新機能 (Analysis Services)
SQL Server 2012 には、企業が意思決定やデータ分析を行うための新しい機能が追加されています。 このトピックの情報を使用して、今回のリリースで追加された Analysis Services の新機能を確認してください。
重要 |
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以前のリリースからアップグレードする場合、または Analysis Services のこのリリースを以前のバージョンと比較する場合は、旧バージョンとの互換性のセクションを読み、このリリースに含まれる重大な変更や動作の変更について確認してください。 詳細については、「Analysis Services の旧バージョンとの互換性」を参照してください。 |
この記事の内容
SQL Server 2012 Service Pack 1 (SP1)
SQL Server 2012 の新機能
SQL Server 2012 Service Pack 1 (SP1)
Excel の PowerPivot:
Excel 2013 の PowerPivot は、Excel およびデータ探索ワークフローとの緊密な統合をサポートします。 PowerPivot の新機能については、「Excel 2013 の PowerPivot の新機能」(https://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/whats-new-in-powerpivot-in-excel-2013-HA102893837.aspx?CTT=1) を参照してください。
PowerPivot for SharePoint:
SharePoint 2013 ファームの外部の PowerPivot サーバーをサポートする SQL Server 2012 SP1 PowerPivot の新しいアーキテクチャ。 この新しいアーキテクチャは、データのクエリ、読み込み、更新、保存を行う Excel Services を活用します。 PowerPivot サーバーは、引き続き SharePoint サーバーをホストするサーバー上にインストールできますが、これは必須ではありません。 新しいアーキテクチャは、新しい PowerPivot サーバーを SP1 のスリップストリーム バージョンと共に配置したときに使用できます。 新しいアーキテクチャは、既存の PowerPivot に SP1 のパッチ バージョンを配置しても使用できません。 詳細については、以下を参照してください。
「SQL Server サービスのインストールの概要」の「SQL Server 2012 SP1 完全インストール」セクション。
SharePoint 2013 を使用した SQL Server BI 機能のインストール (SQL Server 2012 SP1).
spPowerpivot.msi:
PowerPivot ギャラリー、スケジュールされたデータ更新、管理ダッシュボードなどの追加機能によって PowerPivot for SharePoint の操作性を拡張する Windows インストーラー パッケージ (spPowerpivot.msi)。 .msi は、Analysis Services クライアント ライブラリと PowerPivot for SharePoint 2013 構成を配置し、PowerPivot for SharePoint 2013 インストール ファイルを SharePoint サーバーにコピーします。 詳細については、「PowerPivot for SharePoint アドインのインストールまたはアンインストール」を参照してください。
テーブル モデルのバージョンの互換性
SQL Server 2012 SP1 には、テーブル モードで実行される Analysis Services 用の新しい機能が導入されています。これらの機能には、メジャーと KPI 用に最適化されたストレージ、拡張されたデータの分類、拡張文字、階層の注釈、Data Market データ フィードからインポートする際のサポートの向上などが含まれます。 配置されたテーブル モデル プロジェクトが、Analysis Services 配置サーバー インスタンスと互換性がない場合があります。 SP1 の適用により、新しいテーブル モデル プロジェクトの作成時、既存のテーブル モデル プロジェクトのアップグレード時、配置済みの既存のテーブル モデル データベースのアップグレード時、または PowerPivot ワークブックのインポート時に、互換性レベルを指定できます。 詳細については、「互換性レベル (SSAS テーブル SP1)」を参照してください。
Excel 2013 の PowerPivot からのインポート
Excel 2013 ワークブックの PowerPivot を、SQL Server Data Tools または直接 SQL Server Management Tools で作成した新しいテーブル モデル プロジェクトにインポートできるようになりました。
注 |
