サーバー機能の強化 (SSAS)

Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) のサービス機能には、次の機能強化と新機能が含まれています。

複数インスタンスのサポート

Microsoft SQL Server 2005 Enterprise Edition からの Analysis Services サービスのインスタンスを最大 50 個まで 1 台のコンピュータにインストールできます。また、それ以外のエディションの SQL Server 2005 からの Analysis Services サービスのインスタンスを最大 16 個まで 1 台のコンピュータにインストールできます。以前のバージョンの Analysis Services では、複数のインスタンスはサポートされませんでした。Analysis Services のインスタンスの詳細については、「Analysis Services のインスタンスの管理」を参照してください。

フェールオーバー クラスタリング

Analysis Services サービスのインスタンスでは、32 ビット システムでは 8 ノードのフェールオーバー クラスタリングを、64 ビット システムでは 4 ノードのフェールオーバー クラスタリングをサポートできるようになりました。以前のバージョンの Analysis Services では、フェールオーバー クラスタリングはサポートされませんでした。詳細については、「フェールオーバー クラスタリング」を参照してください。

XML のサポート

Analysis Services サービスでは、XML for Analysis (XMLA) 1.1 仕様が完全に実装されます。明示的に宣言されるか暗黙的に割り当てられた、状態管理をサポートするセッションでは、Analysis Services のインスタンスとのすべての通信が SOAP メッセージの XMLA コマンドによって処理されます。以前のバージョンの Analysis Services では、XMLA SDK を使用する場合のみ XMLA がサポートされました。この場合、XMLA SDK は XMLA と OLE DB との間のブリッジとして動作します。XMLA の詳細については、「XML for Analysis (XMLA)」を参照してください。

プロアクティブ キャッシュ

Analysis Services サービスでは、ディメンション、パーティション、および集計のパフォーマンスを向上させるために、プロアクティブ キャッシュが使用されます。プロアクティブ キャッシュとは、ROLAP (リレーショナル OLAP) と MOLAP (多次元 OLAP) のそれぞれのメリットを組み合わせたものです。Analysis Services サービスは、プロアクティブ キャッシュが有効であれば、バックグラウンド プロセスを使用して、クエリ処理に使用する ROLAP データを MOLAP ストレージにキャッシュします。リレーショナル データに変更が発生すると、バックグラウンドで MOLAP キャッシュが再構築される間、Analysis Services サービスは ROLAP ストレージからデータを取得します。Analysis Services では、3 種類の異なる通知メカニズムのサポートに加え、プロアクティブ キャッシュ機能を設定して、基になるデータへのリアル タイム アクセス、低待機時間アクセス、または従来のアクセス方法への微調整を行えます。詳細については、「プロアクティブ キャッシュ」を参照してください。

スクリプト作成機能

Analysis Services のインスタンス上のデータベース オブジェクトとその下位オブジェクトは、ASSL (Analysis Services スクリプティング言語) を使用してスクリプト化できます。ASSL は、XMLA と共に Analysis Services の管理に使用される XML ベースの構文です。ASSL の詳細については、「Analysis Services スクリプト言語 (ASSL)」を参照してください。

言語と照合順序のサポート

Analysis Services サービスでは、インスタンス レベルとデータベース レベルの両方で、言語と照合順序の設定がサポートされます。言語と照合順序は、インストール時に Analysis Services のインスタンスに対して指定できます。また、インスタンス上の各データベース、キューブ、ディメンション、およびマイニング構造に対して指定することもできます。Analysis Services での言語と照合順序のサポートの詳細については、「Analysis Services の国際化に関する注意点」を参照してください。

翻訳機能を使用することにより、データベース オブジェクトとその下位オブジェクトで複数の言語をサポートできます。セッションの言語を指定するクライアント アプリケーションは、特定のオブジェクトからデータやメタデータを指定の言語で受け取ることも、指定の言語を使用できない場合はそのオブジェクトの既定の言語で受け取ることもできます。翻訳の詳細については、「キューブの翻訳」を参照してください。

処理のサポート

Analysis Services サービスでは、並列処理の直接サポートなどにより、キューブ、メジャー グループ、パーティション、ディメンション、マイニング モデルをさらに柔軟に処理できるようになりました。1 つのバッチ トランザクションで、Analysis Services のインスタンスの複数オブジェクトを並列に処理できます。Analysis Services の処理サポートの詳細については、「Analysis Services での処理」を参照してください。

参照整合性の問題点

ファクト テーブルの処理時に、以前のバージョンの Analysis Services では、あるディメンションに対する未定義のメンバを含んでいる行が無視されていました。行が無視されると、キューブ内の合計メンバ数がデータ ウェアハウスにあるべき行数の合計と一致しなくなり、Analysis Services で不適切に情報が集計される原因になっていました。Analysis Services サービスでは、参照整合性の問題点に対処する方法を判断する際に、ディメンション内の階層ごとの設定を使用できるようになりました。ファクト テーブルの行が特定の階層に関して NULL 値を含むときは、このような行を階層内の Unknown メンバというプレースホルダ メンバに関連付けることができるようになりました。Unknown メンバの詳細については、「ユーザー定義階層のプロパティの構成」を参照してください。

参照

その他の技術情報

Analysis Services の機能強化 (SSAS)

ヘルプおよび情報

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