ダイヤルイン会議のサポート

トピックの最終更新日: 2009-07-20

ここでは、ダイヤルイン会議の展開のための前提条件と要件、および展開プロセス全体について説明します。

機能コンポーネント

ダイヤルイン会議は、独自のコンポーネントを必要としない Office Communications Server 2007 R2 の機能です。ただし、ダイヤルイン会議をサポートするように構成する前に、次のコンポーネントを展開する必要があります。

  • Office Communications Server 2007 R2 Enterprise Edition または Standard Edition
  • アプリケーション サーバー (Office Communications Server 2007 R2 の展開時に自動的にインストールされます)
  • 会議アテンダントおよび会議アナウンス サービス統合コミュニケーション アプリケーション
  • Office Communicator Web Access サーバーの 2007 R2 バージョン
  • Office Communications Server 2007 R2 仲介サーバー
  • サードパーティのメディア ゲートウェイ
  • Microsoft Office Outlook 用会議アドイン

展開に関する前提条件

組織にダイヤルイン会議のサポートを提供するには、さまざまなサーバーの役割、機能、ポリシー、およびアプリケーションを展開して構成する必要があります。ダイヤルイン会議の展開プロセスが終了するまでは、ユーザーが公衆交換電話網 (PSTN) から会議にダイヤルインすることはできません。

Dd425134.note(ja-jp,office.13).gif注:
Office Communications Server、Communicator Web Access サーバー、および仲介サーバーの展開と構成のプロセスについては、前後関係を示すためにこのトピックで説明しますが、これらのサーバーの計画と展開の情報については、このドキュメント セットの他のセクションで詳細に説明します。

Office Communications Server

ダイヤルイン会議を使用する場合は、会議アテンダントおよび会議アナウンス サービス統合コミュニケーション アプリケーションを含む Office Communications Server を内部に展開する必要があります。Office Communications Server Enterprise Edition プールまたは Standard Edition サーバーを展開する前に、IT インフラストラクチャ、ネットワーク、およびシステムが、「Office Communications Server のインフラストラクチャ要件」で説明されているインフラストラクチャ要件を満たしていることを確認してください。

次の操作を実行して、会議アテンダントと会議アナウンス サービス アプリケーションをインストールしてアクティブ化する必要があります。

プールの構成またはサーバーのインストールのプロセスの間に、任意または全部の統合コミュニケーション アプリケーションをアクティブ化できます。Office Communications Server 2007 R2 を初めて展開するときに会議アテンダントと会議アナウンス サービスをアクティブ化しない場合は、後で次のいずれかの方法で、アプリケーションをアクティブ化できます。

ダイヤルイン会議で必要な会議アテンダントと会議アナウンス サービス アプリケーションを含めた、すべての統合コミュニケーション アプリケーションのインストールとアクティブ化のプロセスは、Office Communications Server フロントエンド サーバーのインストールとプール構成のプロセスに統合されています。

Communicator Web Access

Office Communications Server を展開したら、Communicator Web Access も展開する必要があります。Communicator Web Access を展開する前に、使用する IT インフラストラクチャ、ネットワーク、およびシステムが「Office Communications Server のインフラストラクチャ要件」に記載されているインフラストラクチャの要件を満たしていることを確認します。

[ダイヤルイン会議の設定] Web ページは Communicator Web Access によって提供されます。Communicator Web Access サーバーに既定でインストールされています。ユーザーは、[ダイヤルイン会議の設定] Web ページを使用して、会議のアクセス電話番号の表示、割り当て済みの会議情報の表示または変更、または自分の暗証番号 (PIN) の作成または変更を行うことができます。少なくとも 1 つの内部仮想サーバーを展開して、そのサーバーの URL を公開する必要があります。また、オプションで外部仮想サーバーを展開し、その外部仮想サーバーを公開して、[ダイヤルイン会議の設定] Web ページへのアクセスを組織のファイアウォールの外部に提供することもできます。外部仮想サーバーを展開して公開すると、Microsoft Office Outlook 用会議アドインで作成された会議の招待状のリンクを使用してページにアクセスするユーザーには、外部仮想サーバー上の [ダイヤルイン会議の設定] Web ページが既定で表示されます。

