成されます。各サブサイトは、リスク、懸案事項、およびドキュメントをリンクできるように、独自のライブラリと共に作成されます。

Microsoft Project Server 2010 を使用するときに有効になるグループ作業機能を次に示します。

  • リスク   リスク管理では、プロジェクトの今後の計画に影響する可能性があるイベントおよび条件を、事前に特定および追跡します。リスクは重大度によって評価され、発生する可能性を示す推定値が割り当てられます。

  • 懸案事項   懸案事項を使用すると、プロジェクトで割り当てまたはタスクとして簡単には特定されない作業アイテムを追跡できます。プロジェクト マネージャー、リソース マネージャー、およびチーム リーダーは、懸案事項がプロジェクトに影響するかどうかを判断し、その懸案事項が大きな問題になる前に管理する戦略を特定できます。

  • ドキュメント   ドキュメント ライブラリは、チーム メンバーがドキュメントおよびその他のプロジェクト要素でグループ作業を行ったり、こうしたドキュメントや要素を他のチーム メンバーと共有したりする場所を提供します。

  • プロジェクト サイト   プロジェクト サイトは、Project Server データベースに保存されたプロジェクトごとに存在できます。プロジェクト サイトは、SharePoint Foundation の機能をプロジェクト チームが使用できるようにする Web サイトを各プロジェクトに提供することで、追加のグループ作業機能 (お知らせ、アラート、成果物、およびこれらをプロジェクト タスクにリンクする機能) を有効にします。

プロジェクト マネージャーとして、管理するプロジェクト サイトのグループ作業機能を把握および管理する方法を認識しておくことは重要です。

プロジェクト リスク

プロジェクトの結果に良い影響および悪い影響を及ぼす可能性があるイベントまたは条件がリスクです。プロジェクト管理を成功させるには、リスク管理がいろいろな意味で重要です。リスク管理では、プロジェクトの今後の計画に影響する可能性があるイベントおよび条件を、事前に特定および追跡します。リスクの特定は、懸案事項の追跡とは異なります。これは、プロジェクトの結果への実際の影響を追跡するのではなく、プロジェクトの結果に影響する可能性があるイベントまたは条件を特定するからです。リスクは現在の時間に存在でき、発生する可能性として最大 100 パーセントを指定できます。また、将来の時間にも存在できます。最大 100 パーセントの可能性が指定され、最終的にはこれがプロジェクトのライフサイクルの要因になります。

プロジェクト リスクは、プロジェクト サイトで提出および追跡できます。これにより、チーム メンバー間の通信の向上が実現します。また、懸案事項用の中央リポジトリも提供されます。リスクを評価するには、Microsoft Project Web App (PWA) を使用します。

プロジェクト リスクの追加

以下の手順を使用して、Project Web App でプロジェクト リスクを追加します。

プロジェクト リスクを追加するには

  1. [プロジェクト センター] から、プロジェクトと [プロジェクト サイト] ボタンを選択し、リスク情報を保存するプロジェクトをクリックします。

  2. プロジェクト サイトが開いたら、サイド リンク バーの [リスク] オプションをクリックします。

  3. [リスク] ページが開いたら、[新しいアイテムの追加] をクリックします。

  4. リスク テンプレートでリスク情報を指定します (このテンプレートはシステム管理者が変更できます)。

  5. このリスクに [ファイルを添付] するか、[アイテムをリンク] します。それには、[リスク] リボンで該当するするボタンを選択します。

リスクの表示および管理

以下の手順を使用して、割り当てられているプロジェクト リスクを表示します。リスクを表示するときに、オプションを表示できます。たとえば、アイテムを追加、削除したり、権限を管理したりできます。

割り当てられているリスクを表示するには

  1. Project Web App のサイド リンク バーで、[懸案事項とリスク] をクリックします。

  2. 表示するリスクが含まれるプロジェクトの名前をクリックします。

  3. プロジェクト サイトの [リスク] ページで、表示または変更するリスクを選択します。

  4. 新しいアイテムの [追加]、リスクの [編集] や [削除]、このフォームでの [権限の管理]、またはアラートの設定を行うには、SharePoint Foundation 通知メカニズムを使用します (有効になっている場合)。

