レポート配置のチェックリスト

Reporting Services には、レポート サーバーにパブリッシュするレポートを表示および管理するためのツールや機能が用意されています。レポートを表示する基本的なツールはレポート マネージャですが、カスタム Web アプリケーション、SharePoint 製品、または SharePoint テクノロジを取り入れている場合は、その他のツールや方法も使用できます。レポート マネージャでは、レポートの表示のみを許可されたロールを構成し、そのロールをユーザーに割り当てることができます。レポート マネージャで一般的に利用できる管理機能を、その機能を使用する権限を持たないユーザーから隠蔽できます。

レポート サーバーにパブリッシュしたレポートには、URL アドレスからアクセスできます。パブリッシュされたレポートへの URL は、任意の Web サイトに配置できます。ユーザーがレポート URL へのリンクをクリックすると、レポート サーバー側でレポートが処理され、クライアント ブラウザに返されます。HTML ビューアにはレポート ツール バーが表示され、レポートを対話的に処理できます。そのため、クライアント コンポーネントをインストールしたり、ポータルを特別な方法で構成したりすることなく、URL アドレスからレポートを開くことが可能です。最適な結果を得るため、レポートは新しいブラウザ ウィンドウに開いてください。レポート URL のパラメータを設定して、特定の表示形式を選択したり、レポート ツール バーを非表示にしたりできます。詳細については、「URL アクセス」を参照してください。

レポートを配置するときには、レポート サーバー上に独立したフォルダを作成することをお勧めします。レポート作成者は、完成したレポートをこのフォルダに配置して、テストや構成を行うことができます。レポートをパブリッシュする準備が完了したら、レポート サーバー管理者がレポートを配置フォルダに移動します。ステージング フォルダでは、レポート作成者のアクセスを許可するように権限を設定し、配置フォルダでは、レポート サーバー管理者のみがフォルダの内容を追加したり削除したりできるようにアクセスを制限します。フォルダの詳細については、「フォルダの作成、変更、および削除」および「フォルダのセキュリティ保護」を参照してください。レポート サーバーへのレポートの移動の詳細については、「アイテムを移動する方法 (レポート マネージャ)」を参照してください。

レポート配置タスク

次のチェックリストに従って、組織内のユーザーがレポートを利用できるようにするためのタスクを実行してください。

タスク

説明

レポートを表示するためのツールまたは方法を選択します。

レポートを一般的な用途で使用できるようにするため、Reporting Services には次のような方法が用意されています。

  • Reporting Services のレポート マネージャを使用して、レポートを表示および管理します。

  • パブリッシュしたレポートの URL を既存のポータルに埋め込みます。

  • SharePoint サイトを使用します。この場合は、SharePoint 統合モードで動作するようにレポート サーバーを構成し、レポート サーバーのアイテムを SharePoint ライブラリにパブリッシュします。

  • SharePoint Web パーツを使用して、レポート サーバーのフォルダ階層内を調査したり、レポートを実行することができます。

レポートをパブリッシュします。さらに、任意の共有データ ソースまたはレポート モデルもパブリッシュします。

複数のレポート、モデル、および共有データ ソースをパブリッシュする最も簡単な方法は、レポート作成ツールからパブリッシュする方法です。

レポート作成ツールを使用できない場合は、レポート マネージャを使用してレポート サーバーにアップロードすることで、ファイルを個別にパブリッシュできます。

レポート デザイナによるレポートのパブリッシュおよび配置の詳細については、「モデルのパブリッシュ」を参照してください。レポート マネージャを使用して、完成したレポートをレポート サーバーにアップロードする方法の詳細については、「フォルダへのファイルのアップロード」を参照してください。

ロールの割り当てを確認して、権限を設定または検証します。ロールの割り当てにより、レポートを表示、管理、およびサブスクライブする権限を持つユーザーが決定されます。

ロールの割り当てが既に構成されている場合は、権限のあるユーザーのみがレポートとレポート データにアクセスできることを再確認します。

データ ソースの接続情報を設定または確認します。

レポート データ ソースとして共有データ ソースが定義されている場合は、その共有データ ソースを使用するようにレポートを構成します。レポート固有の組み込みデータソースではなく、できるだけ共有データ ソースを使用してください。共有データ ソースを使用すれば、資格情報と接続情報を一度に更新できます。また、データベースを利用できない場合は、データ ソース接続をオフにして、レポートのデータが処理されないように設定できます。