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SQL Server 2012 SP1 および SQL Server BI 機能のインストールの概要については、「SQL Server BI 機能の SQL Server 2012 SP1 へのアップグレード」を参照してください。 |
SQL Server 2012 の新機能
機能領域 |
変更点 |
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サーバー インスタンスとサーバー監視 |
Analysis Services インスタンスのサーバー モード: 多次元、テーブル、および SharePoint テーブル モデル データベース用の xVelocity メモリ内分析エンジン (VertiPaq) テーブル モードでの Analysis Services のスキーマ行セット イベント トレース インフラストラクチャ |
テーブル モデリング |
SQL Server Data Tools のテーブル プロジェクト SQL Server Management Studio でのテーブル データベースの管理 テーブル モデル デザイナーのダイアグラム ビュー テーブル モデル内のパーティション テーブル モデル内のセキュリ ティ ロール テーブル モデル内の行レベル セキュリティ テーブル モデル内の主要業績評価指標 テーブル モデル内の階層 テーブル モデル内の大きなテーブル テーブル モデル内の画像 テーブル モデル データベース内の DirectQuery モード テーブル モデル内のメモリ ページング このリリースの DAX 関数 |
多次元モデリング |
MOLAP エンジン用の文字列ストレージに対する 4 GB の制限の解除 多次元データベースのリソース使用量レポート 多次元データベースにおけるロックの使用状況と競合を表すトレース イベント ROLAP 処理での DistinctCount のパフォーマンスの向上 |
PowerPivot for Excel |
PowerPivot for Excel (SQL Server 2012) このリリースの DAX 関数 |
PowerPivot for SharePoint |
PowerPivot 構成ツール PowerPivot for SharePoint 用 PowerShell SharePoint での BI Semantic Model 接続ファイル PowerPivot for SharePoint 用の構成設定とサーバーの正常性ルール PowerPivot ブックの自動アップグレードによるデータ更新の有効化 |
プログラミング |
このリリースの DAX 関数 AMO 用 PowerShell PowerPivot for SharePoint 用 PowerShell テーブル モデリングをサポートするための、AMO および XMLA の拡張機能 テーブル モデリングをサポートするための CSDL 拡張 |
デザイン ツール |
Visual Studio への SQL Server Data Tools (SSDT) の統合 |
テーブル モデリングをサポートするための、AMO および XMLA の拡張機能
多次元モデルとテーブル モデルはいずれも、以前のリリースで統合ディメンショナル モデル (UDM) として提供されていたスキーマのスーパーセットである、統合 BI セマンティック モデリング スキーマ (BISM) をベースとしています。 したがって、両方の種類のモデルを共通の API (AMO および XMLA) を使用して操作できるほか、ADOMD.NET と OLEDB を使用して、テーブル モードと多次元モードのいずれかで実行されているサーバーやインスタンスにも接続できます。
AMO と XMLA を拡張してテーブル モデルをサポートできることに加え、このリリースでは、各要件をサポートするための新しいプロパティ、メソッド、およびオブジェクトも提供されています (強化されたレポート機能やレポート内集計用のプロパティなど)。
詳細については、「テーブル モデルのプログラミング」を参照してください。 CodePlex から、テーブル モデリング用の AMO サンプルをダウンロードすることもできます。
SharePoint での BI セマンティック モデル接続ファイル
BI セマンティック接続と呼ばれる新しい種類の接続オブジェクトを使用して、SharePoint 内からテーブル モデルにアクセスすることができます。 BI セマンティック接続を利用することで、スタンドアロン サーバーに配置された Analysis Services データベース、または PowerPivot for SharePoint を含む SharePoint ファームの PowerPivot データを含む Excel ブックで HTTP エンドポイントを使用できます。 BI セマンティック接続ファイルは、model データベースのサーバーの場所を指定する SharePoint コンテンツ アイテムであり、Office データ接続 (.odc) ファイルが外部データの接続情報を格納するしくみに似た機能があります。 SharePoint 環境では、BI セマンティック接続は、SharePoint で設計および使用する Power View レポートのデータ ソースとしてサポートされています。 BI セマンティック接続を Excel のピボットテーブル用のデータ ソースとして使用することもできます。 詳細については、「PowerPivot BI セマンティック モデル接続 (.bism)」を参照してください。
