チュートリアル : Web テストの記録と実行

更新 : 2007 年 11 月

このチュートリアルでは、ブラウザの記録から Web テストを作成し、それが正常に動作することを検証します。

このチュートリアルでは、Visual Studio Team System Test Edition のツールを使用して Web テストを作成および実行する手順を説明します。Web テスト エディタでは、Web テストは Web 要求を表す URL の一覧として開始されます。Web テストは、Web テスト エディタを使用してブラウザ セッションを記録することによって作成します。Web テストの詳細については、「Web テストの操作」を参照してください。

このチュートリアルでは次のタスクを行います。

  • テスト プロジェクトを作成する。

  • ブラウザの記録から Web テストを作成する。

  • Web テストを実行して、正常に動作することを検証する。

前提条件

このチュートリアルを実行するには、次のコンポーネントが必要です。

チュートリアルの準備

このチュートリアルでは、「チュートリアル : 簡単な Web アプリケーションの作成」で作成した Web アプリケーションを変更しませんが、アプリケーションのアドレスが必要です。

このチュートリアルの準備をするには

  1. チュートリアル : 簡単な Web アプリケーションの作成」で作成した Web アプリケーションを開きます。

  2. Ctrl キーを押しながら F5 キーを押して、ブラウザで Web アプリケーションを実行します。最初のページが表示されます。

    ms182551.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    この操作により、Web テストの対象となる Web アプリケーションを実行する ASP.NET 開発サーバーが起動します。ASP.NET 開発サーバーのアイコンが、タスク バーの右隅の通知領域に表示されます。

  3. Web アプリケーションのアドレスをクリップボードかメモ帳ファイルにコピーします。アドレスの例 : https://localhost:<ポート番号>/ColorWebApp/Default.aspx

  4. ブラウザを閉じます。ただし、Web アプリケーションは開いたままにします。

テスト プロジェクトの作成

テスト プロジェクトを作成するには

  1. Visual Studio の新しいインスタンスで、[ファイル] メニューの [新規] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。

    [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [プロジェクト] で、必要に応じて [Visual Basic] または [Visual C#] を展開し、[テスト] ノードを選択します。

    ms182551.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    このチュートリアルではコードは作成しません。プロジェクト用に選択する言語は、コード化された Web テストが生成されるときに使用される言語に影響します。

  3. [Visual Studio にインストールされたテンプレート] の [テスト プロジェクト] をクリックします。

  4. [プロジェクト名] ボックスに「ColorWebAppTest」と入力します。

  5. [場所] ボックスに、Web アプリケーションを保存したフォルダの名前を入力します。たとえば、「C:\WebSites\ColorWebApp」というフォルダ名を入力します。

  6. [ソリューションのディレクトリを作成] チェック ボックスをオフにします。

  7. [OK] をクリックします。

    ms182551.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    既定で、Visual Studio によって、単体テスト ファイルとテスト作成に関する情報を含むテキスト ファイルが追加されます。これらのファイルは、このチュートリアルでは使用しないため、削除してかまいません。削除しなかったとしても、このチュートリアルには影響しません。

Web テストの記録

Web サイトをエンド ユーザーのように閲覧して、Web テストを記録します。サイト間を移動すると、要求が記録され、Web テストに追加されます。Web テストを記録する方法の詳細については、「方法 : Web テストを記録する」を参照してください。

Web テストを記録するには

  1. [テスト] メニューの [新しいテスト] をクリックします。

    [新しいテストの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [新しいテストの追加] ダイアログ ボックスで、[Web テスト] を選択し、テスト名を「ColorWebTest.webtest」と入力して、[OK] をクリックします。

    ColorWebTest.webtest という新しい Web テスト ファイルがプロジェクトに追加され、Web テスト レコーダが Internet Explorer の新しいインスタンスに表示されます。

  3. ブラウザのアドレス バーに、前の手順でコピーした Web アプリケーション アドレスを入力し、Enter キーを押します。

    ms182551.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    Visual Studio は、記録された Web テスト URL を Web テスト レコーダに表示します。

  4. [Red] を選択し、[Submit] をクリックします。Label が [Red] のページが表示されます。

  5. 最初のページに戻ります。

  6. [Blue] を選択し、[Submit] をクリックします。Label が [Blue] のページが表示されます。

  7. 最初のページに戻ります。

  8. ブラウザのアドレス バーに、外部 Web サイトのアドレスを入力します。たとえば、「https://www.contoso.com」と入力します。

  9. 最初のページに戻ります。

  10. Web テスト レコーダの [停止] をクリックして、記録を停止します。

    ダイアログ ボックスが開き、"動的パラメータを検出しています" というメッセージが表示されます。このダイアログ ボックスには、受信した HTTP 応答でのパラメータの検出状況を示すプログレス バーも表示されます。

    動的なパラメータが検出されなかった場合は、ダイアログ ボックスに "昇格する動的パラメータが検出されませんでした。" というメッセージが表示されます。その後、ダイアログ ボックスが閉じます。