プロジェクト懸案事項

プロジェクト管理において懸案事項の管理は重要です。懸案事項は、プロジェクト内で割り当てまたはタスクとしては簡単には特定されない作業アイテムを取得するときに使用します。チーム メンバーとプロジェクト マネージャーが、プロジェクト サイトの [懸案事項] ページを使用できます。プロジェクト マネージャー、リソース マネージャー、およびチーム リーダーは、懸案事項がプロジェクトに影響するかどうかを判断し、問題が大きくなる前に懸案事項を管理する戦略を特定できます。

プロジェクト懸案事項の追加

以下の手順を使用して、Project Web App でプロジェクト懸案事項を追加します。

プロジェクト懸案事項を追加するには

  1. [プロジェクト センター] から、プロジェクトと [プロジェクト サイト] ボタンを選択し、懸案事項情報を保存するプロジェクトをクリックします。

  2. プロジェクト ワークスペースが開いたら、サイド リンク バーの [懸案事項] オプションをクリックします。

  3. [懸案事項] ページが開いたら、[新しいアイテムの追加] をクリックします。

  4. 懸案事項テンプレートで懸案事項情報を指定します (このテンプレートはシステム管理者が変更できます)。

  5. リスクと同様、この懸案事項に [ファイルを添付] するか、[アイテムをリンク] します。それには、[懸案事項] リボンにあるボタンの 1 つを選択します。

懸案事項の表示および管理

以下の手順を使用して、割り当てられている懸案事項を表示します。懸案事項の詳細ページで、アイテムを懸案事項に追加したり、懸案事項を削除したり、懸案事項の権限を管理したりできます。

割り当てられている懸案事項を表示するには

  1. Project Web App ホーム ページで、[懸案事項とリスク] をクリックします。

  2. 表示する [プロジェクト懸案事項] をクリックします。

  3. [懸案事項] ページで、表示または変更する懸案事項を選択します。

  4. 新しいアイテムの [追加]、懸案事項の [編集] や [削除]、このフォームでの [権限の管理]、またはアラートの設定を行うには、SharePoint Foundation 通知メカニズムを使用します (有効になっている場合)。

プロジェクト ドキュメント

Project Server 2010 では、SharePoint ドキュメント ライブラリ機能を組み込むことで、ドキュメント管理をプロジェクト管理プロセス全体に統合します。ドキュメント ライブラリは、Project Server データベースに発行される任意のプロジェクトに関連付けることができます。また、このライブラリは、メンバーがプロジェクト外でドキュメント (Microsoft Word、Microsoft Excel、およびその他多数のドキュメントの種類および形式を含む) のグループ作業や共有を行う場所を提供します。ドキュメント ライブラリの他に、パブリック ライブラリを使用すると、組織内のすべてのプロジェクトに関連するドキュメントを保存できます。

Project Server 2010 のドキュメント管理機能にアクセスするには、Project Web App の [ライブラリ] リンクをクリックするか、[共有ドキュメント] を選択するか、Project Web App から直接共有サイトにアクセスします。ドキュメント ライブラリは、プロジェクト サイトに発行されたプロジェクトごとに作成できます。ドキュメントは、標準のプロジェクトでは使用できない非構造化プロジェクト関連の情報を取得するときに使用します。

プロジェクト ドキュメントの追加

以下の手順を使用して、プロジェクト サイトでドキュメントをドキュメント ライブラリに追加します。

プロジェクト ドキュメントを追加するには

  1. [プロジェクト センター] から、プロジェクト サイトを開くプロジェクトを選択し、リボンの [プロジェクト サイト] ボタンをクリックします。

  2. プロジェクト サイトが開いたら、サイド リンク バーの [プロジェクト ドキュメント] オプションをクリックします。

    [プロジェクト ドキュメント] ページが開きます。

  3. [プロジェクト ドキュメント] ページが開いたら、[ドキュメントの追加] をクリックし、1 つ以上のファイルをドキュメント リストにアップロードまたはインポートします。リスト設定を変更し、適切な権限で処理するには、[ライブラリの設定] の [ライブラリ] タブをクリックします。

  4. ここから、プロパティの [表示] または [編集]、[権限の管理]、ドキュメントの [編集] あるいは [削除]、電子メールによる [送信] (有効になっている場合)、[チェックアウト] (バージョン コントロールを管理する SharePoint Services の機能)、またはアラートの設定 (ドキュメントの任意のリビジョンに対して) を行うことができます。