概念スキーマ定義言語 (CSDL) の拡張機能 (テーブル モデリング用)
概念スキーマ定義言語 (CSDL) は、スキーマを消費できるクライアントからのクエリに対する応答としてテーブル モデルを表現し、その表現を使用して視覚化オブジェクト (Power View など) を作成するために使用されます。 このリリースで提供されている CSDL への bi: 拡張には、テーブル モデル用のエンティティ、リレーションシップ、およびデータ型のほか、レポートのビジュアル化およびモデル ナビゲーションを強化するプロパティが含まれています。 CSDL の詳細については、「テーブル モデルの CSDL 拡張機能の概要」を参照してください。
このリリースの DAX 関数
このリリースでは、新しい統計関数、テーブル関数、検索関数、行レベル セキュリティ関数などが導入されています。 合計で 30 個以上の新しい関数が追加されました。
DAX は、SQL Server Data Tools で構築する PowerPivot ブックとテーブル プロジェクトの両方で使用されます。 新しい関数の詳細については、「新機能 (PowerPivot for Excel)」を参照してください。 オンライン ブックの DAX リファレンス ドキュメントを確認するには、「DAX 関数リファレンス」を参照してください。
テーブル モデル内の DirectQuery モード
DirectQuery モードはテーブル プロジェクト用の配置オプションで、これを使用すると、ユーザーとレポート クライアントは SQL Server データ ソースから直接データを取得できます。 DirectQuery モードを使用することで、モデルに対してキャッシュされたデータを使用する際のメンテナンス オーバーヘッドを回避し、基になるデータベース システムの高度なクエリ処理を活用します。 また、この機能を使用すれば、メモリ内に置くことのできない大きなデータ セット用のモデルやレポートを作成することもできます。 DirectQuery は、キャッシュとリレーショナル ソースのいずれかを使用できるハイブリッド配置モードをサポートしています。 詳細については、「DirectQuery モード (SSAS テーブル)」を参照してください。
ROLAP 処理での DistinctCount のパフォーマンスの向上
特定の条件が満たされている場合、ROLAP 処理に DistinctCount を含むクエリを、より速く実行できます。 より多くの操作がリレーショナル データベース エンジンにオフロードされ、COUNT(DISTINCT 列) を使用して NULL でない一意の値が返されるようになるため、クエリのパフォーマンスを低下させる、より高コストな順序付け操作の必要がなくなり、パフォーマンスが向上します。
新しいアルゴリズムと以前のアルゴリズムでは、生成されるクエリ結果が同一でない場合があるため、この最適化は既定では無効になっています。 Transact-SQL のカウントは、NULL 値や異なる照合順序によって変わることがあります。 この最適化を使用する場合は、OLAP\ProcessPlan\EnableRolapDistinctCountOnDataSource プロパティを 1 に設定します。
この最適化が機能するのは、次の条件が満たされている場合だけです。
メジャー グループごとに 1 つのパーティションがある。 複数のパーティションがあると、正しくクエリを実行し、別のパーティションの結果をマージすることができなくなります。
クエリに任意図形がなく、粒度より低いクエリがない。 Analysis Services が適度に効率的な SQL クエリを作成できない場合は、既定のクエリ パターンに戻されます。
リレーショナル データベース エンジンは、SQL Server 2005 以降、並列データ ウェアハウス、または Teradata である必要があります。
イベント トレース インフラストラクチャ
新しい SQL Server 拡張イベント フレームワークをサポートするため、イベント トレース インフラストラクチャが拡張されています。 詳細については、「SQL Server 拡張イベント (XEvent) を使用した Analysis Services の監視」を参照してください。
テーブル モデル内の階層
階層は、1 つのテーブルの 2 つ以上の列間の関係を定義するメタデータです。 階層は、あるレポート クライアント フィールドの一覧の他の列とは分けて表示できるため、クライアントのユーザーは簡単に移動し、レポートに含めることができます。 詳細については、「階層 (SSAS テーブル)」を参照してください。
テーブル モデル内の画像