エンタープライズ VoIP

会議アテンダントは、既定でエンタープライズ VoIP のコンポーネントと機能を使用するように設計されていますが、Office Communications Server 2007 R2 用のエンタープライズ VoIP を展開しているかどうかにかかわらず、組織内のダイヤルイン会議をサポートするように構成できます。エンタープライズ VoIP のコンポーネントまたは機能を展開する前に、IT インフラストラクチャ、ネットワーク、およびシステムが、「エンタープライズ VoIP の展開の要件」で説明されているインフラストラクチャの要件を満たすことを確認します。

ダイヤルイン会議を使用するために、少なくとも次のエンタープライズ VoIP 展開タスクを実行する必要があります。

  • 会議アテンダント通話をルーティングする正規化ルールを含む、1 つ以上の場所のプロファイルを作成します。
  • グローバル ポリシーを構成して、ダイヤルイン会議のサポートを会議に追加できることを指定し、匿名ユーザーがすべての種類の会議に参加できるかどうかを指定します。
  • PSTN との通話をルーティングするために仲介サーバーを展開します。
  • サードパーティの基本メディア ゲートウェイを展開するか、SIP トランキングを実行するために仲介サーバーを構成します。

ダイヤルイン会議をサポートするために、SIP トランキングではなく、メディア ゲートウェイを使用する場合は、会議アクセス電話番号として使用する 1 つ以上の DID (Direct-Inward-Dial) 電話番号を持つゲートウェイを構成することも必要です。正規化された電話番号を含むユーザー アカウントも構成する必要があります。

場所のプロファイルを構成する方法の詳細については、エンタープライズ VoIP の展開に関するドキュメントの「ステップ 2. 場所のプロファイルの作成」を参照してください。

仲介サーバーの展開の詳細については、エンタープライズ VoIP の展開に関するドキュメントの「ステップ 5. 仲介サーバーの展開」を参照してください。

メディア ゲートウェイの展開と構成の詳細については、使用するメディア ゲートウェイの製造元が提供するドキュメントを参照してください。

SIP トランキングの展開の詳細については、会議アテンダントの展開に関するドキュメントの「SIP トランキングの展開」およびエンタープライズ VoIP の展開に関するドキュメントの「仲介サーバーの構成」を参照してください。

会議アテンダント

会議アテンダントは、Office Communications Server を展開するときにインストールされてアクティブ化されますが、エンタープライズ VoIP の特定のコンポーネントを展開するまでは、会議アテンダントのほとんどの設定を構成できません。このため、このトピックで前述したようにエンタープライズ VoIP の機能を展開した後で、会議アテンダントのすべての設定を構成することをお勧めします。

会議アテンダントの設定では、少なくとも 1 つの会議アクセス電話番号を構成する必要があります。これには、表示名、割り当てプール、サポート言語、使用する場所のプロファイルなど、各電話番号の設定が含まれます。

会議アテンダントの構成の詳細については、「Configuring Conferencing Attendant」を参照してください。

オプションの展開プロセス

これまでに説明したプロセスが終了した時点で、ダイヤルイン会議サポートの機能は展開されています。このセクションで説明するプロセスを行うと、ダイヤルイン会議のユーザーにその他の機能を提供することができます。

Microsoft Office Outlook 用会議アドイン

Outlook の会議アドインを使用すると、ユーザーがダイヤルイン会議をサポートする会議をスケジュールすることができます。アドインがなくても、ダイヤルイン会議を臨時に使用することはできます。また、会議アクセス番号と個別のダイヤルイン会議情報を含む会議の招待状を手動で作成することもできます。

アドインは、いつでもクライアント コンピュータに展開できますが、このトピックでこれまでに説明した展開ステップを完了するまでは、アドインを展開しないことをお勧めします。

電子メール アナウンス

ダイヤルイン会議の展開プロセスが終了するときに、オプションとして、ダイヤルイン会議のサポートについてユーザーにアナウンスすることができます。Office Communications Server 2007 R2 ドキュメントに組み込まれている "ダイヤルイン会議へようこそ" 電子メール メッセージをカスタマイズすると便利です。

電子メール アナウンスはいつでもユーザーに送信できますが、このトピックでこれまでに説明した展開ステップを完了するまでは、ダイヤルイン会議のサポートについてアナウンスしないことをお勧めします。

