Pull メソッド (RDA)
リモートの Microsoft SQL Server データベースからデータをダウンロードし、そのデータをローカルの Microsoft SQL Server 2005 Compact Edition (SQL Server Compact Edition) データベースの 1 つのテーブルに格納します。
Pull メソッドを呼び出す前に、次の RDA オブジェクト プロパティを設定する必要があります。
- InternetURL プロパティには、SQL Server Compact Edition サーバー エージェントの URL を設定する必要があります。
- LocalConnectionString プロパティには、デバイス上の SQL Server Compact Edition データベースに接続するための OLE DB 接続文字列を設定する必要があります。
- 基本認証または統合認証を使用するように SQL Server Compact Edition サーバー エージェントが構成されている場合は、InternetLogin プロパティおよび InternetPassword プロパティを指定する必要があります。
構文
object.Pull (localTableName, sqlSelectString, oledbConnectionString, RDA_TRACKOPTION, ErrorTableName)
パラメータ
- LocalTableName
抽出された SQL Server レコードを受け取る SQL Server Compact Edition テーブルの名前。同名のテーブルが既に存在する場合、エラーが発生します。
- SQLSelectString
SQL Server データベースから抽出して SQL Server Compact Edition データベースに格納するテーブル、列、およびレコードを指定する文字列。行を返す有効な SQL ステートメントであれば、SELECT ステートメントやストアド プロシージャなど、任意の SQL ステートメントを表す文字列を指定できます。
- OLEDBConnectionString
SQL Server データベースに接続する場合に使用される OLE DB 接続文字列。詳細については、「SQL Server Compact Edition リモート データ アクセスのプログラミング」を参照してください。
- RDA_TRACKOPTION
RDA_TRACKOPTION 列挙値は、プルしたテーブルへの変更を監視するかどうかを示します。インデックスを要求した場合、プルしたテーブルの既存のインデックスが PRIMARY KEY 制約付きでデバイスに取り込まれます。詳細については、「RDA_TRACKOPTION」を参照してください。
- ErrorTableName
ローカル エラー テーブルの名前。後で Push メソッドを呼び出して変更内容を SQL Server に戻そうとしたときにエラーが発生すると、このローカル エラー テーブルが作成され、エラー情報が格納されます。RDA_TRACKOPTION が TRACKINGON に設定された場合は、このオプションを指定できます。
適用対象
SQL Server Compact Edition RemoteDataAccess オブジェクト
解説
SQLSelectString
SQL Server テーブルからデータがプルされた SQLSelectString パラメータ コントロール。SQLSelectString パラメータを使用する場合は、次の点を考慮します。
- SQLSelectString では、WHERE 句を使用することによって取得するレコードを限定できます。たとえば、
SELECT * FROM Address WHERE PostalCode='93868'
は、特定の郵便番号の住所のみを取得します。 - また、SQLSelectString では、行を返すものであれば、ストアド プロシージャおよびビューも使用できます。
- SQLSelectString は、RDA_TRACKOPTION パラメータが TRACKINGOFF に設定された場合にのみ、複数のテーブルから選択された列を 1 つのテーブルにプルすることができます。
- プルしたレコードセットの中に timestamp 型などサポートされていないデータ型が含まれていると、エラーが発生します。
ErrorTableName
ErrorTableName パラメータには、プッシュの間に発生したエラーを格納するテーブルの名前を指定します。アプリケーションが Push メソッドを呼び出したときにエラーが発生した場合は、SQL Server Compact Edition によってエラー テーブルが作成され、発生した各エラーのテーブルにレコードが追加されます。Push メソッドが完了すると、アプリケーションではエラー テーブルを検査して、エラーが発生したかどうかを調べることができます。TRACKINGON または TRACKINGONWITHINDEXES が指定された場合にのみ、ErrorTableName を指定できます。エラー テーブルがどのように動作するかについては、「RDA の競合の検出と報告」を参照してください。
参照
関連項目
RDA オブジェクトのメソッド
Push メソッド (RDA)