画像および類似のデータ型 (すべてバイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) データ型に属する) が、テーブル プロジェクト内でサポートされるようになりました。 画像を含んだテーブル プロジェクトを作成する場合、ソース列はバイナリ型またはラージ バイナリ データ型である必要があります。
テーブル モデル内の主要業績評価指標
主要業績評価指標 (KPI) は、対象の値に対するベース メジャーによって定義される、また、メジャーまたは絶対値によって定義される値のパフォーマンスの測定に使用されます。 詳細については、「KPI (SSAS テーブル)」を参照してください。
テーブル モデル内の大きなテーブル
このリリースでは、1 テーブルあたり 20 億行の制限がなくなっています。 テーブルには、格納する行数の制限はありません。 この制限は、テーブルにはありませんが、列にはあることに注意してください。 どの列も、個別の値は最大 20 億個までに制限されています。
テーブル モデル内のメモリ ページング
メモリ ページングを使用すると、モデルをサーバーの物理メモリよりも大きくできます。 メモリ ページングは、VertiPaqPagingPolicy サーバー プロパティを通じて有効化できます。 詳細については、「メモリのプロパティ」を参照してください。
テーブル モデル内のパーティション
パーティションによって、テーブルを論理パーティション オブジェクトに分割します。 各パーティションは、他のパーティションとは個別に処理できます。 パーティションは、SQL Server データ ツール (SSDT) でのモデル作成時にプロジェクトに対して定義するか、または SQL Server Management Studio を使用して配置済みモデルに対して定義できます。 詳細については、「パーティション (SSAS テーブル)」を参照してください。
テーブル モデルでのパースペクティブ
パースペクティブを使用すると、ビジネス固有またはアプリケーション固有のビューポイントをモデルに対して的を絞って作成するための、表示可能なサブセットを定義できます。 詳細については、「パースペクティブ (SSAS テーブル)」を参照してください。
PowerPivot 構成ツール
PowerPivot for SharePoint のインストールを構成するための新しいツールが提供されています。 このツールは、システムをスキャンして SharePoint または PowerPivot ソフトウェアが既に構成されているかどうかを確認し、運用サーバーを配置するために使用される必要な処理を提供します。 このツールは、ソフトウェアのインストールと構成に以前使用されていた SQL Server セットアップの [新しいサーバー] インストール オプションに置き換わるものです。 このリリースでは、PowerPivot 構成ツール、PowerShell、またはサーバーの全体管理を使用することで、インストールと構成 (インストール後に発生するすべての構成手順を含む) が分離されています。 詳細については、「PowerPivot 構成ツール」を参照してください。
SQL Server 2012 の PowerPivot for Excel
このリリースでは、SQL Server 2012 バージョンの PowerPivot for Excel が導入されています。 このバージョンのアドインを使用して、Excel 2010 の PowerPivot ブックを作成して SQL Server 2012 PowerPivot for SharePoint にパブリッシュすることができます。
詳細については、「PowerPivot for Excel のインストール」および「新機能 (PowerPivot for Excel)」を参照してください。
PowerPivot for SharePoint 用の構成設定とサーバーの正常性ルール
このリリースでは、より充実した構成設定と、問題を発生前に検出して修正するための正常性ルールが追加されたことにより、PowerPivot for SharePoint 配置の管理と調整が向上しています。 新しい構成プロパティを使用することにより、ディスク領域消費率、キャッシュ、およびデータ更新操作をより綿密に制御できます。 データ更新では、だれも使用していないブックや何度も更新に失敗したブックについて、データ更新を無効にするかどうかを指定できます。
詳細については、「ディスクの使用領域の構成 (PowerPivot for SharePoint)」、「SharePoint 2010 と SQL Server 2012 による PowerPivot のデータ更新 (Analysis Services)」、および「サーバーの正常性ルールの構成 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。
PowerPivot ブックの自動アップグレードによるデータ更新の有効化
PowerPivot for SharePoint インスタンスの自動アップグレード機能を構成して、SQL Server 2008 R2 ブックを最新バージョンにアップグレードすることができます。これにより、SQL Server 2012 PowerPivot for SharePoint サーバー上のブックのデータ更新が有効になります。 詳細については、「PowerPivot for Excel のアップグレード」を参照してください。