ポートの要件

統合コミュニケーション アプリケーションの展開は、Office Communications Server 2007 R2 の展開プロセスに統合されています。そのため、アプリケーション サーバーの展開およびアプリケーションのインストールに対する要件は、プールを構成し、Office Communications Server 2007 R2 にフロントエンド サーバーを追加する要件または Standard Edition サーバーをインストールする要件と同じです。ただし、アプリケーションが使用する既定の SIP リッスン ポートは異なります。ロード バランサを使用する場合は、プールで実行するアプリケーションが使用するポートをロード バランサで構成する必要があります。

会議アテンダントと会議アナウンス サービス アプリケーションの既定のポート割り当ては以下のとおりです。

表 1. アプリケーションのリッスン ポート

アプリケーション ポート

会議アテンダント

5072

会議アナウンス サービス

5073

Dd425134.note(ja-jp,office.13).gif注:
1 つのプール内にある同じアプリケーションのすべてのインスタンスは、同じ SIP リッスン ポートを使用します。

プールの構成に必要なアクセス許可の詳細については、Office Communications Server のドキュメントの「プールとアプリケーションの構成」を参照してください。

フロントエンド サーバーのインストールとアクティブ化に必要なアクセス許可の詳細については、Office Communications Server の展開のドキュメントの「プールへのサーバーの追加」を参照してください。Standard Edition サーバーのインストールとアクティブ化に必要なアクセス許可の詳細については、Office Communications Server の展開のドキュメントの「Standard Edition サーバーのインストール」を参照してください。

Office Communications Server フロントエンド サーバーの展開に必要なサーバーのハードウェアとソフトウェアの要件、クライアントのハードウェアとソフトウェアの要件、インフラストラクチャの要件、およびロード バランサの要件の詳細については、「Office Communications Server のインフラストラクチャ要件」を参照してください。

展開プロセス

次の表は、ダイヤルイン会議をサポートするために実行するステップをまとめたものです。

表 2. ダイヤルイン会議の展開プロセス

フェーズ ステップ アクセス許可 ドキュメント

Office Communications Server 2007 R2 をインストールしてアクティブ化します。

既定では、すべての統合コミュニケーション アプリケーションとアプリケーション サーバーがインストールされます。

  • Enterprise Edition 展開では、プールの構成プロセス中に、会議アテンダント アプリケーションおよび会議アナウンス サービス アプリケーションをアクティブ化します。
  • Standard Edition 展開では、サーバーのインストール プロセス中に、会議アテンダント アプリケーションおよび会議アナウンス サービス アプリケーションをアクティブ化します。

Administrators グループ

RTCUniversalServerAdmins グループ

Domain Admins グループ

Office Communications Server 2007 R2 展開プロセスの場合:

2007 R2 バージョンの Microsoft Office Communicator Web Access サーバーをインストール、アクティブ化、および構成します。

Communicator Web Access サーバーをインストールし、ユーザーが各自の PIN と会議情報を管理するためのダイヤルイン会議 Web ページをホストします。ダイヤルイン会議 Web ページは、Communicator Web Access サーバーのインストール時に既定でインストールされます。Communicator Web Access URL を公開して、ダイヤルイン会議 Web ページが検出されるようにします。

  1. Communicator Web Access をインストールします。
  2. Communicator Web Access をアクティブ化します。
  3. 内部仮想サーバーを作成します。
  4. Communicator Web Access URL を公開します。

Administrators グループ

Domain Admins グループ

Communicator Web Access のインストールとアクティブ化

Communicator Web Access 仮想サーバーの作成

Communicator Web Access の URL の公開

必要に応じて、リモート ユーザーが Communicator Web Access にアクセスできるようにします。

組織のファイアウォールの外部からダイヤルイン会議 Web ページにアクセスできるようにします。

  1. 外部仮想サーバーを作成します。
  2. 必要に応じて、リバース プロキシを使用して、リモート ユーザーに対して Communicator Web Access を公開します。

Administrators グループ

Domain Admins グループ

Communicator Web Access のインストールとアクティブ化

Communicator Web Access 仮想サーバーの作成

リバース プロキシの使用によるリモート ユーザー アクセスの有効化

ダイヤルイン会議 Web ページをテストします。

ダイヤルイン会議 Web ページには、URI https://<internalCWAserver_FQDN>/dialin を使用してサインインします。 リモート ユーザー アクセスが有効な場合は、https://<externalCWAserver_FQDN>/dialin も使用してサインインします。.

