リモート IIS Web サイト

更新 : 2007 年 11 月

リモート インターネット インフォメーション サービス (IIS: Internet Information Services) Web サイトとは、別のコンピュータ上で実行する IIS のコピーと関連付けられている IIS Web アプリケーションのことです。Visual Web Developer は、HTTP プロトコルと Microsoft FrontPage Server Extensions を使用してリモート Web サイトと対話します。

次の状況では、リモート IIS Web サイトを作成したり開いたりすることが必要になります。

  • 開発コンピュータ上に IIS をインストールできないが、別のコンピュータ上で実行する IIS にアクセスできる場合。

  • IIS を使用して Web サイトをテストする場合。Web サイトが運用サーバー上で実行する状況をエミュレートできます。この方法では、運用サーバー上と同じようにパスが解決されるため、ASP.NET 開発サーバーを使用してファイル システム Web サイトを操作するより正確なテストを行うことができます。

ローカル コンピュータ上に IIS が実行している場合には、ローカル IIS Web サイトを作成できます。詳細については、「ローカル IIS Web サイト」を参照してください。

必要条件

リモート IIS Web サイトを作成したり開いたりするには、次の設定が必要です。

  • リモート コンピュータに IIS Version 5.0 以降がインストールされ、実行している必要があります。

  • リモート コンピュータで .NET Framework Version 2.0 を実行している必要があります。

  • リモート コンピュータの IIS で ASP.NET Version 2.0 が有効になっている必要があります。詳細については、IIS Product Documentationのトピック「Enabling ASP.NET」を参照してください。

  • サイトの作成先であるルート レベルに、FrontPage Server Extensions がインストールされ、有効になっている必要があります。詳細については、IIS Product Documentationのトピック「Installing and Enabling FrontPage Server Extensions」を参照してください。

  • リモート コンピュータのルート (新しいサイトの作成先) の下に新しいフォルダとファイルを作成するには、FrontPage 管理者または作成者のアクセス許可が必要です。詳細については、IIS Product Documentationのトピック「Using Roles to Manage User Rights」を参照してください。

リモート コンピュータの既存のサイトを開くには、上記の他に、次の条件を満たす必要があります。

  • FrontPage Server Extensions が Web サイト レベルで有効になっている必要があります。

  • ASP.NET 2.0 を使用するようにサイトが構成されている必要があります。そうでない場合、サイトを開いたときに Visual Web Developer からメッセージが表示され、ASP.NET 2.0 を使用するようにサイトを再構成することを求められます。これは、ASP.NET 2.0 をリモート コンピュータにインストールすることとは異なります。リモート コンピュータに ASP.NET 2.0 がインストールされていても、開こうとしているサイトは以前のバージョンの ASP.NET を使用するように割り当てられている場合があり得ます。

リモート IIS Web サイトと FrontPage Server Extensions

FrontPage Server Extensions は IIS がインストールされている Web サーバー上で実行するユーティリティのセットで、このユーティリティを使用して HTTP 接続を介して IIS アプリケーションを管理できます。FrontPage Server Extensions を使用すると、ローカル コンピュータまたはローカル エリア ネットワークから直接アクセスできないサーバーを操作できます。

Visual Web Developer は FrontPage Server Extensions を使用して、リモート Web サイトを管理します。リモート IIS Web サイトを作成したり開いたりして、ファイルを作成したり、開いたり、保存したりすると、Visual Web Developer は FrontPage Server Extension コマンドを送信することにより、リモート サーバーと対話します。

Visual Web Developer は、FrontPage Server Extensions によりすべての通信タスクを自動的に実行します。Web サイトの開発者側から見ると、リモート IIS Web サイトを作成したり開いたりできれば、その後は、ファイル システム Web サイトやローカル IIS Web サイトと同様に、ファイルを操作できます。

h17hytcs.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

FrontPage Server Extensions を使用して、ある程度、リモート コンピュータ上でソース管理を行うことができます。詳細については、「Web サイトのソース管理の概要」を参照してください。

リモート IIS Web サイトの作成とオープン

リモート IIS Web サイトを作成すると、Visual Web Developer が、リモート コンピュータ上で Web サイトが IIS アプリケーションとして機能するために必要なタスクをすべて実行します。Visual Web Developer は、サイトを作成するときに指定されたパスに Web サイトのフォルダを作成し、それから、選択された Web サイト テンプレートに対応するファイルを作成します。

あるフォルダに既に ASP.NET Web サイト ファイルのセットがある場合、Web サイトを開いて、保存場所としてそのフォルダを指定できます。Visual Web Developer で Web サイトを作成したかのように、そのフォルダを使用できます。

リモート IIS Web サイトに対する実行時アクセス許可の設定

Visual Web Developer は、リモート サーバー上に Web サイトを作成するとき、FrontPage Server Extensions 管理者または作成者のアクセス許可に基づいて Web サイト内のページやコンポーネントを作成したり編集したりできるアクセス許可を設定します。ただし、実行時に ASP.NET によって必要とされるフォルダに対して特定のアクセス許可を設定することはできません。

実行時、Web アプリケーションは ASP.NET ユーザー アカウントのコンテキストで実行します。これは、ASPNET (Windows XP Professional または Windows 2000 の場合) か NETWORK SERVICES (Windows Server 2003 の場合) のいずれかになります。アプリケーションが Web サイトに書き込む場合、変更アクセス許可と書き込みアクセス許可が必要です。一般的な例としては、Web サイトには XML ファイル用の App_Data フォルダまたはローカル データベースがあります。適切なアクセス許可がないと、アプリケーションはそのフォルダ内のデータを更新できません。

したがって、アプリケーションがサイトへの書き込みを必要とする場合、更新するフォルダに対して書き込みアクセス許可と変更アクセス許可を付与するようにしてください。これらのアクセス許可を自分で設定できないときは、リモート コンピュータの管理者にこのタスクを依頼してください。

リモート IIS Web サイト プロジェクト

リモート IIS Web サイトを作成したり開いたりすると、Visual Web Developer では、そのファイルを管理するプロジェクトが作成されます。プロジェクトには、アプリケーションの実行方法や使用可能なデバッガなどの少量の情報が格納されます。プロジェクト情報はローカル コンピュータ上にユーザー ベースで格納されます。詳細については、「Web サイトのプロジェクトとソリューション」を参照してください。

リモート IIS Web サイトの実行

既定では、リモート IIS Web サイトを実行してテストすると、Visual Web Developer がブラウザを起動し、リモート サイトのサーバー名を使用して Web サイトを実行します。たとえば、サーバー TestServer 上の Web サイト ExampleSite を作成している場合、Visual Web Developer でこのサイトをテストすると、ブラウザが次の URL からテスト ページを要求します。

http://TestServer/ExampleSite/page

詳細については、「Visual Web Developer での Web ページのテスト」を参照してください。

リモート IIS Web サイトの配置

操作しているリモート IIS Web サイトがまだ運用サーバー上にない場合、Visual Web Developer の Web のコピー ツールまたは Web サイトの発行ユーティリティを使用して Web サイトを配置できます。詳細については、「ASP.NET 配置の概要」を参照してください。

h17hytcs.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

Web サイトの発行ユーティリティは、Visual Web Developer Express Edition では使用できません。

参照

処理手順

方法 : リモート IIS Web サイトを作成する

方法 : リモート デバッグをセットアップする

概念

Visual Web Developer における Web サイトの種類