BI 計画ソリューションとシナリオの追加の計画機能

[アーティクル]
03/03/2017

適用先: SharePoint Server 2010 Enterprise

トピックの最終更新日: 2016-11-30

新しい行を追加する

出費や人員を計画するとき、新しい行を追加する機能がインフォメーションワーカーにとっては非常に重要になってきます。たとえば、北東部門の販売リソースとして 2 人の人員を追加する必要があるとします。これを行う方法は 2 つあります。1 つは基本的なアプローチで、もう 1 つは高度なアプローチです。両アプローチとも、データモデルとしての分析サービスを軸としていることに注意してください (詳細については、「BI 計画ソリューションとシナリオの計画機能の作成ガイド」の「新しい行を追加する」のセクションを参照してください)。

外部コンテンツタイプが使用されている SharePoint リスト

Microsoft SharePoint Designer 2010 を使用して、既存のリレーショナルテーブル外にリストを作成します。これを行うには、最初に SharePoint サイトで外部コンテンツタイプを定義し、そこからリストのインスタンスを作成します。

新しいメンバーをディメンションに追加するには、その新しいメンバーを SharePoint リストに追加します。ここでは、予算の計画に使用する新しい従業員メンバーの作成に必要な必須フィールドの例を示します。

インフォメーションワーカーが Web ブラウザーから外部コンテンツタイプリストを更新します。
Microsoft SharePoint Server 2010 によって、基盤となっているリレーショナルデータテーブルが更新されます。

分散

キューブの分散

インフォメーションワーカーは、Excel 2013 で作業中に分散の方法を構成し、書き戻しが可能なピボットテーブルによって Microsoft SQL Server Analysis Services (SSAS) のキューブデータを更新できます。

インフォメーションワーカーが実行する分散の方法は多数あります。これらの方法は、基本的なシナリオと高度なシナリオに分けることができます。

定義された期間にわたって集計値を分散する。
階層の親メンバーから開始して、階層内で均等に集計値を分散する。
階層内で均等に割り当てる。
階層内でパーセンテージによって増やしたり減らしたりする。

前の年の実際の実績値に基づいて分散する。
リレーショナルデータテーブルに保存されたカスタム割り当てのパーセンテージに基づいて分散する。
親子階層内で分散する。

場合によっては、Excel SSAS で使用できる既定の分散ロジックでは十分でないことがあります。この場合は、カスタマイズすると便利です。その方法の 1 つが、Microsoft SQL Server 2008 リレーショナルエンジンを使用して、ストアドプロシージャによって分散するというものです。インフォメーションワーカーのプロセスは次のとおりです。

分散用のストアドプロシージャが必要とする入力メンバーを更新します。
Excel 2013 からストアドプロシージャを実行します。

ストアドプロシージャはマクロを使用して Excel から直接呼び出すことができます (詳細については、「XLODBC 関数を使用してマクロの例」を参照してください)。計算されたすべての値が階層のリーフレベル (つまり、キューブの粒度の最下位レベル) のときは、リレーショナルレベルで分散を行うのが理想的です。分散の計算が完了したら、キューブには、階層に従って適切な集計値が表示されます。

また、分散は、MDX の UPDATE CUBE ステートメントでも実行できます。詳細については、「UPDATE CUBE ステートメント (MDX)」を参照してください。ただし、この操作は、通常、ほとんどのインフォメーションワーカーのスキルでは行うことができません。

分散ロジックを設計する場合は、エンドユーザーシナリオを十分にテストし、将来のためのプロセスに取り組んでいるエンドユーザーにベストガイダンスを提供できるようにします。たとえば、親子階層では、インフォメーションワーカーに表示される分散に、予期しない動作が発生するという既知の問題があります。1,000 のデータを親子階層にわたって分散すると、次のような割り当てになります。

A 1000 を分散
B
C

A – 1000 (集計)
A - 333.333 (データメンバー)
B - 333.333
C - 333.333

一般的に、インフォメーションワーカーによる分散を設計する場合は、分散できるものとできないもの、および各種分散によってどのような動作が予期されるかについて、モデルデザイナーから明確なガイダンスを提供されるのが理想的です。これが重要なのは、インフォメーションワーカーは PC 階層と平準化された階層を区別できないのに、分散の動作は上記で示すように異なっているからです。