Office Communications Server 2007 R2 ユーザー

Web サイトのテスト

1 つ以上の場所のプロファイルを作成してから、既定の場所のプロファイルを割り当てます。

会議アテンダントの通話をルーティングするだけでなく、会議アテンダントが PIN ベースのユーザー認証を実行できるようにする正規化ルールを使用して、場所のプロファイルを作成してから、既定の場所のプロファイルを各プールに割り当てます。電話会議のアクセス電話番号の地域の指定には、場所のプロファイルの説明が使用されます。

RTCUniversalServerAdmins グループ

エンタープライズ VoIP の展開プロセス:

必要に応じて、ユーザーの PIN 要件を確認または変更します。

最小 PIN サイズ、最大試行回数、および PIN の有効期限を指定します。

RTCUniversalServerAdmins グループ

Configure Dial-in Conferencing PIN Settings

ダイヤルイン会議をサポートするようグローバル ポリシーを構成します。

Office Communications Server のグローバル プロパティの [会議] タブの設定を構成して、次の操作を行います。

  • ユーザーがどの種類の電話会議または会議にも匿名参加者を招待できるかどうかを指定します。
  • PSTN からダイヤルイン会議サポートを使用するためのグローバル ポリシーを作成して割り当てます。

RTCUniversalServerAdmins グループ

ダイヤルイン会議をサポートするためのグローバル ポリシーの構成

仲介サーバーを展開します。

PSTN との通話をルーティングするために仲介サーバーを展開します。

RTCUniversalServerAdmins グループ

ステップ 5. 仲介サーバーの展開 (エンタープライズ VoIP 展開プロセスの場合)

サードパーティの基本的なメディア ゲートウェイを展開します。

または

SIP トランキングを実行するように仲介サーバーを構成します。

メディア ゲートウェイを展開して PSTN に接続します。

または

PSTN の発信および着信 ("SIP トランキング") を提供するサービス プロバイダに接続するように仲介サーバーを構成します。

RTCUniversalServerAdmins グループ (仲介サーバーを構成する場合)

SIP トランキング プロバイダの管理者

メディア ゲートウェイの製造元から提供されているドキュメント (メディア ゲートウェイを展開している場合)

または

SIP トランキングの展開 (SIP トランキングを展開する場合)

仲介サーバーの構成 (SIP トランキングを展開する場合)

ダイヤルイン会議をサポートするよう組織のメディア ゲートウェイを構成します。

電話会議のアクセス電話番号として使用する 1 つ以上の DID 電話番号でメディア ゲートウェイを構成します。

メディア ゲートウェイの管理者

メディア ゲートウェイの製造元から提供されているドキュメント

会議アテンダントを構成します。

会議アクセス電話番号および設定を構成します。

RTCUniversalServerAdmins グループ

Configuring Conferencing Attendant

ダイヤルイン会議のスケジュールを有効にします。

Microsoft Office Outlook 用会議アドインを展開し、ユーザーがダイヤルイン会議をサポートする会議をスケジュールできるようにします。

Administrators グループ

Microsoft Office Outlook の会議アドインの展開

ユーザー アカウントのプロパティを構成します。

正規化された電話番号を持つユーザー アカウントについて、[テレフォニー オプション] の [回線 URI] 設定を構成します

RTCUniversalUserAdmins グループ (ユーザー アカウントを構成する場合)

DomainAdmins グループ (Active Directory ドメイン サービス (AD DS) で正規化された電話番号を構成する場合)

ユーザーの構成

静的ルートを構成します。

会議アテンダントへの通話を仲介サーバーにルーティングするように各プールの静的ルートを構成し、Communicator Web Access ユーザーが、PSTN ダイヤルアウトを使用してダイヤルイン会議に参加できるようにします。

Administrators グループ

RTCUniversalServerAdmins グループ

Communicator Web Access ユーザーの静的ルートの構成

Communicator Web Access の電話会議の構成

ダイヤルイン会議の案内をユーザーに送ります。

Office Communications Server 2007 R2 ドキュメントに付属している、ダイヤルイン会議へのユーザーの受け入れを伝える電子メール メッセージをカスタマイズし、このメッセージをユーザーに送信します。

Administrators グループ

ダイヤルイン会議へのユーザーの受け入れ