    動的なパラメータが検出された場合は、[動的パラメータを Web テスト パラメータに昇格] ダイアログ ボックスが表示されます。

  11. (省略可能) [動的パラメータを Web テスト パラメータに昇格] ダイアログ ボックスで、Web テストを実行するときに適用する上位変換のチェック ボックスをオンにし、[OK] をクリックします。

    記録が終了すると、Web テストが Web テスト エディタに URL の一覧として表示されます。ここでテストを編集できます。

  12. [ファイル] をクリックし、[名前を付けて ColorWebTest.webtest を保存] をクリックして、新しく記録された Web テストを保存します。

要求プロパティの表示

Web テスト エディタの URL ツリーは、要求ツリーと呼ばれます。要求ツリーでさまざまなノードを選択すると、各要求に関連付けられたプロパティを表示できます。

要求プロパティを表示するには

  1. Web テスト エディタで、要求ツリーに移動し、[https://www.contoso.com] を選択します。

  2. [プロパティ] ウィンドウの、[URL]、[リダイレクトに従う]、および [待ち時間] などのプロパティの値を控えます。

  3. この要求の待ち時間が 0 であることに注意してください。

  4. Web テスト エディタで、要求ツリーに移動し、[https://www.contoso.com] エントリの直前のエントリを選択します。

  5. この要求の待ち時間は、30 秒など、0 より大きい値であることに注意してください。これが、ブラウザのアドレス バーに「https://www.contoso.com」と入力するのにかかった時間です。

Web テストの実行による動作の検証

Web テストを実行して、正常に動作することを検証します。記録した各 Web 要求が再生され、結果が収集されます。詳細については、「Web テストの実行と表示」を参照してください。

Web テストを検証するには

  1. Web テスト エディタで、ツール バーの [テストの実行] をクリックします。

    テストの実行が開始され、テストに含まれる各要求が Web テスト ビューアに表示されます。[テスト結果] ウィンドウにテスト全体の結果が表示されます。次に、結果を検証します。

  2. Web テスト ビューアで、一覧から最初の要求を選択します。

    要求の左どなりには、緑色のチェック マークが表示されます。緑色のチェック マークは、要求が成功したことを示します。Web アプリケーションの最初のページは下部のペインに表示されます。

  3. Web テスト ビューアで、https://www.contoso.com への要求を選択します。

    要求の左どなりには、緑色のチェック マークか赤い X が表示されます。赤い X は、要求が失敗したことを示します。これにより、テストの完了後、テスト全体の結果が失敗になります。既定では、テストが失敗しても残りのテストは中止されず、実行は継続されます。たとえば、https://www.contoso.com への外部 Web 要求はファイアウォールの問題が原因で失敗する可能性があります。しかし、Default.aspx に対するその後の要求は実行され、成功します。

    ms182551.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

    ローカル ネットワーク外の Web サイトにアクセスできない場合、Web テストにプロキシ サーバーを指定する必要がある可能性があります。これについては、次のセクションで詳しく説明します。

  4. テストを 2 度目に実行する場合は、Web テスト エディタの上部にある [再度実行するには、ここをクリックします] をクリックします。

プロキシ サーバーの指定

ファイアウォールの外にある Web サイトをテストしている場合、テストを実行すると、次のエラー メッセージを受信する可能性があります。

RequestFailed: Web テストにプロキシ サーバーの構成が必要であることを示す、次のエラーが発生しました: リモート名を解決できませんでした。

Web テストに https://www.contoso.com などの外部 URL が含まれている可能性があります。ファイアウォール外の Web サイトへのアクセスにプロキシを使用している場合は、Web ページを表示するためにブラウザで使用するプロキシ サーバーを指すように、Web テストのプロキシ プロパティを手動で設定する必要があります。Web テスト エディタを使用してプロキシを設定します。

プロキシ サーバーを指定するには

  1. Web テスト エディタで、要求ツリーに移動し、ルート ノードを選択します。ルート ノードは、Web テスト名である ColorWebTest です。

  2. [プロパティ] ウィンドウで [プロキシ] プロパティを選択し、有効なプロキシ名を入力します。ネットワーク管理者に有効なプロキシ名を確認するか、「default」と入力して Internet Explorer のプロキシ設定を使用します。

    ms182551.alert_caution(ja-jp,VS.90).gif注意 :

    プロキシ設定として "default" を使用すると、負荷下で Web テストを実行するときにパフォーマンスの問題が発生することがあります。Web テストをロード テストで実行する場合は、"default" 以外のプロキシを指定することをお勧めします。

  3. ツール バーの [テストの実行] をクリックして、テストを再実行します。

次の手順

このチュートリアルでは、Web テストを記録し、実行しました。Web テストを作成したので、必要に応じて次の拡張機能を追加できます。

最後に、Web テストをコード化された Web テストに変換する方法については、「チュートリアル : コード化された Web テストの作成」を参照してください。

参照

処理手順

方法 : Web テストを記録する

方法 : Web テストの待ち時間を設定する

チュートリアル : 簡単な Web アプリケーションの作成

チュートリアル : Web テストにデータ バインディングを追加する

チュートリアル : 検証規則と抽出ルールを Web テストに追加する

チュートリアル : コード化された Web テストの作成