BI 計画ソリューションとシナリオの移行

[アーティクル]
03/03/2017

適用先: SharePoint Server 2010 Enterprise

トピックの最終更新日: 2016-11-30

展開の移行

移行とは、ソリューションを開発環境から運用環境に移すことです。これには、一般的に、3 つの環境と 2 つの移行段階を伴います。

開発からテストへの移行。
テストから運用への移行。

開発

ソリューションの開発は、一般的には、すべての必要なサービスを使用する単一サーバーで行うことができます。これには、ローカルでインストールされた Microsoft SQL Server と Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services (SSAS) が含まれます。これは、一般的には、以下を必要とする開発では理想的です。

ソリューション開発に明示的に関連しない問題に関する所要時間を短くする、環境の完全なコントロール。
サーバーのセットアップの単純化。
ソリューション設計および要件へのフォーカス。

テスト

テスト環境の主要な目的は、運用環境と非常によく似た開発環境で設計を検証することです。テスト環境は以下のことに重点を置きます。

ビジネスロジックの検証
パフォーマンステスト
セキュリティとアクセス制御

運用

運用環境とは、ソリューションの末端利用者がアクセスする実用環境です。この環境は、IW による重大なデータの損失が起きないように、バックアップと冗長性を持つ必要があります。

計画ソリューションの移行には、移行元環境から移行先環境に、以下の資産を移動し再設定することが含まれます。

SQL Server のデータベースの計画
SQL Server Analysis Services のデータベースの計画
Microsoft SharePoint Server 2010 の Excel フォームテンプレート
Microsoft SQL Server Integration Services (SSIS) を使用して作成された ETL パッケージ

リレーショナルデータベース

リレーショナルデータベースの移行は、単純なバックアップおよび復元過程を使用して実行できます。SSMS を使用して SQL Server データベースのバックアップファイルを作成します。

次に、そのバックアップファイルを使用して、移行先環境の SQL Server にデータベースを復元できます。データベースを移行先環境で復元した後で、多次元データベースの復元を始めることができます。

多次元のデータベース

多次元のデータベースの移行もまた、リレーショナルデータベース同様のバックアップおよび復元過程を使用して実行できます。以下は、データベース復元後に考慮すべき点です。

ロールベースのセキュリティを更新する
データソースを更新する

ロールベースのセキュリティを更新する

セキュリティは、一般的には、異なる移行環境では異なる方法で構成されます。たとえば、運用環境と比較して、開発環境では、多次元のデータベースを処理し変更する権限を持つ、多くの専門家ユーザーがいます。セキュリティをセットアップするとき、各移行環境内でユーザーに必要なセキュリティ権限を考慮し、その環境で不要なロールを削除することを推奨します。

開発環境のセキュリティ

開発環境のすべての専門家ユーザーを含む単一の SQL Server Analysis Services ロールを作成することが推奨されます。この開発ロールは、多次元データベースでの対話型操作に関して、その他のほとんどのロール以上の昇格した権限を持ちます。たとえば、データベース処理権限と、データベースオブジェクトの作成/変更/削除の権限が与えられます。単一のロールを作成することで、そのロールをある環境から別の環境に移動する際、管理者はそのロール内のユーザーを簡単に削除あるいは更新できます。管理性を高めるには、ロールにメンバーシップを追加するとき、Active Directory グループを使用します。これにより、IT 技術者は、SQL Server Analysis Services にまったくアクセスせずにセキュリティを管理できます。

テスト環境のセキュリティ

テスト環境の目的は、運用環境で必要とされるセキュリティセットアップをエミュレートすることです。セキュリティをセットアップするとき、いくつか考慮すべき点があります。セキュリティ要件の複雑によって、以下のものを含むことができます。

セキュリティ保護されたデータの各スライスに基づいて作成されたロール。
IW ごとのロール。それぞれに自分自身のセキュリティ定義が含まれます。

ほとんどの場合、テスト環境で開発ロールを使用可能にすることは許容範囲内です。また、テスト環境でユーザー承認テスト (UAT) の目的のみに存在するユーザーには、専用の個別のロールを作成して、明確に識別できるようにすることを推奨します。運用に移行するときに、開発およびテストロールは削除する必要があります。

運用環境のセキュリティ

運用環境には開発あるいはテストロールを含めるべきではありません。運用環境で、多次元データベースを復元した後で、これらのロールを削除します。セットアップされたセキュリティロールは、運用環境にアクセスする必要がある IW に対してのみであることを確認してください。

データソースを更新する

多次元データベースで、移行先環境の SQL Server を示すように、データソースの接続文字列プロパティを更新します。

リレーショナルデータベースサーバーに SQL Server Analysis Services サーバーがアクセスできることを確認してください。すべてが適切に構成されていることを確認する目的で、データベースプロセスを実行して、多次元データベースを、再度、読み込みます。

Excel フォームテンプレート

フォームテンプレートを、SharePoint ドキュメントライブラリから、移行先環境用に作成した別のライブラリに転送します。ピボットテーブルによって使用されるデータ接続の接続文字列プロパティを、移行先環境の多次元データベースを指すように更新します。

ETL パッケージ

移行元システムと計画ソリューション間のデータ転送用に作成されたパッケージは、移行元から移行先環境にパッケージを移動するときに更新する必要があることがあります。SSI パッケージ内で構成プロパティがセットアップされている方法によっては、以下を操作して接続文字列を更新する必要があることがあります。

XML 構成ファイル
環境変数
レジストリエントリ
親パッケージ変数
SQL Server

SSI パッケージで接続文字列を管理する方法の詳細については、「Understanding Integration Services Package Configurations (英語)」を参照してください。

運用環境とテスト環境では、以下の 4 つのサーバー構成とすることを推奨します。SQL Server Analysis Services OLAP サーバーは、スタンドアロンのコンピューターを必要とする重要なサーバーです。SQL Server Analysis Services に基づく計画ソリューションでは、中核的なボトルネックは、一般的には、次元データモデルと Excel 2013 ピボットテーブル間のやり取りを主に担当する SQL Server Analysis Services サーバーにあります。これには、すべての What-If とその他のアドホッククエリへの応答が含まれます。さらに、また、クエリ要求に応答するとき、SQL Server Analysis Services サーバーによって多くの計算が動的に評価されます。従って、一般的に SQL Server Analysis Services サーバーでは、高い処理能力と大量のメモリの割り当ての両方を必要とします。しかし、正確なサーバー構成は、ソリューションの複雑さと、システムの IW による利用状況要件に依存します。

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