AMO 用 PowerShell
このリリースでは、AMO 用の PowerShell コマンドレットが導入されています。 この機能により、多次元/テーブル モードのサーバー上で実行されている Analysis Services データベースへのコマンド ライン接続、ナビゲーション、および検出が可能になります。 詳細については、「Analysis Services PowerShell」を参照してください。
PowerPivot for SharePoint 用 PowerShell
このリリースでは、PowerPivot for SharePoint を構成するための PowerShell コマンドレットが導入されています。 SharePoint PowerShell コマンドレットと新しい PowerPivot コマンドレットを組み合わせて使用すれば、PowerPivot for SharePoint インストールをすべて PowerShell スクリプトによって構成できます。 詳細については、「PowerShell リファレンス (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。
MOLAP エンジン用の文字列ストレージに対する 4 GB の制限の解除
このリリースでは、文字列ストアのファイル サイズの物理的な制約を解除する新しいオプションが導入されました。 以前のリリースでは、文字列ストレージ ファイルが最大の 4 GB になると、最大ファイル制限に達したことを示す "ファイル システム エラー: WriteFile の FileStore エラーが発生しました" というエラーが発生しました。 このリリースでは、最大ファイル サイズの制限がなくなり、必要に応じてファイル サイズを増やすことができます。 上限値は依然として適用されますが、これらは物理ファイルのサイズではなく文字列の数に基づくことに注意してください。 詳細については、「ディメンションおよびパーティションの文字列ストレージの構成」を参照してください。
多次元データベースのリソース使用量レポート
クエリを処理する際に、リソースの利用状況に関する情報をコマンド レベルで収集できるようになりました。 Resource Usage は、Command End イベントまたは Query End イベントの追加列としても使用できる新しいイベント クラスです。 このイベントの TextData 列で、読み取りと書き込みの回数、読み取りと書き込みの量 (KB)、CPU 時間 (ミリ秒)、スキャンされた行の数、返された行の数を取得できます。 詳細については、「クエリ処理イベントのデータ列」を参照してください。
テーブル モデル内の行レベル セキュリティ
行レベル セキュリティでは、行レベルのフィルターを使用し、データ アクセスをユーザー ID によって制限します。 フィルターはロールを通じて実装されます。 詳細については、「ロール (SSAS テーブル)」を参照してください。
テーブル モードでの Analysis Services のスキーマ行セット
このリリースでは、xVelocity エンジンとテーブル モデルをサポートするために、新しいスキーマ行セットと DMV クエリ インターフェイスが追加されました。 DMV を使用すると、テーブル モデルのオブジェクトやそのプロパティを検出することができます。 DMV には、事前に計画したり、作成したオブジェクトのパフォーマンス特性を推定したりするために使用できる情報が含まれています。 たとえば、DISCOVER_CALC_DEPENDENCY 行セットを使用して、列、メジャー、および式の依存関係をトレースすることができるので、複雑な式のトラブルシューティングが容易になります。 また、他の行セットを使用すると、パースペクティブで使用される列を検索したり、データの型やストレージの特性を判断したりすることができます。 テーブル モードをサポートする新しい行セットの詳細については、「テーブル モデル データ アクセス」を参照してください。 DMV クエリ インターフェイスの詳細については、「動的管理ビュー (DMV) を使用した Analysis Services の監視」を参照してください。
テーブル モデル内のセキュリ ティ ロール
ロールによって、モデルのメンバー アクセス許可が定義されます。 各ロールには、Windows ユーザー名または Windows グループ別のメンバー、および権限 (読み取り、処理、および管理者) があります。 ロールのメンバーは、ロール権限によって定義されたとおりにモデル上で各種操作を実行できます。 読み取り権限を付与して定義されたロールでは、行レベル フィルターを使用して行レベルでのセキュリティを向上させることもできます。 詳細については、「ロール (SSAS テーブル)」を参照してください。
Analysis Services インスタンスのサーバー モード: 多次元、テーブル、および SharePoint