一般的に、Excel 2013 および SQL 2008 R2 のパフォーマンスを分散すると非常に効果的です。ここでは上位メンバーである "全" 地域から、すべての個別地域にわたって分散を行いました。この分散値は予測期間にわたって製品 SKU により入力され、この結果、50,000 行を超えるファクト行が分散によって OLAP キューブの書き戻しテーブルに作成されました。キューブへの変更の公開は数秒で完了しました。

キューブに含まれるディメンションとメンバー数は次のとおりです。

アカウント (77)
地理 (14)
製品 (505)
シナリオ (11)
時間 (66)

Hyper-V 仮想マシンの構成:

3.5 GB の RAM
1 台のプロセッサ 2.67 GHz Intel Core i7

PowerPivot 分散

ここでは、ネイティブの Excel 2013 機能および PowerPivot リンクテーブルを使用して、分散値が含まれる PowerPivot データモデルを更新する概念について考えていきます。前に示したように、PowerPivot では、Excel 2013 ピボットテーブルからの直接の更新はネイティブではサポートされていません。このため、分散やその他の種類のデータ更新が困難です。しかし、基本的なシナリオの中にも、Excel レベルの分散を実現し、結果を PowerPivot モデルに戻すことができるものはあります。

インフォメーションワーカーが行う分散の簡単な例を確認してみましょう。

インフォメーションワーカーは、既存の PowerPivot モデルのデータを使用し、製品 SKU による合計収益に基づいて、カスタム分散を時間経過に沿って作成する必要があります。
インフォメーションワーカーは、他の分析で使用するために分散情報を PowerPivot データモデルに戻して組み込む必要があります。

ピボットテーブルを作成し、集計値を取り込んで時間経過に沿って分散します。
スプレッドシートで地域を作成してパーセンテージを保持し、期間にわたって割り当てます。
スプレッドシートで地域を作成し、再割り当てされている現在の通貨額を保持します。
他の "PowerPivot Partitions" シートで、PowerPivot にリンクできる構造化ファクトテーブルを作成します。この各テーブルは、SSAS キューブのパーティションテーブルと考えることができます。
- 分散で使用する期間ごとにテーブルを作成します。
- 作成する各テーブルのディメンショナリティはデータモデルと同じにします。
- テーブルごとに PowerPivot ディメンションテーブルへの関係を作成します。
DAX メジャーを作成し、パーティションテーブルのデータを 1 つのメジャーにまとめて、レポートで使用できるようにします。

分散パーセンテージ地域の右側には、計算された分散値が期間別に示されています。この計算値は、パーティションテーブルを作成するときに Excel テーブルによって参照されます。このパーティションテーブルは、テーブルのデータを PowerPivot モデルにリンクするときに使用されます。また、Excel 参照式を簡単にするために、期間ごとにパーティションテーブルを作成します。

"リンクテーブル" のパーティションテーブルを作成する場合、メンバーを特定する一意のキーを設定することが重要です。前述の例では、パーティションテーブルの作成時にディメンションごとに "MemberId" を使用します。
前述の方法は、フィルターの選択がフォーム上で変更されない状況に適しています。たとえば、各インフォメーションワーカーは独自のピボットテーブルを持つことができます。このテーブルには、データを PowerPivot モデルにリンクするときに使用する独自の一意のフィルター選択が含まれています。
新しい製品 SKU の分散データを格納できるように、参照セル式に対して十分なバッファー容量が Excel テーブルに作成されるようにします。
作成されるリンクテーブルが多くなるほど、ブックの複雑性が増し、PowerPivot モデルの管理性が低下します。

PowerPivot は、構造化データの複数のソースをまとめるときに便利です。DAX は、計算されたメジャーによってこの分野で特に役立ちます。
Excel で直接データを更新すると、PowerPivot モデルも更新されます。
インフォメーションワーカーの入力フォームを作成して PowerPivot モデルを更新する作業は簡単ではありません。

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