ユーザーがレポートにサブスクライブする可能性がある場合、またはレポートが要求によってではなくスケジュールに従って実行される場合は、保存されている資格情報を使用するようにデータ ソース プロパティを構成します。

レポートをレポート サーバーにパブリッシュした後で、データ ソースの接続情報と資格情報を構成できます。サブスクリプションやスケジュールに設定されているレポート履歴をレポートでサポートする場合、またはレポートをレポート実行スナップショットとして実行する場合、保存されている資格情報を使用するか、資格情報を一切使用しないようにデータ ソースを構成する必要があります。データ ソース プロパティの詳細については、「レポート データ ソースの管理」を参照してください。

レポート サーバーから外部のデータ ソースに書き込みを行うことはないので、レポート サーバー ユーザーがデータを破壊することがないよう配慮する必要はありません。ただし、重要なデータが含まれている可能性のある外部データ ソースに対してレポート サーバーがクエリを実行することはあります。そのため、権限を持たないユーザーが重要なデータにアクセスするセキュリティ上の危険があるので、対策を講じる必要があります。この脅威を緩和するには、次のいずれかを実行して、レポートで使用される外部データ ソースには権限を持ったユーザー以外アクセスできないようにします。

  • 外部データ ソースに対するユーザー認証を必須にします。ユーザーが資格情報を入力しないとレポートのデータを取得できないようにレポートを構成できます。詳細については、「レポート データ ソースに関する資格情報と接続情報の指定」を参照してください。

  • データベース サーバーに対して最低限の特権しか持たないユーザー アカウントを作成します。たとえば、SQL Server データベースを使用する場合、db_datareader ロールのみを割り当てたログオン名「data reader」を作成できます。続けて、レポートの [データ ソース] プロパティ ページで data reader の資格情報を指定できます。

レポートを要求に従って実行するか、スケジュールに基づいて実行するかを決定するレポート実行条件を設定します。またはこの設定を確認します。

既定では、レポートは要求時に実行されるよう構成されています。つまり、ユーザーがレポートを選択するたびに、レポートに定義されているクエリがデータ ソースに対して実行されます。レポートを要求時に実行しないようにする場合、レポートを実行する日時や方法を制御するレポート実行プロパティを設定できます。詳細については、「パブリッシュされたレポートのプロパティの設定」を参照してください。

レポート履歴の設定を指定または確認します。

レポートの履歴を格納するには、レポートのスナップショットを保存します。レポート履歴にスナップショットを追加する日時のスケジュールを設定することも、スナップショットを手動で追加することも可能です。詳細については、「レポート履歴の管理」を参照してください。

レポート パラメータを設定します。または、その設定を確認します。

レポートによっては、自動実行レポート処理をサポートするために、パブリッシュされたレポートのパラメータ プロパティを設定する必要があります。詳細については、「パブリッシュ済みレポートのパラメータ プロパティの設定」を参照してください。

レポートの配信を自動化するには、レポートにデータ ドリブン サブスクリプションを作成します。または、ユーザーが必要に応じてレポートをサブスクライブできるようにします。

レポートの配置の一環として、電子メール通知によってレポートをファイル共有やユーザーに配信するサブスクリプションを作成できます。また、ロールの割り当てを構成して、他のユーザーが個別にサブスクリプションを作成可能にすることもできます。レポート配信の方法の詳細については、「サブスクリプションと配信 (Reporting Services)」および「標準のサブスクリプションの作成、変更、および削除」を参照してください。

レポートをテストします。可能であれば、レポート ユーザーに対して、各自のワークステーション上のブラウザからレポートを開くよう依頼します。

テスト対象のレポートのみが格納されているフォルダにレポートを配置していた場合は、ユーザーに一般公開するレポートが格納されているフォルダにレポートを移動します。詳細については、「アイテムを移動する方法 (レポート マネージャ)」を参照してください。