このリリースでは、Analysis Services のインストールにサーバー モードの概念が追加されています。 インスタンスは常に、3 つあるモードのいずれかでインストールされ、それらのモードによって、データのクエリと処理に使用されるストレージ エンジンとメモリ管理が決まります。 サーバー モードには、"多次元およびデータ マイニング"、"SharePoint"、"テーブル" があります。 詳細については、「Analysis Services インスタンスのサーバー モードの決定」を参照してください。
Visual Studio への SQL Server Data Tools (SSDT) の統合
テーブル プロジェクトと多次元プロジェクトは SQL Server Data Tools で作成されます。 今回のリリースで、SQL Server Data Tools は Visual Studio のシェルで実行されるように更新されました。 このシェルでは、読みやすさの向上やマルチ モニターのサポートなど、いくつかの点で IDE が強化されています。
SQL Server Management Studio でのテーブル データベースの管理 (SSMS)
このリリースでは、スタンドアロンの Analysis Services サーバーに配置するテーブル モデル データベース用の管理サポートが追加されています。 ロールベース セキュリティの構成、コマンドのバックアップと復元、Attach と Detach コマンド、パーティションの作成、およびサーバー プロパティの設定が可能です。 詳細については、「テーブル モデル データベース (SSAS テーブル)」を参照してください。
テーブル モデル デザイナーのダイアグラム ビュー
このリリースでは、テーブル モデル デザイナー ダイアグラム ビューが導入されています。 ダイアグラム ビューでは、テーブル間のリレーションシップと共にグラフィカルな形式でテーブルが表示されます。 列、メジャー、階層、および KPI はフィルター選択することも、定義済みのパースペクティブを使用してモデルを表示することを選択することもできます。 詳細については、「テーブル モデル デザイナー (SSAS テーブル)」を参照してください。
SQL Server Data Tools のテーブル プロジェクト (SSDT)
テーブル モデル デザイナーは、SQL Server データ ツール (SSDT) と統合されました。 SQL Server データ ツール (SSDT) を使用してテーブル プロジェクトを作成する方法の詳細については、「テーブル モデル ソリューション (SSAS テーブル)」を参照してください。
また、このリリースには、テーブル モデリングの Adventure Works チュートリアルも含まれています。 このチュートリアルでは、BI ソフトウェア プロフェッショナルを対象に、SQL Server データ ツール (SSDT) での新規テーブル モデル プロジェクトの作成、AdventureWorksDW2012 サンプル データベースからのデータのインポート、リレーションシップ、計算、パースペクティブ、ロール、および階層の追加、およびモデルの配置の方法を説明します。 詳細については、「テーブル モデリング (Adventure Works チュートリアル)」を参照してください。
多次元データベースにおけるロックの競合と使用状況を表すトレース イベント
このリリースには、ロックに関連するクエリまたは処理の問題のトラブルシューティングを支援する新しいイベントが含まれています。 新しいトレース イベントとして Locks Acquired、Locks Released、および Locks Waiting が追加され、従来のロック イベントである Deadlock および LockTimeOut を補完します。 詳細については、「Lock イベントのデータ列」を参照してください。また、「SQL Server 2008 R2 Analysis Services 操作ガイド」で、ロックに関する章を参照してください。
テーブル モデル データベース用の xVelocity メモリ内分析エンジン (VertiPaq)
xVelocity メモリ内分析エンジン (VertiPaq) は、テーブル モデル データベースを処理する Analysis Services エンジンです。 xVelocity エンジンは、インメモリ ストレージを使用して、データを要求時に集計および操作する計算を実行します。 PowerPivot for SharePoint 経由でのみ (VertiPaq エンジンとして) xVelocity エンジンを使用できた以前のリリースとは対照的に、SharePoint に依存することなく、スタンドアロンの Analysis Services インスタンスに対して xVelocity エンジンを使用できるようになりました。
xVelocity エンジンを使用するには、そのインスタンスに対してテーブル モデル データベースを実行できるようにする、新しい表形式サーバー モードで Analysis Services をインストールします。 詳細については、「表形式モードでの Analysis Services のインストール」を参照してください。