BI 計画ソリューションとシナリオの企業による関連企業の管理

 

適用先: SharePoint Server 2010 Enterprise

トピックの最終更新日: 2011-01-25

企業による関連企業の管理

計画の要件が複数の部署にわたる大企業では、多くの場合、最終的には集中型の計画ソリューションを実装し、正確かつ効率的な標準化されたプロセスを実現しなければなりません。企業と関連企業の間の要件が複雑になると、単一の一体型計画ソリューションでは対応できない可能性があります。たとえば、次のような課題があります。

  • 1 つのシステムにアクセスするユーザー数が増え過ぎる。

  • すべての関連企業のニーズを満たすのに必要な複雑なモデルが増え過ぎる。

  • 1 つの関連企業のプロセスが他の関連企業に影響を及ぼす可能性がある。

  • 1 つの関連企業に対する更新が他の関連企業に影響を及ぼす可能性がある。

  • 影響が会社全体に及ぶので、変更を反映させるのが難しい。

こうしたシナリオでは、すべての関連企業のテンプレートとして機能する企業ソリューションによって複数計画ソリューションを作成できます。これにより、単一計画ソリューションの負荷が軽減されます。

複数計画ソリューションのアプローチにより、部署ごとに単一ソリューションを実現できます。このソリューションはそれぞれが独自のリレーショナル データ マートおよび SQL Server Analysis Services データベースを備えています。企業ソリューションは、すべての関連企業のプライマリ データ ソースとして機能し、モデル、ディメンション、および階層の企業ビューが共有されます。企業 SQL Server Analysis Services データベースは、各関連企業のテンプレート構造として機能します。標準化されたビジネス ルールは企業で実装および維持され、必要に応じて関連企業のソリューションにコピーされます。

企業ソリューションに小さな更新があると、関連企業ソリューションとの同期が実行されます。たとえば、新しいアカウントが "アカウント チャート" に追加されたり、共有モデルのファクト データが更新されたりします。企業ソリューションからのディメンション メンバーおよびプロパティに対する更新は、関連企業ソリューションのメンバーに関連企業のみに所属というタグを付けることで自動的に同期されます。これにより、関連企業と企業間の更新に対して ETL を簡単に定義することができます。

企業に対して大きな更新があると、各関連企業への企業テンプレートの再コピーが必要になる可能性があります。

関連企業データ モデルを作成する手順:

  1. 企業ソリューションのリレーショナル データベースをコピーして、関連企業環境に復元します。

  2. 企業ソリューション SSAS データベースをコピーして、関連企業環境に復元します。

    1. 関連企業環境を指すようにデータ接続を更新します。

    2. 関連企業で使用するために SSAS データベースにおけるユーザー セキュリティ ロールを更新します。

  3. ETL パッケージを作成し、企業ソリューションと関連企業ソリューション間で複数の共有データ モデルのデータを同期します。

  4. コピーされた企業データベースに関連企業固有のデータを適用します。たとえば、企業階層に含まれないアカウント チャートにアカウントを追加します。関連企業に追加されたメンバーには、関連企業固有のタグが適切に付けられていなければなりません。これにより、企業データと関連企業のデータの ETL 処理を引き続き同期できます。

  5. データを取得してレポートを作成できるように、関連企業固有のモデルを作成します。

複数計画には次のような利点があります。

  • 各関連企業が、企業全体のプロセスに影響を及ぼすことなく、より柔軟に独自の計画プロセスを設計およびスケジュール設定できます。

  • 関連企業計画ソリューションに対する変更が、他の計画ソリューションに影響を及ぼすことはありません。

  • パフォーマンスが向上する可能性があります。計画ソリューションを各部署の主要なユーザー ベースに地理的に配置できます。

  • 数万単位で存在する可能性がある、各部署に所属するすべての IW グループに比べ、各部署のセキュリティ モデルが簡素化されます。

企業ソリューションとそのデータ モデルを利用するために、共有できるアイテムをいくつか次に示します。

  • ファクト、ディメンション、および階層テーブルを企業から関連企業に適用して共有します。

  • キューブ (MdxScript) の企業ビジネス ルールを関連企業に適用して共有します。

  • ストアド プロシージャを企業から関連企業に適用して共有します。

関連企業ソリューションのディメンション、階層、およびファクト テーブルは、ETL プロセスを使用して企業ソリューションのデータを直接利用できます。最新の企業データが関連企業に取り込まれるように、テーブル間でデータの同期が定期的に行われるようスケジュール設定できます。企業のデータは既にクリーニングされているので、ETL は比較的簡単に行うことができます。

標準化されたビジネス ルールについては、企業ソリューションの定義を再利用して、関連企業に適用できます。たとえば、企業 SQL Server Analysis Services データベースに存在する Mdx スクリプトをコピーして、関連企業の SQL Server Analysis Services データベースに追加できます。また、ストアド プロシージャについても、SSMS "ストアド プロシージャをスクリプト化" 機能を使用して、関連企業のリレーショナル データ モデルにコピーして適用することができます。

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